特別企画

【今日の読み切り】「春夏秋冬を伝う」

色を知らなかった少女は、神様から色を見る目をもらう

【春夏秋冬を伝う】

著者:記代隣子

集英社

 小学生の瑠璃は、色を見ることができない。学校で流行っているどんぐり交換のために、神社でどんぐりを探していた瑠璃は、そこで不思議な青年に出会う。彼は瑠璃の目を色を見ることができる目と交換してくれる。

 本作「春夏秋冬を伝う」は、「少年ジャンプ+」にて2022年2月から配信されている記代隣子氏の短編マンガ。どんぐり探しをするために訪れた神社で、神様と遭遇する。

 どんぐり探しと言う言葉に、懐かしい思い出が蘇ってくる。目がチカチカするような「ド派手なピンク」や「ソーダ」のような色の空など、白黒で描かれている作品にも関わらず、思わず色を想像しながら読み進められる。

 四季には、春であれば桜の淡いピンク、秋には山が橙色に見えるなど、特徴的な色が存在する。四季折々に変化していく景色は、まるで地球が描く絵画作品のようにも思える。本作では、その色を感じられるような仕掛けも用意されている。最後まで読んで確かめてほしい。

【あらすじ】

生死に近い存在には、時に神様が見えるという。小学生の瑠璃の人生は、ある日、神様と出会ったことにより一変することになり――……。四季を巡る、とある少女と神様の物語。