読み切り
【今日の読み切り】「犬を送る」
愛犬たまが気付かせてくれた、夫婦の喪失と再生を描く物語
2025年1月22日 00:00
- 【犬を送る】
- 著者:藤原ハル
- 講談社
ある夫婦の13年飼っていた愛犬、たまが死んだ。同時に、子供のいない夫婦の関係が終わりを迎えようとしていた。たまの亡骸を抱えていつも通りの散歩道を歩く2人。2人が出した結論とは……。
本作「犬を送る」は、「ちばてつや賞ヤング部門第89回優秀新人賞」に輝いた藤原ハル氏の短編作品。2023年12月4日より「コミックDAYS」にて配信されている。
長い間一緒に過ごしてきたペットは、家族同然の存在。本作では13年もの長い間、夫婦とともに生活を送ってきた愛犬、たまが亡くなってしまう。たまの亡骸と一緒に、いつもの散歩道を2人で歩きながら、たまを迎えた頃の思い出を回想するシーンは、夫婦のこれまでを思い出させる。たまの死をきっかけに、すれ違った夫婦がお互いの気持ちに向き合っていく様子が描かれている。
13年飼っていた愛犬、たまが死んだ。そして同時に、子供のいない私たち夫婦の関係も終わろうとしていた。たまの亡骸を抱えていつも通りの散歩道を歩くと、一緒に過ごした日々が走馬灯のように蘇る。幸せを感じた日、絶望を味わった日。その愛憎入り混じる記憶の先にあったのは──。問題を抱えた夫婦の喪失と再生を描く物語。
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