特別企画

”ハイピカ”が原作絵を一層引き立てる!「よふかしのうた ポスターくじびき」フォトレポート

【よふかしのうた ポスターくじびき】
9月30日 発売
価格:1,650円

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 小学館より本日9月30日に発売された「よふかしのうた ポスターくじびき」。本日は「よふかしのうた」の完全新作「よふかしのうた-楽園編-」、及び「コトヤマ短編集 ファンフィクション」も発売されるという、コトヤマ氏のファンにとっては忙しい一日である。

 さて、本商品は「よふかしのうた」本編より選ばれた6シーン(うち1種はシークレット)がメタリックな用紙「ハイピカ」に印刷され、巻いた状態で箱に格納。中身がわからない状態で販売されるくじ商品となる。印刷されたシーンはいずれも841×300mmという大判縦長のポスター用紙にバッチリと映えるカットであり、ぜひ壁に飾りたい!と思うような出来栄えである。加えてこのサイズでコトヤマ氏の絵が高精細で印刷されているということもあり、氏の筆致も間近で確認できるという喜びもある。

 今回シークレットを含むA~Fまでのデザイン全種を入手したので、早速写真とともにご紹介したい。

ラインナップはA~Fまでの全6種で、Fはシークレットとなる
”くじ引き”ゆえに外箱は全て共通で、開けるまで中身がわからない仕様となる

「ハイピカ」とはコトヤマ氏の絵柄が映えに映える、渋く輝く魅惑の用紙であった

 前述の通り、本商品はAからFまでのローマ字が振られた6種類の原作カットを縦長の用紙に印刷したポスターくじである。選ばれたカットは夜守コウと七草ナズナの2人にフォーカスしたもので、一部ナズナのみのカットもある。各カットには1色がイメージカラーとして配置されており、これが緻密な背景をより際立たせ、キャラクターの顔周りは全て共通してモノクロでもあるにも関わらず、立体感や奥行きを強く感じさせるものになっている。構成として本来横長のコマを縦長にトリミングしているものもあるが、元からその構成だったかのようなハマり具合にも注目したいところだ。

 個人的な推しは全部……といいたいところだが、特に気に入ったのは赤が映える「A」のナズナ。上から見た構図と背景の建物、逆さまに落下するナズナの露出度高めの衣装やそのはためきなど見どころが多く、ポスターにうってつけのカットであると思う。もちろん作中であまりに印象的なシーンであり、全デザインで唯一ナズナの表情が見えない「C」も大変にエモいし、派手な背景とモノクロの2人という色の対比表現が珠玉の出来だと思う。

 また、商品ページには「メタリックな用紙『ハイピカ』を使用」と書いてある。筆者は不勉強ながらこの紙の詳細を知らなかったのだが、元々「ハイピカ」はマット仕様のアルミ蒸着紙であるらしい。その紙肌にはきめ細やかで鈍く光るような独特の質感があり、「よふかしのうた」の深夜の雰囲気や、各絵柄に配された1色がとても映える。もっと言うなら黒にも独自のテカリが出て、光沢があるにも関わらずより黒く見えるという、さながら光沢液晶のような不思議な仕上がりだ。本くじの単価は一回1,650円と正直若干お高めの設定ではあるのだが、コトヤマ氏の絵柄との相性の良さ、発色の良さもあり、この紙質を見れば納得というところであった。ちなみに、素材として紙は紙なので、キレイに貼るため伸ばす際は折り目がつかないよう細心の注意を払って作業にあたってほしい。

【A】
鮮やかな赤が映えるナズナのイラスト
ソリッドな背景との対比が映える
【B】
遊具に登る2人。イメージカラーは緑
月は金。渋い輝きが印象的だ
【C】
作中でも極めて印象的なシーン。色の印象は派手だが、背景が金、2人がモノクロで表現されるという色の対比によって、逆説的に”公共の場ながらここに2人きり”という印象を強く感じさせる
ラインナップのうち唯一ナズナの顔が見えないカット
ちなみに「B」の月の金とは色合いが全く異なり、「C」の金はより黄色が強い
【D】
深夜の2人。ナズナのこの目に吸い寄せられる
イメージカラーはブルーだが、コウとナズナの服の色味が異なっており、ナズナの方は紺に近い色合い
【E】
ベンチに腰掛けるナズナ。「恋バナ」でも始まりそうなワンシーンでカラーはパープル
こちらのイラストは元々の塗りと「ハイピカ」のマットなメタリック感が相まって、特に黒が映える。ニーハイがより蠱惑的に

 なお、本くじにはシークレットとなるF柄が存在するほか、1箱(1ロット25セット)の中に2枚の「あたり!」が封入されている。これらの詳細はあえて伏せるが、F柄は背景の関係で多数の色が載るというほかのデザインと異なる仕様で、メインとなる絵柄もシークレットにふさわしいものだ。「あたり!」はポスター本体と比べると小さなものなので、もし入っているものを引き当てたときのため、開封時には念入りに箱をチェックするようにしたい。

「あたり!」の絵柄。伏せられているがこれは……

 コトヤマ氏の描く女性は、「だがしかし」の枝垂ほたる然り、「よふかしのうた」のナズナ然り、蠱惑的なような淡白なような、見つめていると吸い込まれるような……表現が難しいが、とかく魅力的な瞳が特徴的だと感じる。それらのイラストそのものを大サイズで堪能できるほか、紙自体独特の味があるものが使われていることによる空気感の表現、そして作中でも特段印象的なカットを味わえる本アイテムの実物は、画像のイメージよりも遥かに迫力のあるアイテムであった。

 本日はさながら”コトヤマDAY”とでも言うべき、関連商品が続々と発売される日である。単行本はもとより、本製品もぜひ手にとってコトヤマ氏の世界を堪能してほしい。

一般的なドアに貼り付けるとこのようなサイズ感。伝わりにくいかもしれないが、かなり大判で満足感がある。ひとつ気になることがあるとすれば、サイズが特殊であるため額の入手に苦労しそうなことか