読み切り

【今日の読み切り】「かわたれの月」

きっとあれは彼に違いない――…。限られた中でも愛は育むことができる

【かわたれの月】
著者:眞士
集英社

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 小さな小窓から、互いに見えるのは手元と声音だけ。細々と商いをするリリスと、助けたきっかけで親密になっていくカリュとの、心和ませるストーリーが始まる。

 本作は、2024年10月から「となりのヤングジャンプ」にて配信されている眞士氏の短編作品。

 繊細な描写に折り重なるファンタジー要素が美しさをさらに引き立てる。そこから紡ぎだされる心通わす物語が、描写と相まって印象に残る作品。読み終わるころに、きっとあなたは「かわたれ」の意味を調べたくなるはずだ。

□となりのヤングジャンプ「かわたれの月」のページ

【あらすじ】

 商品を渡す小窓だけが、外界との繋がり。小さな商店を営む主人公・リリスは外界との接触を断ち生活していたが、ある日客とトラブルになったところを軍人・カリュに助けてもらい、いつしかカリュと話すことがリリスの生きがいとなる。しかし、外に出られないリリスはカリュが話しに来てくれるのを待つことしかできず...。