インタビュー

"異声界"アイドルマンガ「ライドル!!」原作者、声優・吉岡茉祐さんインタビュー

憧れのアイドルの姿になった主人公に、不幸でダークなヒロイン、物語へのこだわりは?

【ライドル!!~異声界<イセカイ>でアイドルデビューしちゃいました~】

原作:吉岡茉祐

作画:ルタミ

脚色:shinoA

 日本文芸社はウェブトゥーン「ライドル!!~異声界<イセカイ>でアイドルデビューしちゃいました~」を4月13日より連載する。ウェブトゥーンは、スマホで縦にスクロールしながら読む、新しいスタイルのフルカラーマンガ。「ライドル!!」はこの形式で連載を行っていく。

「ライドル!!」あらすじ

地下アイドルグループMERUMOの天野憂菜(あまのゆうな)をひたすら推してきた大学生・朝比奈春兎(あさひなはると)は、憂菜の突然の引退に、希望を失ってしまう。そんな彼が新しい希望を求めて向かったのは、声によって一番なりたい姿が予測され、アバターとして自動生成される仮想世界の「異声界(イセカイ)」だった。

 そして、この異声界(イセカイ)で偶然にも春兎と憂菜はお互いの本当の姿を全く知らぬまま出会い、アイドルオーディションに参加することになる……。

「ライドル!!~異声界<イセカイ>でアイドルデビューしちゃいました~」。4月13日より日本文芸社で連載がスタートする。表紙に描かれているのが主人公の朝比奈春兎くん。正面が"異声界"でのアイドルの姿だ

 本作の原作者は声優・吉岡茉祐さん。吉岡さんは声優業の傍ら朗読劇などの執筆も行い、独特のストーリーテリングの才能と、物語、キャラクターへのこだわりを持つ。執筆活動がきっかけに、今回、「ライドル!!」という物語を手がけることとなったという。吉岡さんはウェブトゥーンの原作を手がけるのは今回が初めてだという。

 今回、「ライドル!!」の連載に先がけ、吉岡さんの物語への想い、「ライドル!!」に託したメッセージなどをインタビューした。吉岡さんの物語への姿勢や、「ライドル!!」のキャラクターへの思い入れを聞くことができた。彼女の物語への情熱を感じて欲しい。

【吉岡茉祐さん】
吉岡茉祐(よしおか まゆ)。声優・役者・脚本家。声優として、アニメやゲーム、映画などに幅広く出演する傍ら、朗読劇やオーディオドラマの脚本も手掛ける。第9回声優アワード特別賞(「Wake Up, Girls!」として)受賞。本作で漫画原作デビューとなる。

「読者と一緒にキャラクターの人生を考えたい」、背景をしっかり描くストーリーテリング

――まず最初に読者に対して、吉岡茉祐さんの自己紹介と、「ライドル!!」にどう関わっていらっしゃるかを教えて下さい。

吉岡:私の本業は81プロデュースに所属する声優です。ただ、声優をやりながら執筆業もしていて、主に朗読劇の作品を2019年あたりから手がけるようになりました。こういった活動があって、「漫画原作をやってみないか」とお声がけをいただき、初めての漫画原作に挑戦することになりました。

 初めてのことなので試行錯誤の連続ですが、少しでも読者の方に喜んでいただきたいと思っています。今回に関しては、原作というクレジットですが、"原案"という意味合いが近いかもしれません。私は「ライドル!!」という物語のシナリオを書いています。キャラクターの基本設定や、登場人物がどのようなことに遭遇していくかなどを書いています。朗読劇など私がこれまで書いたものと同じ形式です。

 これに「脚色」を担当するshinoAさんにウェブトゥーン(マンガ)として表現するにはどうすればいいか、どうしたほうがウェブトゥーンとして伝わりやすいかを調整してもらい、それを「作画」のルタミさんが形にしている、という流れになります。

 私が提示しているのは、細切れのアイディアではなく、物語のシナリオですが、ウェブトゥーンという形式で表現するにはどうすればいいかを調整していただいてます。

――シナリオということは、もうラストまで書き上げてあるのでしょうか?

吉岡:これから連載が始まるのでかなり先までは準備していますが、まだまだ序盤という所ですね。

――では、この「ライドル 異声界でアイドルデビューしちゃいました」の簡単なあらすじ、どんな話なのかを教えて下さい。

吉岡:気づいたら壮大な物語になっちゃいましたが(笑)。物語の最初は、主人公の「朝比奈春兎(あさひなはると)」くんが、ずっとアイドルオタクをしていて、地下アイドルの「天野憂菜(あまのゆうな)」を推していたんですが、憂菜は突然アイドルをやめてしまう。生きがいを失った春兎くんは「異声界(イセカイ)」というバーチャル空間で、自分自身がアイドルになる。自分が力をもらっていた「アイドル」という存在にチャレンジする、という物語です。

 「異声界」はとても特殊な世界で、"声"だけが"本当"の世界なんです。姿、服装、性別だって現実と違うものが選べる自由な世界です。その声だけが現実の世界で春兎くんはどう生きていくか、ヒロインの憂菜がどう生きるのか、そこを描いていきたいと思います。

――「声」と「推し」がこの物語のキーワード、そして物語のモチーフになる、ということを聞いていました。小説やウェブトゥーンといった"読む"メディアで、"声"をモチーフにするというのは、とても面白いチャレンジだと思います。難しいとも思いますが、声にフォーカスしたのはどうしてでしょう?

吉岡:私自身が声優なので、「声をモチーフとした物語を」というアイディアをいただいてから「ライドル!!」の物語を考えていきました。ウェブトゥーンは"聞こえるもの"ではない。だからこそ読者は「どんな声なんだろう」と想像してくれると思うんです。皆さんの中にそれぞれの声があり、正解はない。でも「異声界」ではその声がただ1つの現実なんです。この矛盾も面白いと思っています。だからこそイマジネーションを刺激するポイントです。

 私がこれまで書いた作品は読者の方に考えてもらう"余地"をわざと作っている、と評価いただいたことがあります。読者の方自身に考えてもらいたいんです。「ライドル!!」も読者の方に考えて欲しいな、と思って作っています。「せっかく私が書くんだったら、読者にも考えてもらって、一緒に物語を作っていきたい」そう考えています。

――声へのこだわり、推しへの憧れ、アイドルという存在……。こういったところは、やはり声優さんだからこそ思うところ、経験で得た体験や、こだわる部分があるのでしょうか。そういった想いを作品に活かしていますか?

吉岡:ちょいちょい入っています(笑)。「これは確実に吉岡茉祐の意見だろ」とニュアンスでわかるところもあると思います。誰かアイドルを好きになる、推したことがある人にとって、あるあるなところもあります。

――キャラクターについてお聞きします。主人公の春兎くんは「平凡な青年が異声界でアイドルになる」という、読者も共感しやすい、いわばプレーンな存在と言えますが、ヒロインの憂菜は「歌うことが禁じられたアイドル」という、かなり凝ったというか、ユニークな設定だと思います。このキャラクター造型にはどういうものを託しましたか?

吉岡:ヒロインが苦しんでる姿って魅力的じゃないですか?(笑)。これは冗談ですが(笑)。やっぱり、アイドルってキラキラしているだけじゃない、というのは私自身アイドルを扱った作品に声優として参加して経験しました。

 「ライドル!!」の物語を作るにあたり、実際にアイドルの方に会って、話を聞いたりもしてるんです。「リアルなアイドルってこういうところもあるよね」という、キラキラしているだけじゃない、アイドルの世界の裏側は物語として面白いところもある。そこをリアルとして描きたいという想いから、少しダークな要素を入れています。キラキラだけじゃないもの、ここに春兎くんは何を想うのかも書きたいと思います。

 だからこそ、憂菜ちゃんは、ちょっとダークなところを担ってもらっている。「ライドル!!」は憂菜の成長物語でもあります。表紙などで大きく出てるのは春兎くんですが、私の中では春兎、憂菜、そしてもう1人の3人が主人公だと思っています。憂菜は「アイドルとは何なのか」というちょっとダークな部分もあり、アイドルの本質を問うような物語の主人公だと思っています。

――「ライドル!!」はまず最初に3人のアイドルが異声界のステージに出てくるシーンから始まり、過去の話になります。最初に提示された3人が物語の核になるわけですね。

吉岡:はい。主にこの3人が物語を回してくれます。それをまず最初に提示しました。ここで読者の方に「この3人の誰を"推し"にしますか?」という問いかけを投げかけているんです。

――数話を読ませていただきましたが、3人目がまだ誰かわからない、展開として非常に丁寧にキャラクターの背景を描く物語という印象を受けました。こう言う丁寧にキャラクターの背景を描くのが、吉岡さんのストーリーテリングなのでしょうか?

吉岡:私はやはりこれまでは文章で物語を描いていたので、ウェブトゥーンやマンガの手法とはちょっと違っちゃっているかもしれませんが、私は1人1人に背景があり、人生がある、「この子には世界がこう見えている」ということを表現していきたいと思うんです。こういう書き方の方が読者の方にキャラクターに興味を持っていただけると思うんです。

 ですのでまずは、この3人が物語を展開するのではなく、まずは異声界で3人のアイドルがデビューする、その3人はどうしてここにいるのか、その背景を描いていくのが序盤の見所になると思います。彼女たちの「人生」、「ライドル!!」は3人の物語ですが、それぞれ彼女たちの人生を描く物語になると思うんです。だからよけい濃く背景を描いちゃうな、というところがありますね(笑)。

――各キャラクターを掘り下げるのは、吉岡さんのこれまでの作品でも共通する傾向なのでしょうか?

吉岡:そうですね、ただ「読者に嫌われる子にしたくない」とは思っています。なぜこの子はこんな行動をしてしまうのか、こうなってしまったのか、そういうこれまでのプロセスを書くのが好きです。一見ものすごく悪人に見える行動をする人も、その人の中でのその行動は正しかったり、彼なりの正義があったりする。そこに到った思考は何なのか、こういうことを読者に考えて欲しいんです。

 「ライドル!!」はこれまで私が手がけた作品同様、キャラクターを掘り下げて、その考えを理解してくれるような作品になると思っています。各キャラクターの性格や思考を理解した上で、次の事件に直面したとき、「この子ならどんなことをするだろう?」そういうことを読者も、私も考えながら進んでいく作品にできたら良いなと思っています。

 私自身「群像劇」が得意なんです。色々なキャラクターがそれぞれの思いで生きている。「ライドル!!」もそういう描き方ができればと思います。3人がそろうところが最初のクライマックスであり、本当の始まりになります。序盤の山場ですね。

 ……ただ、3人がそろうところまでもちょっとスローペースかもしれません。それがウェブトゥーンとしての正解かはわかりませんが、私が物語を書くならこうかな、と思って作っていますので、楽しみにして下さい。「ライドル!!」で私は、まずマンガのセオリーはなにも考えず、ただお話を考えて作り、その上でウェブトゥーンとしてshinoAさんに調整していただいてます。ただお任せするのでなく、ウェブトゥーンにする上でどう出すかという表現でも判断させていただいてるので、私が語りたい物語として、満足しています。

――「ライドル!!」は異声界や、アバターなど、SF要素、近未来要素も盛り込まれています。あえて現代の現実世界の話ではなく、架空の要素が強い世界を舞台にしたのはどうしてでしょうか?

吉岡:「ライドル!!」は最初のコンセプトが「吉岡茉祐が声優であることを活かして物語を作る」というところから生まれました。このため、声を大きな要素にしたい。だからこそ、声以外は現実ではないバーチャルな世界の物語、というところに物語の要素を詰めていきました。異声界は自由な世界です。そこでは誰もが何にでもなれる。それでも声だけは現実と繋がっている、それが"制約"なんです。

 ……実はSFというジャンルそのものはこれまでは苦手だったんです。shinoAさんをはじめとして皆さんからアイディアをいただいて、「異世界あるある」も教えてもらいつつ、書き進めています。

――ネタバレにならないところで、今後楽しみにしてもらいたい要素、吉岡さんお気に入りのところがあれば。

吉岡:春兎くんは異世界では女の子の姿になります。春兎くんは中性的な声の持ち主で、何よりも本人の中にアイドルへの強い憧れと想いがあって、異声界の春兎くんはまさにその想いで生まれたアイドルなんです。春兎くんは現実世界で女装の趣味があるわけでもなく、女の子になりたいと思っているわけでもないけれど、異声界では理想のアイドルになりたい、そこは面白いところだと思っています。

 一方憂菜は、仮面をかぶったアイドルとして異声界に現れます。何故自身の素性を隠すのか、その理由が注目ポイントです。もちろん3人目も秘密があります。それぞれがなぜ異声界での姿をとっているか、異声界に何を託しているか……。なので、現実の3人と、異声界の3人、合計6人が主人公、と言う感じですかね(笑)。それぞれの物語を楽しんで欲しいです。

――やはり春兎くんは、中性的な声を持っていて、異声界では自分が憧れたアイドルと同じ姿になるという、かなり設定モリモリなキャラクターだな、と思いました。春兎くんの造型のこだわりをもう少し教えて下さい。

吉岡:まず、読者に春兎くんを好きになってもらいたいな、と思っています。憂菜はやはりダークなところがある。その分、春兎くんはキラキラして欲しいという所はあります。アイドルに憧れて、自分がアイドルになって、キラキラしていく。読者自身が共感しやすいキャラクターだと思うんです。周りが暗くても、彼が明るく前向きならば物語の根本は暗くならない。物語の光の部分を担って欲しいと思います。

 「ライドル!!」は全体的なところでは明るい物語にしたいです。各話を読み終わったとき、「あれはどういう意味だったんだろう?」と考える謎はしっかり残しつつ、「読んで良かった」という読了感は大事にしたいと思って、物語を作っています。「読んで良かった」というのが、「ライドル!!」の主軸です。

――いよいよ「ライドル!!」がスタートしますが、最序盤の注目ポイントを教えて下さい。

吉岡:どうしよう(笑)。主人公3人はもちろんなんですが、私サブキャラも大好きなんですよ! 雷太というキャラクターは、吹き出しに雷マークが入っていたり、ウェブトゥーンならではの面白さも盛り込んでいます。私のこれまでの朗読劇と大きく違う、「絵だから表現できるかわいい要素」が入っています。雷太以外にも盛りだくさんなんで、ここを注目して欲しいです。

 私が手がけたストーリーはもちろんですが、作画のルタミさんのかわいらしい絵にも注目して欲しいです。物語はダークな要素が入ってきますが、ルタミさんの絵が作品に明るさをもたらしてくれます。かわいらしさをたくさん摂取して欲しいです。

――もう少し「作品の作り方」の方も掘り下げたいです。ご自分の作品がウェブトゥーンになった印象を教えて下さい。

吉岡:ウェブトゥーンは「データで来る」というのが新鮮でした。今まで脚本などは本として紙だったので。そこでまず未来を感じました(笑)。そして、自分のシナリオの人物が、絵で「こういう表情をするんだ」というところが驚きでした。私が書いた台詞を、どういう表情で読むか? 脚本を前にした声優は自分なりの解釈をした上で、表情で台詞を発します。または絵に合わせた声の出し方を意識します。

 だけど、「ライドル!!」は作画のルタミさんが表情を決めるのです。私が書いたキャラクターの台詞が、ルタミさんの解釈で絵になる。これは原作者でしか味わえない、新しい体験でした。

 この体験はその後の原作に影響を与えましたね。その前まではいわば制限なく自由にキャラクターを動かし、台詞を考えていたんですが、キャラクター達が形を得たことで、それならば私は違ったところに幅を持たせようと、考えるようになりました。絵になったことで物語への思考が別方向に延びていくようになりました。

 ちなみに、キャラクターの外見や衣装、デザインに関して、私側から注文はほとんどしていません。ルタミさんの絵を見てすぐに「これは春兎くんだ」、「憂菜ちゃんだ」と一発で納得しました。カラーリングや雰囲気など、私の原作を読み込んでそこから拾い上げて下さっているな、と思いました。

――ルタミさんの絵そのものの感想はどうですか? キャラクターデザインはとてもかわいらしいですが、背景などもきちんと書き込まれており、しっかりした画力を感じさせる方ですが。

吉岡:絵は本当に全部お任せしています。好み、という意味で、ルタミさんの絵は線の柔らかさも含め、世界観そのものがすごく好きです。私がどれだけダークな原作を投げても、ルタミさんのおかげで暗くなりすぎない。ルタミさんの明るい作風で、良いバランスがとれているな、と思っています。

 ルタミさんの絵からは、経験と技術の蓄積を感じます。ずっと絵を描いてこられたんだな、というのがわかります。だからこそ読者の方に寄り添っていただける絵になっていると思っています。

――繰り返しになりますが、吉岡さんは、やはり、「読者自身に考えてもらうお話を作っていきたい」というスタンスなんでしょうか?

吉岡:やっぱりお話は、自分の想像を超えて欲しい、自分の予想を越えたところが面白いと思うんです。そう考えると、バットエンドの方が可能性が広がる。「ここからどうなるんだろう」、「この後どうするんだろう」、とバッドエンドの方が、想像を刺激すると思うんです。

 「この子はこの後、どんな人生を歩んでいくんだろう」。私の作品を読んでいただいた人には、そう思ってもらいたいんです。「今度はどんな新しいキャラクターが物語にからんでくるんだろう」そういう想いで、「ライドル!!」を読んでもらいたいです。作者である私自身も「この後どうなる?」とワクワクしながら、読者と一緒に物語を読み進める、それこそが面白い。そういう体験が好きです。

――物語を作る手法には、まずラストを決めてから、そこに到るまでの物語を考える方法もありますが、吉岡さんはご自身のストーリーテリングは、結末をきっちり決めずに、どんどん物語を作っていくスタンスなのでしょうか?

吉岡:書きながら終わりを考えていくタイプですね。キャラクターの色々な面を足していきながら掘り下げていくのが好きです。……だから長くなっちゃうんですね(笑)。私はそういうやり方でしか話が作れない。早めに結末出しちゃうの、もったいないじゃないですか(笑)。

――これから「ライドル!!」という物語が公開されるわけですが、最初期のところで注目ポイントは?

吉岡:「異声界」という世界観、声だけが現実と繋がっているバーチャル世界それがどんな世界なのか、その中で開催される「アイドルオーディション」ってなんだろう? ここを考えながら、この世界でデビューする3人の主人公のアイドル達を応援していただきたいです。……ただのアイドルオーディションじゃありませんよ(笑)。

 各キャラクターのバックボーンはやっぱり力を入れてます。春兎くん、憂菜、もう1人……そしてサブキャラクターも熱いです! サブキャラ同士の関わり合いとか。さらに「アイドルオーディション」の開催側の思惑とか、現実のアイドルオーディションの要素も盛り込むのは私のチャレンジでもあります。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉岡:私自身ウェブトゥーンのセオリーを知らないところがありますし、物語そのものもこれまでの私の作風とは違う、かなりチャレンジしている作品です。とても貴重な体験をさせていただいています。物語としてはとてもスローペースですが、読者の方もこれからの展開を一緒に考えるような気持ちで楽しんでいただければ。新しい作品を作ってる、読んでるという気持ちで読んでいただければと思います。ぜひ、この子達の人生を見届けて下さい。

――ありがとうございました。


 今回、お話を聞いたが、吉岡さんの深いこだわりと独特の物語への考え方、そして生み出すキャラクターへの愛を聞くことができ、興味深かった。こういった想いで生まれたキャラクター達が、「ライドル!!」という物語で、異声界というバーチャル空間でどう活躍していくか、楽しみにしたいところだ。