特別企画

「宝石商のメイド」監修「Mineral Muru」の特別展が本日よりスタート!「パライバトルマリン」など激レア宝石が並ぶ

ここはもしや……ローシュタイン?

【「Mineral Muru」 東京・新宿個展】
開催期間:7月18日~7月19日
会場:東京・新宿 Stella Gallery Shinjuku
【「宝石商のメイド」やませちか先生サイン会】
7月19日 13時~

 鉱物&カフェ「Mineral Muru」は、特別展示販売会を7月18日より19日にかけて東京・新宿「Stella Gallery Shinjuku」で開催する。

 「Mineral Muru」はマンガ「宝石商のメイド(KADOKAWA/やませちか)」の監修を手掛けており、特別展示販売会では「宝石商のメイド」に登場した宝石や鉱物などが展示されるほか、オリジナルブレンドの「ドリップ宝石珈琲・紅茶」や鉱物をモチーフにしたグッズの販売、宝石を内部に封入して制作する「宝石万華鏡づくりワークショップ」なども開催される。加えて2日目にあたる7月19日には、「宝石商のメイド」の作者・やませちか氏によるサイン会も開催予定。

 マンガにおいては「宝石商のメイド」「瑠璃の宝石」などそれそのものを題材にした作品もあり、一方「ダイヤモンドの騎士」や「ルビーのネックレス」、「ラグの店」のアメジスト等々、宝石や鉱物はゲームなどでもお馴染みで、装備品の素材だったりキーアイテムだったりするケースが多々ある。実物を見たことがあるかはさておき、学校の理科や地理でも扱われることもあって名前くらいはどこかで聞いたことがあるものだと思う。

 本展示会ではじっくりと宝石や鉱物を見て回れるということで、早速開催に合わせて展示会に行ってきた。その模様をお伝えする。

ここはエリヤのいるローシュタイン?「宝石商のメイド」縁の宝石を堪能

 「Mineral Muru」は「地球が生み出した美しさを、見て・触れて・学べる場所」をコンセプトにした兵庫県伊丹市・稲野駅前にある鉱物カフェ。天然石や化石、隕石、宝石などの販売に限らず、”カフェ”の名の通りオリジナルのコーヒーの提供や、鉱物に触れながらの体験、ワークショップ等も開催している。

 一方の「宝石商のメイド」は、宝石商「ローシュタイン」を舞台に、クラシックなメイド衣装をまとった店員兼メイドのエリヤを中心に、宝石と客=人の物語が描かれる作品。宝石には様々な種類や由来、価値、意味などがあり、抜群の知識を持つエリヤの解説は、物語を回すとともに非常に勉強になる。

 「Mineral Muru」と「宝石商のメイド」、その作者やませちか氏とは、1巻の発売時に阪神百貨店にて開催された「宝石商のメイド展」からの縁で、以降は「Mineral Muru」が宝石や鉱物の写真提供、鉱物の専門的な知識についての監修、ジュエリーや裏表紙を描くなど制作に携わっているという。

 そういった背景を受けての東京でのイベント開催。会場の展示は「宝石商のメイド」縁のものが非常に多く、例えば「スファレライト」「パライバトルマリン」「パパラチアサファイア」などのルース(カットを施した原石)がズラリと並ぶほか、自然の姿を残す鉱物なども展示されている。原作ファンは宝石名から作品のシーンが思い浮かんでくることだろうし、純粋な鉱物ファンにとっても見どころの多い内容だ。

 会場では「Mineral Muru」を運営するワンダーマインの取締役・村田 光氏のガイドを受けることができた。展示を見せてもらいつつ、例えば「ルビーとサファイアはいずれも『コランダム』であり、”クロムによって”赤く発色したものがルビー、それ以外がサファイアと定義される。だから赤いコランダムでもクロム由来でなければサファイアに分類される」、「宝石は加熱処理などで美しく加工できるものもあるが、非加熱でありながら発色が美しいものほど価値が高い」、「パパラチアサファイアのパパラチアは『蓮の花』を意味する言葉で、蓮のようなピンクとオレンジが混ざった絶妙な色をしたものをそう呼ぶ。かつては該当する色相が広く取られていたが、近年厳密になっているため該当するものが少なくなってきており、それに伴って希少価値が上がっている」、「オレゴンサンストーンはアメリカ・オレゴン州でのみ取れる宝石で、(展示物を手に取りながら)これは銅の不純物が少ないからシラーがない、極めて珍しいもの」……などなど、宝石の知識を次々と教えてもらった。

ワンダーマイン 取締役の村田光氏
会場内のルースが展示されているコーナー
「宝石商のメイド」に登場した「スファレライト」「パライバトルマリン」など、美しいルースが並ぶ
「ハックマナイト」という石にUVライトを当てると、淡いラベンダーが濃く変色する。これは「テネブレッセンス」という現象だそうで、時間が経つと色が元に戻る。ライトによる変色を見たのは初めてで、思わず驚きの声が出た
同じくアイオライトがベースでありながら、内包された不純物によってキラキラと輝く「アイオライトサンストーン」と「ブラッドショットアイオライト」
左が銅が混ざっておらず、シラーのない「オレゴンサンストーン」。右と比べると同名でも全く色や輝きが異なり、非常に面白い
ワンダーマイン代表取締役でありデザイナーの村田陽子氏が手掛ける、水晶とフローライトを組み合わせた宝石テラリウムも

 筆者も「宝石商のメイド」を読み始めて以来、にわかながら鉱物に興味があり、ではあれは、これはと次々に質問していく最中、わかりやすく解説してくれる村田氏の姿にエリヤがダブって見えたほどである。様々な色、形、輝きを持つ鉱物は単に眺めているだけでも面白く、聞けば特に「パライバトルマリン」筆頭にそもそも産出が少なくかなりレアなものも展示されているそう。ちなみに会場内の鉱物は全て購入することができ、「パライバトルマリン」はその中でも最も高価。165万円の値が付けられている。

日独宝石研究所による鑑定書付きのパライバトルマリン
透き通るような水色があまりに美しい
そのお値段165万円
こちらは原石コーナー
ラズライトやカメレライト、ピンクトルマリン等々お馴染みのものからそうでないものまで、自然の姿を感じさせる鉱物が並んでいる

 また、「宝石万華鏡づくりワークショップ」も体験させてもらったが、これは赤色のカーネリアン、琥珀色のアンバー、青色のラピスラズリ、紫色のアメジスト、そして緑色のペリドットの小さな石を使用して万華鏡が作れるというもの。色とりどりの鉱物を手に取り、混ぜ合わせ、鏡の筒と組み合わせることで完成するが、出来栄えを想像しながら石を混ぜていくというのはことのほか面白かった。今回の宝石万華鏡づくりをはじめ、「Mineral Muru」が実施しているワークショップは子ども向けがメインとなるが、逆に大人のほうが一度始めると熱中して長時間作業していることも多いそう。実際に万華鏡を作っていてその気持はとても良くわかる気がした。

カーネリアン、アンバー、ラピスラズリ、アメジスト、ペリドットを混ぜ合わせて万華鏡を作っていく
「スマートフォンのカメラをインカメラにして、万華鏡の中が見えるように位置を合わせると中を綺麗に取れる」という撮影方法を教えてもらい、さっそく撮影したもの。回転することで石が動き、像が変わっていく
作り方の手順と、体験すると貰える冊子。ビスマスの塗り絵は挑戦しがいがありそう

 今回の特別展示会は、規模こそ小さめではあれど、そこに詰め込まれた情報量は凄まじい。ミネラルファン、特に「宝石商のメイド」ファンでもあるならば、原作に出てきた貴重な鉱物をその目で眺め、ケース越しながら手に取れるという大変貴重な機会となる。また、明日7月19日には事前抽選にはなるが、「宝石商のメイド」の重版を記念したサイン会が開催予定であり、やませちか氏が会場を訪れる。「Mineral Muru」は関西の店舗のため、東京のファンはこの機会に是非会場を訪れてみてほしい。

7月19日にはやませちか氏のサイン会が開催予定
レジ横には宝石から名を取ったオリジナルコーヒーや、刺繍作家のami氏による鉱物刺繍ブローチ、宝石柄タオルなども販売されている。鉱物モチーフのグッズというのは世の中を見渡しても珍しいと思う