特別企画

【今日の読み切り】「メンヘラさんと市松さん」

呪いの市松人形が迷い込んだのは、メンヘラ少女の部屋だった

【メンヘラさんと市松さん】

著者:永本優友

講談社

 髪の毛の伸びる呪われた市松人形。ベテラン妖怪の彼女が放り込まれたのは、難しい性格のメンヘラ少女萌愛(もあ)の部屋だった。不安定で、すぐにリスカしようとする萌愛に気圧され、彼女と一緒に暮らすことになる。

 「メンヘラさんと市松さん」は永本優友氏の短編漫画。週刊少年マガジンの第110回新人漫画賞で特別奨励賞を受賞している。ホラーかと思いきや、かわいいメンヘラ少女と可愛い日本人形のほっこりギャグで、温かい気持ちになれる作品だ。

 あまりにも長い時代を生きていたせいで、もはや自分が持っていた未練がなんだったかも思い出せないまま呪いの人形を続けている市松さんと、自分の立ち位置や将来の姿を見失い、もやもやとした毎日を送っている萌愛は、お互いの中に自分がそこにいる意味を求めていく。読み切りマンガではあるが、この後の2人の生活も読んでみたいと思わせる作品だ。

□「メンヘラさんと市松さん」を読む

【あらすじ】

 髪が伸びる呪いの市松人形が投げ込まれたのは、包丁を持ったメンヘラ少女の部屋だった。意外と面倒見のいい市松人形は、なしくずし的にメンヘラ少女萌愛(もあ)と一緒に生活することになるが……。