特別企画

【今日の読み切り】「あかり」(1巻完結)

老ステンドグラス作家が生き別れた孫あかりと再会。あかりにはある秘密が――

【あかり(1巻完結)】

著者:小日向まるこ

小学館クリエイティブ

 ステンドグラス作家の篝(かがり)は、妻を亡くしたことで、開いていたステンドグラス教室を閉めることにする。そんなある日、家の前で見知らぬ少女を見つける。それが生き別れた孫のあかりだと確信した篝は、彼女を家に招き入れ、「好きなだけ居たらいい」と告げるが……。

 本作「あかり」は、小日向まるこ氏の1巻完結の短編マンガ作品。「ヒーローズコミックス ふらっと」より発売されており、デジタル版もAmazon Kindleストアや楽天Kobo、DMMブックスなどで配信されている。

 作品を通して、ステンドグラスを作成する様子や、ガラスの表現などが多く登場し、色とりどりのガラスが散りばめられた実際のステンドグラスを思い起こさせる。ガラスのひとつひとつを組み合わせて作られるように、家族の物語についても、少しずつ展開され、あかりが伝えたかったことも徐々に明らかになっていく。あとがきでの著者が綴る、家族に対しての言葉も印象的。作品はもちろん、著者のステンドグラス職人だった祖父への想いも込められたあとがきも含め、読んでみてほしい。

【あらすじ】

妻と死別し、生きる意味を見失った老ステンドグラス作家篝のもとに、生き別れた孫のあかりが訪ねてくる。ふたりはステンドグラスの制作を通じて心を通わせていくがーー。