特別企画

【今日の読み切り】「ピタとポロ」

絵本のように優しくて残酷で不気味な世界

【ピタとポロ】

著者:福地翼

 主人公は、絵本のような雰囲気のキャラクター、ピタとポロ。無垢で可愛い2人は平和な「らくえん」に暮らしている。だが、ある日どこからともなく聞こえた声によって、「殺し合い」が宣言され、誰かを「殺す」という概念すら知らない彼らは、お互いの命を奪い合うバトルロイヤルに巻き込まれていく。

 「ピタとポロ」は、「うけきの法則」や「GOLDEN SPIRAL」の福地翼氏による読み切り漫画。なぞの声からもらった能力(チート)と、2人の連携で、突然始まった殺し合いを生き抜いていく。

 などと書くと、とてもバイオレンスな漫画かと思うかもしれないが、そうではないところにこの漫画の面白さがある。どこまでも純粋無垢で、死ぬという意味すら理解していないピタとポロだけに、誰かを殺すという認識もないままに戦う姿の悲壮さが際立つ。連載漫画としても成立可能な筋立てになっているので、できることならこの先の展開も読んでみたいものだ。

【あらすじ】

 なかよしのピタとポロはごはんの時も寝る時もいつもいっしょ。ある日、2人が森で木の実を取っていると、どこからともなく声が響いてくる。「今日からみなさんには『殺し合い』をしていただきます」と――。