特別企画

【今日の読み切り】「ウツロと妖精の街」

現実の裏にある「妖精の街」に迷い込んだ移木悠は……

【ウツロと妖精の街】

著者:島崎無印/たらちねジョン

集英社

 消えてなくなってしまえればいいのに。そう思った移木悠(うつろぎゆう)が目を覚ますと、巨大な猫の上にいた。そのしゃべる猫はカフェ「サウェイン」のオーナー兼店長、ケット・シーだと名乗る。現実の時間から切り離された妖精の街で、悠はカフェの店員として働くことになる。

 「ウツロと妖精の街」は、「死霊術師のお手伝い」を手掛けた島崎無印氏と、「アザミの城の魔女」で知られる、たらちねジョン氏による作品。「となりのヤングジャンプ」にて2021年6月より配信されている。

 妖精は人の心から生まれた存在。妖精の街には、忘れられ、人の世界にいられなくなった妖精たちが住んでいる。そんな街でウェアウルフのガルウは、オリビアという女性を探し続けている。彼女はなぜ姿を消したのか。ストーリーはその謎を基軸に進んでいく。

 虚無の底から妖精の街へ迷い込んだ主人公も、純粋で真っ直ぐな妖精の心に触れ、少しずつ変わっていく。人間のことが大好きな妖精とのやり取りに心温まる作品だ。

【あらすじ】

 「消えてなくなってしまえればいいのに」……そう思ったウツロは目が覚めると不思議な妖精の街に迷い込んでいた。現実の時間から切り離された世界で、ウツロが出会ったのは……。