特別企画
“プリティー”をかなぐり捨て、ウマ娘の本質を描く「ウマ娘 シンデレラグレイ」は4月6日にアニメ放送開始
後に“怪物”と呼ばれる灰被り・オグリキャップがスターダムを駆け上がるシンデレラストーリーは18巻まで連載中
2025年4月6日 00:00
- 【アニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」】
- 放送開始日:4月6日より毎週日曜16時30分~
- 放送局:TBS系全国28局ネット
TVアニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」が、4月6日よりTBS系全国28局ネットにて放送開始となる。本作は、Cygamesが放つゲームを主軸としたメディアミックスプロジェクト「ウマ娘 プリティーダービー」のスピンオフ作品であり、集英社の「週刊ヤングジャンプ」で連載中の同名マンガ(漫画:久住太陽氏/脚本:杉浦理史氏/企画構成:伊藤隼之介氏)が原作。かつて多くの競馬ファンを熱狂させた稀代のアイドルホース・オグリキャップをモチーフとしたウマ娘が駆け上がっていくシンデレラストーリーが描かれる。
もうすぐ放送開始となるアニメは分割2クールとなることが予告されており、この記事では、そんなアニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」放送にあわせて概要や魅力を紹介していく。
稀代のアイドルホース・オグリキャップがスターダムを駆け上がるシンデレラストーリー
「ウマ娘」とは、我々の世界における競走馬(アニメでは別世界の魂とされている)をモチーフに擬人化し、本能的に走ることを宿命づけられたキャラクターたち=ウマ娘がレースにかける情熱や、困難に直面した際のドラマを描くコンテンツ群。そのコンセプトからして基本はいわゆる“スポ根”ものだが、レースで上位に入賞したウマ娘は「ウイニングライブ」と呼ばれるステージに立つ名誉が与えられることから、アイドルものとしての側面もあわせ持つ。
先にも述べた通り、コンテンツとしての軸足はゲームにあるが、アニメ第1作目となる「ウマ娘 プリティーダービー」が放送されたのは2018年と、ゲームがリリースされた2021年から約3年も先駆けている。その後は2021年に「Season 2」、2023年にはYouTube公式チャンネルで公開された「ROAD TO THE TOP」と「Season 3」、さらに劇場版「新時代の扉」などアニメ作品を展開。そのほか、映像ディスクの特典やスピンオフ短編など、多くのアニメが製作されてきた。
このたび、そのうちのひとつに加わることになる「ウマ娘 シンデレラグレイ」は、主人公・オグリキャップが地方レースに出走するウマ娘を指導・育成する機関のカサマツトレセン学園に編入してくるところから始まる。
超一流の逸材たちがしのぎを削る花形レース「トゥインクル・シリーズ(中央)」に比べて、活気がなく出走するウマ娘にもやる気がない……という有り様になっていたカサマツが、彼女の登場によって変わっていく。いわゆる“シンデレラ”ストーリーだ。原作マンガはアニメ放送直前の3月現在で単行本が18巻まで刊行されているが、現状公開されているPVの内容からして、第1クールはオグリキャップが中央へと移籍するまでの物語“カサマツ篇”までが描かれるものと思われる。
ウマ娘とトレーナー、それぞれの関わり方から展開されるドラマが見どころのひとつ
“カサマツ篇”では、オグリキャップがカサマツレース場で行なわれているローカルシリーズ(地方レース)に出走し、スターダムへと踏み出していく過程が描かれる。そのきっかけとなるキャラクターが、トレーナー・北原穣だ。
現実の競走馬がレースに出走するまでには、生活環境の世話をする厩務員、厩舎を運営し競走馬を管理する調教師、そして馬に騎乗する騎手など……実に様々な人の手がかかっている。「ウマ娘」におけるトレーナーとは、競走馬に関わるそれらの人々の属性を備えつつ、陸上競技におけるコーチのような立ち位置になっているキャラクター。「応援したくなるようなスターがいない」ことから熱気を失い、寂れていくしかないカサマツ。そんな環境で自身を腐らせていた北原は、ある日自主練習に励むオグリキャップと邂逅する。
この出会いによってオグリキャップにはレースへと出走する道が拓け、なにやら挫折した過去を匂わせる北原の運命も変わっていく……「ウマ娘 シンデレラグレイ」の特徴のひとつとして、ウマ娘とトレーナーの関係性の描かれ方が“濃い”ことが挙げられる。オグリキャップと北原だけでなく、レースに挑むウマ娘とトレーナー、それぞれの関わり方から展開されるドラマは見どころだ。
“プリティー”をかなぐり捨てた、見逃してはならない「ウマ娘」の本質を描く
そして、なんと言っても「ウマ娘 シンデレラグレイ」最大のポイントといえるのは、鬼気迫るレース描写。まず、タイトルを見ると大本になっている「ウマ娘 プリティーダービー」と比較して、本作「ウマ娘 シンデレラグレイ」では“プリティー”の文字が省かれている。まるで“かわいさなどかなぐり捨て、レースという戦いに挑むウマ娘たちの本質的な一面を描く”という意気込みが伝わってくるようだ。
個々のウマ娘が持つ脚質を念頭に入れた作戦立てはもちろん、レース場の形状や起伏、先行や差しといった走法、またそれらの兼ね合いによって生まれるレース展開を読む戦術眼など……本作では「ウマ娘」他作品と比べても、勝負としてのレース部分における解像度が一段と高い(それ故に、先述のトレーナーの存在感が際立ってくるのだが)。
今しがた触れたレースという勝負形式における戦術論、といった面でも深い味わいのある本作だが、それをより揺るぎないものとしているのが作画を担当する久住太陽氏の高い画力によって描写される、ウマ娘たちの鬼気迫る姿。万策を尽きてなお、ゴールまで最後の数百メートルといった時点では、息を絞り出すような気力が勝負を左右する。滝のような汗を流し、瞳孔が開ききった目をさらに見開いて、雄叫びを上げながら最後の勝負に挑む……。そこには純然たる本能のみがあり、良い意味で“プリティー”さはカケラもない。「ウマ娘」というコンテンツ群において、ほかではなかなか味わうことができない、しかして決して見逃してはならないテーマに取り組んでいる。アニメではこの迫力をどのように描写してくれるのかが楽しみだ。