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「ちいかわ」、第53回日本漫画家協会賞 萬画部門にて大賞!

コミック部門は「かろりのつやごと」、カーツーン部門は「TAKUPEDIA」が受賞

【第53回日本漫画家協会賞】

4月12日 発表

 日本漫画家協会は4月12日、同協会が主催する第53回日本漫画家協会賞において、各賞の受賞作品を発表した。

 「日本漫画家協会賞」は「漫画文化の普及と漫画界の向上発展をはかる」という目的のもとに優秀作品を顕彰するため、1972年より設けられたもの。「コミック部門」、「カーツーン部門」、「萬画部門」の大賞3部門に加え、「まんが王国とっとり賞」、「まんが王国・土佐賞」、「文部科学大臣賞」の計6部門が設けられており、ナガノ氏によるマンガ「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」は萬画部門において大賞を受賞した。受賞理由は「不思議で困難も多い世で、一緒にいる喜びいっぱい、楽しみ、奮闘し暮らしてゆく存在たちは、多くの人々の心に寄り添っています。」というもの。

 また、コミック部門は小田ゆうあ氏による「かろりのつやごと」、カーツーン部門では古川タク氏による「TAKUPEDIA」が大賞となっており、各部門の受賞者には賞金50万円、ちばてつや氏直筆の賞状、金彩プレート楯とメダルが授与される。

 なお、合わせて発表された各賞について、まんが王国とっとり賞は石山 諒氏の「龍とカメレオン」、まんが王国・土佐賞は村岡栄一の「去年の雪」、文部科学大臣賞はながやす巧氏の「ながやす巧 全作品」が受賞した。

大賞(賞金50万円、ちばてつや直筆賞状、金彩プレート楯、メダル)
部門作品名作者名受賞理由
コミック部門「かろりのつやごと」集英社クリエイティブ刊小田ゆうあ(おだ・ゆうあ)氏心地よくて暖かです。負い目を感じつつ生きるもの。それを支えるもの。照る日も曇る日もあり、心豊かにしてくれる愛の作品です。
カーツーン部門「TAKUPEDIA」アニドウ・フィルム刊古川タク(ふるかわ・たく)氏一見、稚拙に見える描線は何れも的確にモチーフを捉えていて魅力的だ。ナンセンス1コマ漫画のお手本と言える素敵な作品集です。
萬画部門「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」講談社刊ナガノ氏不思議で困難も多い世で、一緒にいる喜びいっぱい、楽しみ、奮闘し暮らしてゆく存在たちは、多くの人々の心に寄り添っています。
まんが王国とっとり賞(賞金20万円、鳥取県名産品、知事賞状、銀彩プレート楯、メダル)
作品名作者名受賞理由
「龍とカメレオン」スクウェア・エニックス刊石山諒(いしやま・りょう)氏卓越した画力と奇抜な設定で、より高みを目指す超売れっ子と、様々な価値観、立ち位置で凌ぎ合う漫画家達のリアルを描き光った。
まんが王国・土佐賞(賞金20万円、高知県名産品、知事賞状、銀彩プレート楯、メダル)
作品名作者名受賞理由
「去年の雪」少年画報社刊村岡栄一(むらおか・えいいち)氏二度と会えぬ懐かしい人々との思い出。戦後マンガの青年期に切磋琢磨した人々(永島慎二、岡田史子、滝田ゆう……)の回想は資料的にも貴重で、出版の経緯も含め、意義深い作品。
文部科学大臣賞(賞金20万円、文部科学大臣表彰状、金彩プレート楯、メダル)
作品名作者名受賞理由
「ながやす巧 全作品」ながやす巧(ながやす・たくみ)氏己が魂を削るがごとく丹念に刻まれる一本一本の線が紡ぎだす物語は、美しく凄絶にして崇高。そう、漫画とは斯くあるべきなのだ!