インタビュー

TVドラマ放送中!姉妹のマウントバトルを描いたWEBTOON「どうか私より不幸でいて下さい」作家陣インタビュー

妹・志保の表情は「まさにホラー」!?

【WEBTOON「どうか私より不幸でいて下さい」】

comicoにて連載中

【TVドラマ「どうか私より不幸でいて下さい」】

日本テレビ系全国ネット 火曜プラチナイト

毎週火曜 24時24分~24時54分放送

配信:TVer、Hulu 毎話放送後配信開始

 エブリスタの原作小説、comicoでコミカライズされたWEBTOON版ともに大人気の「どうか私より不幸でいて下さい」が、今度は日本テレビのドラマDEEP枠でドラマ化。2024年7月より放送がスタートした。

 本作は、実の姉妹によるマウントバトルを悲喜こもごもに描くサスペンスドラマ。主人公の名取景子は、エリートの夫と結婚して幸せな新婚生活を送っている専業主婦。だが彼女は、最愛の妹、志保が自分の夫と不倫していることにまだ気づいていなかった。

 comicoのWEBTOON版では本編は完結しており、現在は完結後の続編がスタートしている。第2話までは無料で読めるので、まだ未読であればぜひ試してみて欲しい。

□「どうか私より不幸でいて下さい」第1話を読む

 今回は、小説版を執筆したさいマサ氏、WEBTOON版の構成を担当したましき氏と、作画を担当した竹野筍氏の3名に、作品作りやドラマ化の感想などを聞くことができた。ドラマを毎週楽しんでいる人も、ドラマから漫画や原作に興味を持ったという人も、ぜひ読んでみて欲しい。

幸せな新婚生活を送る姉の景子と、その夫と不倫する志穂の壮絶な戦いを描く「どうか私より不幸でいて下さい」

好きなシーンは志保が不倫をばらすところ

――まずはさいマサ先生に、この作品がどんな構想から生まれたのかを教えていただけますか?

さいマサ氏: 小説はずっと書いていまして、ほとんどはホラーだったんです。それが2年ぐらいチャット小説の仕事をしていて、その間は小説は一切書いていなかったんです。その仕事が終わって時間ができたので、せっかくだから今まで書いたことがないジャンルを書こうと。ちょうどその頃から少しずつコミカライズの声をかけていただいていたこともあり、WEBTOONとかウェブ漫画を読むようになったんです。そうしたら、女性同士のドロドロした話には、大人の女性の読者層が一定数いるんだと気づいて。ちょっとドロドロしたものを書こうと思ったのがきっかけです。

――こういったテイストの話を書かれたのは今回が初めてなんですか?

さいマサ氏: そうですね。ホラーの中にも不倫の話があったりはしますが、女性同士のドロドロした部分に特化したものは初めてです。

――主人公を女性にしたことには何か理由があるのですか?

さいマサ氏: 私が書いている作品は女性主人公ばかりなんです。この作品は、コミカライズを前提に考えたところもあるのですが、自分の中でなにがうけるかを考えた時に、女性主人公ならこのくらいはいけるかもというイメージがありました。

――本作のテーマは何ですか?

さいマサ氏: 2人の女性の戦いを描くということです。夫婦にしようか姉妹にしようか迷ったんですが、姉妹の方が切り離せないものがあるかなと思って。書いていくうちに、幸せとは何か、不幸とはどういうものなのかということについて、だんだん気持ちが乗るようになりましたが、最初は単にドロドロしたものを書こうと思っただけなんです。

――キャラクターのデザインはどんなふうに決まったのですか?

竹野筍氏: メインの景子と志保、景子の夫の信一に関しては、最初に原作者さんにイメージボードみたいな資料を作っていただいて、それをもとに描き起こしました。私も原作小説を読んで、結構近いイメージを持っていたので、すんなりデザインできました。

景子と夫の信一
景子の妹、志保

――イメージボードはさいマサ先生が作られたんですか?

さいマサ氏: そうです。このコミカライズ用に、身長とか髪色がどんな感じであるとか。

――最初に描き起こされてきたキャラクターを見た時はどう感じましたか?

さいマサ氏: まったく修正はなかったです。まさにこうですという感じでした。

――メインの3人以外のキャラクターはどのように決めているんですか?

竹野筍氏: メインの3人以外はイメージボードはありませんが、ましきさんのネームにある程度雰囲気が書かれているので、そこから私がキャラクターにする感じです。

――ではサブキャラクターの見た目は、ましきさんが考えられているのですね。

ましき氏: そうですね。でも原作にも年齢や雰囲気が記載されているので、それをもとに作っています。

――ご自分のお好きなものの中で、作品に活かされたものなどありましたら、教えてください。

さいマサ氏: 私はすごく映画を観るし、本も読みます。ドロドロした話も小説も漫画もすごく読みますが、直接参考にしたというものはないですね。いろいろな要素として、自分の作品に活かしているという感じです。いろいろなものを見ているからこそ、他とは違うストーリーが書けるのかなと思っています。

 作品を書くにあたっては、とにかく展開が読めないようにしたいと思っていました。復讐して終わりという形ではなく、血の繋がりがある姉妹が、一度は離れても縁が切れずにまたリンクしていくような話なので、復讐は早い段階でやってしまって、そこからも2人の人生は続いていって、時には立場が逆転したりといったふうに書こうと決めていました。

ましき氏: 私もホラー映画が一番好きなんです。だからもしかすると影響を受けて、ホラー感が増している部分はあるかもしれないです。後は「賭ケグルイ」という漫画の表情が個性的で、インパクトがあるんですが、その表情の描き方に結構影響を受けています。

竹野筍氏: 絵柄とかキャラクターの表情作りで影響を受けていると思うのは「ブルーロック」と「怪物事変」と「夏目アラタの結婚」という漫画でしょうか。私はどちらかというと、映画やドラマよりも漫画が好きなので、漫画からの影響が大きいと思います。

――ネタバレにならない範囲で好きなシーンを教えてください。

さいマサ氏: お気に入りのシーンというより、印象に残っているシーンなんですが。志保が信一と関係を持っていることを景子にバラしたシーンのネームをいただいた時、志保の目玉が半分飛び出しているようなすごい顔をしていて、ホラーだったんです。見た時にこれはすごいと思って。私はホラーが一番好きで、自分をホラー作家だと思っています。だからあの表情が本当に気に入って、できるだけこのネームの表情に寄せてくださいと線画の方にお願いをしました。そうしたら線画ででき上がってきたものがまたすごい顔をしていたんです。そこが一番気に入っています。

志穂が不倫を明かすシーンのネーム、線画、完成原稿への変遷。ネームのホラー感さえある凄まじい表情が完成原稿にも生かされている

竹野筍氏: ここをもう少しネーム寄りに直してくださいという指示をいただいた記憶があります。初期の頃は志保を可愛く描いてしまう傾向があったので、それであのシーンも最初に出したのはもっと可愛い、まともな顔をしていたんです。でも編集の方に言われて、なるほどと思って描き直しました。

――あの辺りから、志保というキャラクターが確立していったんですね。

ましき氏: 構成させてもらっている私にとっては、すごく作家冥利に尽きる話で、嬉しいです。やっぱりゾクっとさせたかったので、ホラー寄りの作画にして、それがうまく伝わったというのは狙い通りだったと思います。

竹野筍氏: そうですね。最初の5話ぐらいは、今見ると別人かと思うぐらい可愛いですね。

――ましき先生のお気に入りシーンはどこですか?

ましき氏: 個人的なお気に入りのシーンは、やはりインパクトで言うと結婚式のシーンが、場面の華やかさと、景子が初めて立ち上がるところなので、一番印象に残っています。

衝撃的な展開となる”結婚式のシーン”

――竹野先生のお気に入りシーンはどこですか?

竹野筍氏: 志保のゲス顔が出てくるシーンは全体的に好きです。印象に残っているのはやはり「どうか私より不幸でいて下さい!」と志保が景子に向かって言う場面です。原作を読んでいる時にも「タイトル回収きた!」と印象に残っていたので、描いていて楽しかったです。

さいマサ氏: シーンで言うと、最後に景子が志保に対して「どうか私より不幸でいてね」と言うところが一番気に入ってます。

作業を分担しながら漫画を作り上げていく

――原作小説を漫画にしていく作業について、まずは流れを簡単に教えてもらえますか?

ましき氏: 私は原作を読んで、ラフ画のような感じで簡単に構成をさせていただいてます。

――原作はどういう形で来るんですか。

ましき氏: 最初は普通にエブリスタにアップされている小説で読んでいたんですけど、今は原稿としていただいて、それを見て構成させていただいてます。

――ネームを作っていく過程で、さいマサ先生と話し合うことはあるんですか?

ましき氏: 実はお話しするのは今回が初めてなんです。緊張しています。

さいマサ氏: お会いすること自体が初めてなんですよね。よろしくお願いします。

――ましき先生は現役の学生さんなんですよね?

ましき氏: はい、今年が最終学年です。

――以前から絵を描いていたんですか?

ましき氏: 実は漫画は大学に入ってから学び始めたので、まだ全然未熟なんです。だから今は一番力を入れているのが「どうか私より不幸でいて下さい」のお仕事になります。自分の中では、一番大きなものですね。

――ネームを作るという作業で、原作はあるほうが簡単ですか? それとも難しさもありますか?

ましき氏: 自分はあまりイチから考えた経験がないので、比較対象がないんですが、さいマサさんの原作を読んだ時に、その場面がすっと浮かぶのであまりネームで苦労するということがなく、やりやすかったです。

さいマサ氏: たぶんですが、私が小説を書くときに、常に絵が浮かんでいるので、それもあるのかもしれない。

――もともとビジュアル化しやすい文章になっているんですね。しかし「どうか私より不幸でいて下さい」には、あまり一般の人が経験できないような、たとえばタワーマンションのママ会のようなシーンも出てきますが、そういったところはやはり難しさもあるのでは?

ましき氏: そこは本当に難しいですね。想像したり、そういう題材がでてくる作品を見たりして、それを利用して描いています。

――そして完成したネームを竹野筍先生が線画にしていくのですね。

竹野筍氏: 着色は別に担当の方がいらっしゃるので、私は本当に線画のみです。黒いペンで線を入れて、背景を3D素材で入れるっていう作業です。

 ましきさんがネームで細かく指示を出してくれて、表情とかキャラクターデザインの雰囲気も書かれているので、私はその指示通りに描いている感じです。

――色については、すべて着色担当の方にお任せなんですか? 先生から指定されることもありますか?

竹野筍氏: 何色にして欲しいみたいな指定はほとんどしたことがないです。たぶん私よりも着色担当の方のほうが色彩感覚に優れていると思いますので、そこは完全にお任せをしています。ただ、線画だけでは伝わりにくい、服と肌、髪の境目などには、着色担当の方が間違えないように指示を入れています。

――竹野筍先生はいつから漫画を描くようになったんですか?

竹野筍氏: マンガを描き始めて5年目くらいです。実は私はましきさんと同じ学校の卒業生なんです。彼女が通っているコースの一期生でした。「どうか私より不幸でいて下さい」は私にとって初の連載なので、本当に大きいお仕事です。

――WEBTOONを描くことになったきっかけは何ですか?

竹野筍氏: 大学を卒業後、他雑誌の背景アシスタントの仕事をしながら連載を目指していたのですが、上手くいっていませんでした。そんな時に、大学の先生から「WEBTOONの仕事を紹介できるんだけれどやってみない?」という話をいただいて、それがきっかけになりました。

――原作が、自分が描きたいものと違っていて苦労したことはありますか?

竹野筍氏: 原作小説がすでに完結していて、それを全部読んでしまっていたので、自分ならこうしたいということはなかったです。私は悪役が好きなので、志保ちゃんが結構好きで。なので、嫌な気持ちになるということもなく、本当に楽しく描かせていただきました。

竹野先生は、連載が決まってから環境をパワーアップ

――横に読むマンガと、縦読みのWEBTOONだと描き方も違ってくると思いますが、どういうところが大きな違いだと思いますか?

ましき氏: 自分はそもそも漫画自体を新鮮な気持ちで描いています。WEBTOONは縦が無限にあるところが特徴だと思います。そうなるとスクロールがキモになってくるので、スクロールで間を作ったりとか、縦であることを生かした構成みたいなものが難しいんですが、そこが醍醐味で楽しんでやる部分だと思って構成しています。

――竹野先生はいかがですか?

竹野筍氏: 視線誘導の方法がやはり横読みの漫画とは違っていると思います。横読みの漫画だと視線はジグザグですが、WEBTOONはそれがなだらかになるので、ましきさんのネームを見てもそこを意識されているのが伝わってきます。私もそこはねじ曲げたりせず、なるべく合わせるようにしています。

――どんな機材を使われているんですか?

ましき氏: 自分はiPadとApple Pencilだけですね。アプリケーションはCLIP STUDIOです。

――家で作業されているんですか?

ましき氏: 家でもしますし、大学でも空き時間にやったりします。結構自由にやっています。

竹野筍氏: 私はこの連載が始まるまではノートパソコンを使っていて、動作が止まって大変だったので、連載が決まった時に急いで買い換えました。作画ソフトはましきさんと同じCLIP STUDIOを使っています。機材は液晶タブレットがワコムのCintiq 22という少し大きめのものを使っていて、パソコンはマウスコンピューターのデスクトップPCを使っています。パソコンはあまり詳しくないんですが、3D素材を動かすので、あまりスペックの低いものは良くないからと思って、割といいものを選びました。モニターは縦に回るものを買ってみたんですが、結局縦では使っていないですね。

――せっかくなので、さいマサ先生の機材もお伺いできますか?

さいマサ氏: 私は基本スマートフォンで書きます。パソコンはリモート会議の時やデータをもらう時に見るだけで、スマホでどこででも書きます。例えば行列で順番待ちをしている時でもぜんぜん書けます。

――執筆アプリは何を使っているんですか?

さいマサ氏: エブリスタのサイトで直接書いています。

――読者からはどんな反応が来ましたか?

さいマサ氏: 小説の方ですが、早く志保をやっつけてくれとか、結構きつい言葉の感想もきますね。志保が嫌われているのは、作者としては「やった!」という気持ちになります。こんな不快な小説は読んだことがないと言われても、私にとっては最高の誉め言葉かなと思います。

ましき氏: コメントは結構読んでて、励みになる部分と学ばせていただく部分と両方あると思っています。しっかり読んで生かしています。読んでいただけるだけですごくありがたいなって思うので、どんな言葉でもすごく貴重です。

――現在は続編がスタートしていますが、ここまで描き続けてきて、最初の頃とは変わったことはありますか?

ましき氏: 多分成長はしていると思うんですが、自分の中でやっていることはあまり変わっていません、とにかく読者に楽しんでもらいたいと思ってずっと仕事をこなしています。

――自分なりのノウハウなどはできましたか?

ましき氏: WEBTOON独特のクセに対して、だんだん自分なりの手法が身についてきたという感じはあります。いくつか自分の中に型の分類ができてきて、ここはこれを使おうみたいな慣れが出てきている感じはあります。その分悩んだりする時間が多少は短くなったかなと思います。

竹野筍氏: 最初は3D背景の使い方が分からなくて結構苦しんだんですが、今はここの色を変えたいなとか、光の加減も変えられるようになってきたので、表現できる幅が広がったという技術的な変化はあります。

人気があったので、ドラマ化にも納得

――最初にドラマ化の話を聞いた時の感想を教えてください。

さいマサ氏: エブリスタの方から、ドラマ化が決まりましたよと言われた時に、「あ、来たな」と思いました。今は深夜帯のドラマがすごく増えているので、その枠だったらいけるかなという自信はありました。深夜帯の中ではドラマDEEPが一番強いと思っているので、ドラマDEEPだと言われた時にはさすがにゾワッとしました。そこまで叶うんだなあと思って。

ましき氏: 担当の編集さんからお電話をいただいて、「ドラマ化します」と言われた時、その時の記憶がなくなるくらい衝撃だったと思います。驚きでした。周りの人には言えませんから、早く言いたくて辛かったです(笑)。

竹野筍氏: 話を聞いた時には「おお、やっぱり」と思って、最初はそんなに驚かなかったですね。編集の方からのメールで、お電話で直接お伝えしたいことがありますと言われて、打ち切りかドラマ化だと思っていました。結構人気があるのはランキング的にも分かっていたので、たぶんドラマ化だろうなという気持ちで電話に出たので、驚いたふりはしましたが、「やっぱりな」という気持ちでした。

ドラマ版「どうか私より不幸でいて下さい」

――すごく冷静ですね。

竹野筍氏: 原作を読んだ時から面白いと思っていたので、ついに世の中に見つかったかという気持ちでした。

――ドラマ版の1話と2話をご覧になったということですが、感想を順番に教えてもらえますか?

さいマサ氏: 自分が書いた物語だというのも忘れて、演技に引き込まれました。また展開がとても早く、音楽も効果的に使われてて感動です。

ましき氏: もう全然語彙力がなくて申し訳ないんですけど、やっぱりすごいなと。とても感慨深く、ずっと楽しみながら見せていただきました。

竹野筍氏: 私は作画なので、原作のさいマサさんに比べたらドラマに対しては関与してないと思うので、ただの原作ファンみたいな気持ちで純粋に楽しませていただきました。俳優さんの表情がすごく豊かで、特に志保役の浅川梨奈さんがニコっと笑ってる表向きの表情から、スンっと真顔になるシーンとか、漫画ではコマが変わるところなので、ああいう表現はやはり実写ドラマならではだなと思いました。

――ドラマで、キャストを決めるための会議には参加されたんですか?

さいマサ氏: 最初の打ち合わせには行きましたが、その時にはまだ出演者は決まっていませんでした。

――ご自分から要望を出されたりはしたんですか?

さいマサ氏: キャストに関してはないですが、ストーリーの方で最後をどうするのかということについては要望を聞いていただきました。

――ましき先生と竹野先生はドラマ版のキャストについてはどんな感想を持たれましたか?

ましき氏: イメージ通りだなと思いました。昨日、第1話と第2話を見させていただいたんですが、映像を見てほんとうにイメージ通りだなと再確認しました。

竹野筍氏: 私は俳優さんにはあまり詳しくないんですが、キービジュアルを見たときから、いい感じだと思っていました。

――実写で見ることで、漫画に影響を受けることもありそうですか?

ましき氏: 目線の使い方とか、キャラクターがしそうな動作の雰囲気とか、そういうところはやはり役者さんは演技のプロだと思います。こういうことをしそう、みたいな雰囲気がにじみ出ているので、それを漫画にも活かしていければと思います。

ドラマ版「どうか私より不幸でいて下さい」人物相関図

――撮影の現場には立ち合われたんですか?

さいマサ氏: 4、5時間くらいかな。見学に行きました。

竹野筍氏: 私とさいマサ先生が行ったんですが、その日に、初めてさいマサ先生とお会いしました。ずっと女性の方だと思っていたので、タクシーから降りた時にいらっしゃらないなと思っていたら、あの方ですと言われて。「うわー!」という感じでした。

――ましき先生とさいマサ先生はこれが初顔合わせなんですね。実際に会ってみての印象を教えていただけますか?

さいマサ氏: 竹野さんとは、ドラマ撮影の見学をした時に会っていますが、ましきさんとは本当に初めてです。いつも本当に恐ろし気なネームが来るので、きっとホラーが好きなんだろうと思っていました。今日お会いして、やっぱりホラー好きなんだと聞いてすごく嬉しいです。

ましき氏: ネームのお仕事を始めた結構序盤の頃に、さいマサさんは男性の方だとお聞きしていたので、竹野さんのような驚きはなかったんですが、ホラーがお好きだと聞いてすごく親近感がわきました。竹野さんは大学の同じコースの先輩で、とても上手な絵を描かれると思っていた方なので、こうしてお顔を合わせられて嬉しいです。

竹野筍氏: さいマサさんには、この間のドラマ撮影見学でお会いしているので、お久しぶりですという感じです。今日のお話もやっぱりすごい方だなあと思いながら聞いていました。ましきさんはネームがすごくて、大学の後輩ということもあり、仲良くしたいと思っています。今日お会いできてとても光栄です。

――TVドラマ版の結末は原作や漫画版とは違うんですか?

さいマサ氏: 脚本家の方と話し合って、小説とも漫画とも違う、オリジナルストーリーになっています。ドラマは全11話なので、漫画のストーリーを全部入れるのはやはり無理なので、小説でも漫画でもない展開で着地させています。

――最後にそれぞれ、読者へのメッセージをおねがいします。

さいマサ氏: そうですね、ドラマ版だけのラストになりますので、小説版や漫画版を読んだ人も、最後まで見ていただければと思います。

ましき氏: 内容は当然似ているところもありますが、小説ならでは、漫画ならではの表現とドラマならではの表現では、やはり違ってくると思いますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

竹野筍氏: 原作小説のファンの方も、これまで漫画を読んでくれた方も、ドラマで新しく知ってくれた方も、引き続き作画を頑張りますので、最後までよろしくお願いします。

――ありがとうございました。