特別企画
WacomよりOSを搭載したポータブルパッド「Wacom MovinkPad 11」が登場!低価格で描くことに特化したディスプレイタブレット
2025年7月17日 10:00
- 【Wacom MovinkPad 11】
- 7月31日 発売予定
- 価格:69,080円(ワコムストア)
ワコムは、「Movink」シリーズの新製品となる「Wacom MovinkPad 11」を7月31日に発売する。価格は69,080円(ワコムストア)で、全国の家電量販店での販売も行なわれる。
「Movink」シリーズでは、2024年に13.3型(解像度1,920×1,080)のプロフェッショナル向け有機ELペンタブレット「Wacom Movink 13」がリリースされている。それに連なる「Wacom MovinkPad 11」は、AndrodOSの搭載や解像度の向上が行なわれたほか、Wacom Pro Pen 3を同梱しつつもエントリ向けとして他機種に比べお手頃価格での登場となる。
「Wacom MovinkPad 11」が従来の「Wacom Movink」シリーズや液晶タブレット、板タブレットと異なるのは、“描くことに特化した”タブレットで、AndroidOSを搭載している点だ。AndroidOS搭載タブレットは数多く登場しているが、今回の「Wacom MovinkPad 11」は“クリエイティブを楽しむすべての人に向けた、描くための道具”として仕上がっているのが特徴だという。
発表に先駆けて行なわれたメディア向け発表会の前半では、ワコムのプロダクトマーケティングマネージャー 小幡幸結氏による説明と、UX/サービスデザイン責任者の鈴木啓高氏とセントラルマーケティング シニアマネージャー 則行あかね氏の両人による「Wacom Movink」のUX(ユーザ体験)についての解説、後半にはゲストとしてイラストレーターのnajuco氏を招いてのトークセッションも行なわれた。ここでは、それらの模様をお伝えしよう。
すきま時間に、場所を問わず、思い立ったら即座に描ける「Wacom MovinkPad 11」
今回の新商品である「Wacom MovinkPad 11」は、「創作に特化し、描く道具とは何かをとことん考え抜かれたポータブルパッド」と同社が表現するように、イラスト制作に必要な機能やアプリを1台に詰め込んだ、オールインワンのポータブルパッドだ。
特徴としては、いつでもどこでもすぐに描けることと創作に集中できること、さらには精細で正確な描画体験が挙げられる。最初の点については、ディスプレイサイズは持ち運びに最適な11.45型を採用し、重さも僅か588gに収められている。またAndroidOSの搭載により、本製品単体で”描いて、清書して、保存する”という一連の作業を行なうことができるためPCを一緒に持ち歩く必要性がなく、機動性も確保。使用するペンはWacom Pro Pen 3を採用し、充電も不要だ。そしてこの“描きたいと思ったときにスケッチブックを開いて鉛筆を走らせる”ようなレスポンスの良さをタブレットでも実現すべく、いつでもどこでもすぐに描けるように、本機には“Quick drawing機能”が搭載されている。これはスリープ中の画面をペンで長押しするだけで、即座にワコムのスケッチアプリ「Wacom Canvas」が起動し、すぐにスケッチや下描きなどに取りかかることができるというもの。
「創作に集中できること」という点に関しては、シェアボタンを押して表示される「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」を選ぶことで、「Wacom Canvas」にて描いた画像データを自動的に転送、編集が可能な状態で同アプリに移行されるというシームレスなフローで実現。「Wacom Canvas」でスケッチ・ラフ画を描き、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」で本格的に着色や修正を行なう、という作業フローが取れるため、一般的なタブレットのように他のアプリに寄り道せずに済む。なお、描いたデータはすべてローカルに自動保存されるだけでなく、それらは「Wacom Shelf」にて一覧を確認することが可能だ。
精細で正確な描画体験という部分に関しては、既に使用しているユーザーから高い評価を得ているプロフェッショナルモデルにも対応した「Wacom Pro Pen 3」を採用することと、画面の端でも正確に描画できるよう設計方法を見直すことで、隅々に渡ってペンの軌跡をしっかり捉えて操作できるようになっている。これにより、ペンとタブレット双方から精細で正確な描きやすさを実現している。
ディスプレイも2,200×1,440ドットという高解像度で、映り込みが少なく自然な描き心地が得られるアンチグレアに加え、指紋が付きにくいアンチフィンガープリントガラスを採用。外で作業することも考えて輝度は400cd/㎡、リフレッシュレートも90Hzとなっている。これらのおかげで、外でも快適に作業することが可能だ。
本体サイズは縦266mm×横182mm×厚み6.99mmで、ベゼルは狭い部分で約10mmとなっている。音量と電源ボタンが僅かに出ている以外は全体的にソリッドで、質実剛健さを感じさせるデザインだ。背面にはカメラだけでなく、隅の4カ所に僅かな厚みのあるゴム足が付いている。これにより、机上に設置して作業したとしても、本体がズレて移動してしまうということはない。
この後、UX/サービスデザイン責任者の鈴木啓高氏とセントラルマーケティング シニアマネージャーの則行あかね氏による「Wacom Movink」のUX(ユーザ体験)についての解説が行なわれた。ここでは、ユーザーがすぐに描き始められるような工夫や、各アプリケーション間でのやりとりが簡単にできることなどが説明された。
najuco氏のイチオシポイントは”サイズ感と軽さ”
発表会での後半では、イラストレーターのnajuco氏を迎えてのトークセッションが行なわれた。najuco氏にはあらかじめ「Wacom MovinkPad 11」が貸し出されていたとのことだが、一番良いと思ったのはそのサイズ感と軽さ。この大きさで描ききれるため、ちょうど良いサイズだと思ったとのこと。
また、浮かんだアイデアをスケッチすることも多いので、ベッドの上でも使えるのも良かったそう。普段は「アイデアが浮かんだときはデスクトップPCを動かして、そこで描いているのですが、Wacom MovinkPadならば場所を選ばずにアイデアスケッチができたのが便利でした」とも語っていた。
「Wacom Pro Pen 3」に関しても「遅延が少なく、直感的に紙とペンで描くような感じでさらさらいけるので、それが本当に良いです」と絶賛。手にフィットするような感じで描きやすいと評価した。また、「Wacom MovinkPad 11」にはカメラも搭載されているのだが、これについても小物などの資料撮影に活用していたのだという。
最初に説明があった「Quick drawing」機能については「画面を長押しするだけで起動するので、普段ラフを描くときはわざわざデスクトップPCまで移動して、そこで本体を起動後にアプリを立ち上げるという作業があるんですが、『MovinkPad』では本当に一瞬で起動できてしまうのが凄いです」と驚きを隠せない様子。
実際に試用して、自身のワークフローに本機を取り入れられそうかと問われると「はい、そのまま使いたいくらい良いですね」と即答。使用パターンに関しては、寝る前や移動中にアイデアが浮かぶことがあるので、そのタイミングで活用したいのと、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」が使えることでラフ描きから着色、仕上げと完成までもっていけるので、移動先での本格的な製作ができるというメリットを挙げた。
アプリ内でのペンの質感などに関しても「鉛筆の質感も再現されていて、紙とペンで描いている感覚がするのが良いです」と評価。どのような人に使ってもらいたいかと聞かれると「ペンタブレットやタブレットに触ってみたことが無いものの、興味はあったという人に触ってもらいたいですね。すごく直感的で描きやすいし使いやすいので、もっと絵を描くことが好きになると思います」と語ってくれた。さらに「移動中や旅行先でも絵を描くことが多いので、そういうところにも持っていってほしいなと思います」とも付け加え、トークショーは終了となった。
その身軽さと創作に集中できるアプリ環境!初心者からプロまで幅広くオススメできる1台
ポータブル用ディスプレイタブレットシリーズとなる、「Wacom Movink」シリーズの最新作として登場した、今回のOS搭載ポータブルパッド「Wacom MovinkPad 11」。昨年リリースされたプロフェッショナル向け「Wacom Movink 13」と比べると、エントリ向けということで価格が大幅に安くなっているのは歓迎できるポイントだろう。それでいて、創作することに特化した構成になっているので、これまで「タブレットで絵を描きたいけれど高くてなかなか手が出せない……」と思っていたユーザーには、まさにピッタリの製品となっていると感じた。
ふと思い立ったアイデアを描いて残したい人、タブレットをあちこちに持ち運んで使いたい機動力を重視したい人など、初心者やプロフェッショナルを問わず多くの人が重宝するアイテムになるだろう。
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