特別企画

【今日の読み切り】「水と油でかける橋」

美大出身の美術教師が「売れる絵」に執着する天才小学生に出会い……

【水と油でかける橋】

著者:赤穂ゆうき

集英社

 美大出身の抽象画家、池田萌音は、友人からの紹介でこども絵画教室の講師を始めことになる。実は美術の先生にあまり良い思い出のない萌音。その教室で、自分の絵を採点してほしいという、天才小学生、宮下怜央と出会う。怜央はこれまで出たコンクールでは全て最優秀賞を受賞し、すでに仕事として絵の依頼を受けているという天才小学生。萌音は、あまり気の進まない中、そんな怜央の絵を採点する。

 本作「水と油でかける橋」は赤穂ゆうき氏の短編作品で、「少年ジャンプ+」にて2021年12月に配信されている。

 絵画や彫刻など、芸術性の高い作品は特に、観る人によって評価は変わる。究極、評価というのは、好きか嫌いかによるところも大きいだろう。ぶっちゃけ、その作品を観た時にどれだけ観た人の感情を揺さぶることができるかにかかっているようにも思う。

 本作では、みんなが好きな絵を描くのが上手な怜央と、自分のために「楽しい」と思って描く萌音という、絵を描く姿勢が全く異なる2人が出会う。まわりから神童だと言われ、周囲からの評価に応えるために絵を描いていた怜央が、萌音と会って次第に絵を描く理由について考え始めていく。

 「誰かに褒められたいから」、「評価されたから」というのも間違っていないかもしれないけれど、やはり「楽しい」と思って何かに打ち込む人には敵わないと思えるような作品となっている。水と油のような2人の画家観をめぐる物語を読んでみてほしい。

【あらすじ】

美大出身の抽象画家・池田萌音は、こども絵画教室で講師を始める。そこで「売れる絵」に執着する天才小学生・宮下怜央から採点を求められ……。