特別企画

【今日の読み切り】「享年17歳」

地元でも評判のいい奴が、心の底に秘めていたのは――

【享年17歳】

著者:太川善之

小学館

 自分は本当にこういう人間なのかな? これが自分なのかな? いま一生懸命やっていることは、本当に自分のやりたいことなのかな? 若い頃はまだ「自分」が定まっていないので、なんとなくそんな座りの悪さを感じることもあるだろう。

 鹿目慎也も、高校3年生になるまでは、今の自分以外の自分になれるなんて思ったことがなかった。いつもニコニコ顔で誰にでも好かれる優等生。嫌なことがあってもぐっと飲み込んで、その場に一番ふさわしい態度をとる。それが一番楽に生きる方法だ、と思っていた。

 だが、慎也の義理の妹、美位子はまったく逆の性格。嫌なことは嫌だと、態度と言葉で表現する。激しく人とぶつかり、自分が傷つくような生き方を慎也はへたくそだと思っている。だが、ある日のちょっとした事件がきっかけで――。

 「享年17歳」はサンデーうぇぶりに掲載された太川善之氏の読み切りマンガ。重めのストーリーだが、すっきりした読後感で前向きな気持ちにさせてくれる。2人が見つけた本当の自分を、ぜひその目で確かめて欲しい。

【あらすじ】

 小さな田舎町に住む高校3年生の鹿目慎也は、真面目で優しい優等生。地元の公立校の校長である父親に習って、教育学部への進学を目指している。だが、彼には問題児の妹がいて……。