特別企画
紙にもiPadにもそのまま書ける!ゼブラ「スタイラスツーウェイ」が7月31日に発売。不具合”ツル抜け”を新機能に昇華
2026年7月9日 13:00
- 【スタイラスツーウェイ】
- 7月31日 発売予定
- 価格:オープン
- (実売価格:本体15,000円想定、替芯1,500円想定)
ゼブラは、ボールペン&充電式スタイラスペン「スタイラスツーウェイ」を7月31日に発売する。価格は本体・替芯共にオープンで、実売価格は本体が15,000円程度、替芯が1,500円程度を想定している。
「スタイラスツーウェイ」は、ペン先を出したまま、紙に書けるボールペンとしてもiPadシリーズ用のスタイラスペンとしても使える文具。ボールペンとスタイラスペンは同じ「書く」用途のものとして2in1のような形で一体化された商品も発売されているが、「スタイラスツーウェイ」は軸の切り替えなしに1本のペンでそのまま両用できるというのが最大の特徴となる。
発売を前にして開催されたメディア向け説明会では、本製品の特徴や、1本で紙とタブレットに書ける技術が開発されたきっかけ、それを可能にした”逆転の発想”などが語られた。
持ち替えなしで紙とタブレットを行き来する新たな文具!不具合”ツル抜け”を応用
「スタイラスツーウェイ」開発の背景として、デジタル化が進む昨今でも紙への書き込みはもとより、タブレットにも手書きで書き込むというシーンが増えてきているということがある。例えば学生が講義中にiPadのカメラで板書を撮影し、そこにスタイラスでメモをしたり、次の瞬間にはボールペンに持ち替えてノートに書き込みをする。看護師がカルテの入ったタブレットを持ち歩き、そこに患者の状況を書き込んだりする一方、点滴に日時の記入などをしたりする。同じ「書く」という行為が紙とタブレットという異なる媒体に、異なる道具を用いて行なわれているわけで、ゼブラは1本のペンでアナログとデジタル双方を行き来し、シームレスに繋ぐことを目的として本製品の開発に着手した。
ゼブラとしては文具のノウハウはあれど、電子基板を搭載したスタイラスペンは独自で作るのは難しく、様々な企業と話をした結果、最終的にエレコムと協業して開発を行なうことになった。ゼブラはペン先やインク開発、筆記体験の設計を、エレコムはペンの機構や回路設計、試作品評価等を担当している。
本製品の最大のポイントは、「紙ではインクが出て、iPadでは出ない」というところ。これによってスタイラスとボールペンそれぞれの機能を両立させているが、それを実現したのが独自開発の芯。紙は繊維の集合体であるため、そのわずかな凹凸を拾ってペン先のボールペンが回転し、インクが出る。一方のタブレット上では表面がツルツルしているため摩擦が低い状態となるため、ボールが回転せず、インクも出ないという仕組みだ。これだけ聞くと簡単なように聞こえるかもしれないが、筆記面に合わせて厳密にインクの出る・出ないを制御するとなると、その実現がいかに困難かが忍ばれる。
面白いのは、タブレット上ではボールが回転せず書けない、というのが、筆記具におけるいわゆる「ツル抜け」という不具合の応用であることだ。ツル抜けとはボールペン先がツルツルした面で回転せず文字が書けないという不具合であり、もちろん通常は忌避され、試作品で発生してしまったとしたら改善されるべきものである。
実は元々本製品は「iPadで紙に近い書き心地を再現する」という文具メーカーらしい思想から始まったもので、紙とタブレットの両用はコンセプトとして存在していなかった。しかし、インクを入れずにペン先を入れ替えつつタブレットに書き込んでテストをしていく中で、ペン先の動きを顕微鏡などで観察していた際、ツル抜けが発生している事に気づいた。つまり、タブレット上のみで意図的にツル抜けを発生させることができれば、インクで紙に書くボールペンとしても、インクを出さずにタブレットでスタイラスペンとしても使用できるというわけで、まさに逆転の発想である。
そこからはペン先とインクの組み合わせの調査に着手し、目的を達成するため400種以上のインクを試作しつつ、ペン先と70以上の組み合わせをテストして、理想の機能を追究していった。ここでポイントとなるのはインクの「潤滑性」。潤滑性は滑らかさや滑りやすさの指標となるが、潤滑性を上げるとボールが回転しやすくなるため、上げすぎるとタブレット上でもインクが出てしまう。一方潤滑性を下げるとボールの回転が鈍り、紙で書いた際にガリガリとした書き味になってしまう。最適なインクとペン先の組み合わせを実現するため、開発には5年の歳月を費やした。
機能面を見ていくと、スタイラスペンには珍しいノック式が採用されており、本体側面のクリップ部分をノックすると電源がONになる。電子機器でよくあるボタンなどではなくノックが採用されているのは、ペン先を保護するためとよりボールペンらしい使用感に近づけるためだ。また、いわゆるノック式ボールペンのように天面ノックでないのは、基板等を搭載したことで一般的なペンと比較して全長が少し長くなっているため。実機で試してみると、確かに試しで親指で天面に触ろうとすると指の動きに無理がでる全長であったため、製品版で採用されたクリップノック方式がしっくりくる。
そのほか、本体には磁石が内蔵されており、iPadのサイド部分に磁力でくっつけることができるほか、手が画面に当たっても誤動作しない「パームリジェクション機能」が搭載されており、しっかりと手をおいて書くことができる。また、LEDライトが本体左右に搭載されており、右手・左手どちらで持っても電源のON/OFFや電池残量の確認ができる。充電はUSB-Cで行なう形で、30分の充電で7時間連続動作する。振動をトリガーとしたオートスリープ機能により、ペンを出した状態でも振動が検知されなければ自動で電源OFFとなり、電池を節約。復帰の際はノックすることで再使用が可能となる。
特徴的なのは中芯の交換で、「スタイラスツーウェイ」は付属のピンセットで芯を挟み、そのまま引き抜くような形で芯を外す形式が採用されている。一般的にペンの芯交換はネジ式のキャップ等を外して本体内部にアクセスする形で行なわれるが、「スタイラスツーウェイ」内部に基板や金属部品が多数内蔵されているため、破損防止の観点からも分解せずに交換できるような仕組みにしたのだという。
1点使用において注意が必要なのが、ペンを寝かせて書くとiPad画面に傷がつく可能性がある、ということ。これは「スタイラスツーウェイ」がボールペンの構造を流用していることによるもので、構造上芯には心臓部である最先端のボールと、それを支える軸部分にごく僅かな段差がある。通常の角度の筆記であればボールのみが画面に接地するため問題ないが、過剰に寝かせて筆記することでこの段差が画面にひっかかり、傷になってしまうことがあるのだという。それを避けるため、ゼブラではガラスフィルムの装着と、”寝かし書き”を行なわないことを推奨している。「スタイラスツーウェイ」のインクは仮に画面にインクが出てしまっても拭き取りやすい仕様になっているが、ガラスフィルムを装着することでより画面の汚れを防ぐという副次的な効果も期待できる。
なお、対応モデルは「iPad」、「iPad mini」、そして「iPad Pro 11インチ」となる。仕組み上ボールペンのペン先を使用していることに関連して、一部iPad Pro 13インチなど電気的な接続がうまくいかない機種があり、確実に使用できるモデルのみを対応機種としているという。
書く手が止まらない!どこで書いても快適な「スタイラスツーウェイ」
紙のメモとタブレットを併用していると、「ペンを持ち替えるのがめんどくさい!」というのは誰しもが思うことだろう。その点、「スタイラスツーウェイ」はツル抜けという文具の不具合を逆手にとり、持ち替えなしでアナログとデジタルの手書きを行ったり来たりできるようにしたという画期的な筆記具なのである。実際に発表会場で試し書きをしてみたところ、この使用感が思いのほか快適で、話を聞きながらつい手元で落書きをし続けてしまったほどだ。
スタイラスペンとしても引っ掛かりやラグなどは感じず、スルスルと思い通りに書けて非常に快適だ。また、会場にサンプルとして置いてあった「サラサクリップ 0.5」と書き比べてみると、同じ0.5mm径のボールが採用されているにもかかわらず、書き味は明確に異なっている。「サラサクリップ」も評価の高いジェルインクでありながら、「スタイラスツーウェイ」はさらに書き味滑らかで、ややヌルヌルとした手触りがある。個人的には大変好みの書き味であり、単なる両刀のペンにとどまらず、従来ボールペンとしてのこだわりも強く感じられた。
使用方法によっては画面に傷がつく可能性があるということと、一般的なスタイラスや日用品のボールペンとしては価格が高いというのが弱点といえば弱点ではあるが、ガラスフィルムを貼ることで前者はカバーでき、後者はデジタルガジェットや中価格帯のボールペンと思えばそこまで高価なものではないと見ることもできる。
なお、本製品は7月31日に発売を迎えるが、同時に東京・二子玉川「蔦屋家電+(プラス)」にて、約3か月に渡り実機の展示も行なわれる。そのメリットはスペックだけでも折り紙付きだが百聞は一見に如かずということで、一度試してみるのも大いにアリだろう。是非「スタイラスツーウェイ」の持つ便利さ、新しさに触れてみてほしい。























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