特別企画

世界に1体だけの等身大シャミ子!「まちカドまぞく だぶるあにばーさりー展 ~まぞくたちの進む道~」が開催

3Dで動く闇堕ち桃&シャミ子が来場者を出迎える!

開催期間:2024年12月14日~2025年1月5日

会場:有楽町マルイ8F イベントスペース

 芳文社から発売されている月刊漫画雑誌「まんがタイムきららキャラット」にて連載中の、伊藤いづも先生による漫画「まちカドまぞく」。その原作が連載開始から今年で10周年、アニメが放映開始から5周年を迎えることを記念して、原作とアニメそれぞれから「まちカドまぞく」の世界が楽しめる展覧会「まちカドまぞく だぶるあにばーさりー展 ~まぞくたちの進む道~」が開催された。

 今回、一般入場に先駆けて関係者向けの内覧会に参加することができたので、その模様をお届けしよう。

 「まちカドまぞく」は、闇の一族の末裔で、ある日突然「魔族」としての力が覚醒した主人公の女子高生・シャミ子こと吉田優子が、“月4万円生活の呪い”の解除を目指して、自身と敵対する光の一族に選ばれし同級生の魔法少女・千代田桃を倒すため勝負を挑んでいくという、2人の女子高生の姿を描いたファンタジック系コメディだ。

天井から壁紙まで、随所に見所が詰まった6つの展示エリアが来場者を歓迎

 本展示会の会場は全部で6つのエリアに分かれており、入場してすぐのところがこの場所を舞台にいくつものエピソードが描かれた河川敷エリアとなっている。ここでは、等身大パネルのシャミ子と桃が訪れた人を出迎えてくれるほか、アニメのオープニングムービーが上映されている。

入るとすぐに原作者の伊藤いづも先生と、アニメの監督である桜井弘明さんのコメントが掲げられている。中央のイラストは伊藤いづも先生描き下ろし
反対側にはシャミ子と桃のプロフィールやアニメ設定画、コミックスの複製原画などが展示されている。2人の幸せそうなイラストと互いを思うセリフが飾られているのを見て、いきなりテンションMAXになってしまった
伊藤いづも先生完全監修の、ここでしか聞けないオリジナルストーリー音声ガイドが全部で5種類用意されている。入場者は無料で5種類から1つを選んで聞くことができるのだが、どれも非常に面白かったので是非コンプリートしたいところ。音声ガイド利用を考えている人はイヤフォンを忘れずに持参しよう

 次のエリアは、シャミ子たちが住むばんだ荘の部屋を模した展示になっている。ここの見所は、展示スペースが201号室の桃、202号室の吉田家、203号室のミカンそれぞれの部屋が再現されているところだ。部屋ごとに住人の等身大パネルも展示されており、吉田家の床には”まぞくころし”も転がっているなど、アパート暮らしらしい生活感溢れる雰囲気を感じ取ることができた。

 その反対側には、吉田家の母である吉田清子と妹の良子、そしてご先祖様のリリスが、こちらもイラストと名シーンとを合わせて紹介されている。

ミカンの部屋の壁に描かれたイラストや吉田家の壁に貼られたトレーニングメニュー、桃の部屋にあるゆるキャラポスターやメタ子もしっかりと再現。稼働はしていないもののPCやルータも設置されていて、かなりのリアリティを感じられる

 続いては、桜ヶ丘高等学校エリア。ここにはシャミ子の友人・佐田杏里と小倉しおんの紹介コーナーに加えて、変身バンクの設定やデザイン、アニメ原画などが展示されている。変身バンクの動画も再生されており、ジックリと眺めることが可能。

 なお、このエリアに入ってすぐの場所には「伊藤いづも先生への11の質問」と題したコーナーが用意されている。「まちカドまぞく」を見たことがある人ならば気になっていたアレコレに先生が回答してくれているので、見逃さないようにしたい。

ここまでの展示スペースには、それぞれのキャラに対応したセリフや効果音、擬音が天井から吊されている。原作で描かれていた回やアニメのエピソードがどこだったのかを思い出しながら進むので、予想以上の充実感があった。お気に入りはアニメ1期1話目で登場する、シャミ子が桃を叩く時の効果音「ぽぺぽぺぽぺぽぺ」。

 次に進むと、そこはシャミ子がアルバイトをすることになる“喫茶「あすら」”をモチーフにした展示エリアとなっている。カウンター部分などが再現されているだけでなく、その奥には店長・白澤の姿も。通路の先にはリコのスペースもあるので、こちらもお忘れなく。

カウンターには「まちカドまぞく」の単行本が並べられているほか、端にはおにぎりも展示されていた
喫茶「あすら」エリアは、入ると目の前に「まちカドまぞく だぶるあにばーさりー展」描き下ろしイラストの複製原画が飾られている。その背景に使われているのは単行本3巻のクライマックスシーン。涙腺の弱い人は、ちょっと要注意かもしれない

 喫茶「あすら」のエリアは紫の照明でやや暗くなっているが、その先はせいいき記念病院エリアとなっており、アニメ版を再現したかのような暗さで来場者を出迎えてくれる。

 また、桃の義理の姉・千代田桜、そして桃の闇堕ちした姿であるダークネスピーチの設定画とイラスト、コミックス複製原画なども展示されている。

フラッシュを使わずに撮影したこの写真が、実際に目で見たのとほぼ同じような感じ。非常に雰囲気が良く、アニメのシーンを思い出しながら時間を忘れて見入ってしまったほど

 “日常口”と描かれたのれんをくぐると、そこから先は撮影可能なフォトスポットエリアだ。入ってすぐの“すごい映像コーナー”では、危機管理モードのシャミ子と闇堕ち桃が3D映像になり、見に来てくれた人のためにポーズを取ってくれる映像が流れる。会話も入っており、それを聞いているだけで2人が本当にその場にいるような感じになれてしまうのは凄い。

 その先には、クラウドファンディングのリターン品として製作された、世界でたった1体となる危機管理モードのシャミ子等身大フィギュアが展示されている。その細部にまでこだわったクオリティは非常に高く、見ていて思わずため息が出てしまうほど。これをお迎えできる人は、ホントに幸せ者だろう。周年展示会が終われば支援者の元にいくので、今のうちに細部まで目に焼き付けておきたい。

 このコーナーには他にも、これまでに発売されたアクリルスタンドがずらっと展示されているほか、お祝いイラストコーナーと題して界隈の先生方からの色紙も並んでいる。

すごい映像コーナーの映像では、3Dとなった2人がさまざまなポージングを見せてくれる。その最中にお腹が空いたと言い出す桃に、マルイには美味しい食べ物がありますよと返すシャミ子のセリフには思わず笑ってしまった
反対側には、本展示会のために描き下ろされたパネルと共に、コミック10周年とアニメ5周年を祝う巨大なポップも展示されていた
世界に1体しか存在しない、等身大シャミ子。ぐるりと回って撮影してみたが、その出来映えの良さには驚くばかり
ここから先は物販エリアとなる。数多くのアイテムが販売されているが、12月23日より1月5日までは各日の15時以降、展示会入場券が無くても物販エリアでの購入が可能となる
現在監修中のシャミ子と桃のウェディングドレスVer.フィギュアの展示も行なわれていた。自分の目で、直接そのクオリティを確かめられるチャンスだ。筆者はこれを撮影後、その出来映えに感心して即予約注文を入れてしまったほどとんでもなく良くできていた

ばんだ荘や喫茶「あすら」の再現に数多くのコミックス複製原画など、「まちカドまぞく」を見返したくなる要素が盛りだくさん

 原作10周年&アニメ5周年を迎えた「まちカドまぞく」への、愛がしっかりと詰まった展示内容となっていて、どこを見ても楽しい雰囲気が漂っていたのがとても印象に残った。現在、原作は6巻まで発売されているものの、展示内容としてはアニメに合わせてあるようで、ひとまずは原作3巻までを履修していれば問題なく展示内容を堪能できる。

 こういった展示会の場合、1度ではなく複数回行くパターンが多いが、音声ガイドが5種類用意されているので、少なくとも5回は楽しめてしまうのも嬉しい部分だ。コミックスからの複製原画や名ゼリフ、吊された擬音やアニメシーンの雰囲気を再現したエリアなど、“わかっている”来場者が楽しめるような演出がしっかりと盛り込まれていて、取材を忘れて楽しんでしまったほど充実した内容となっていた本展示会。ファンにオススメするのはもちろんだが、個人的にも最低もう一度は足を運びたい、そんな魅力を持っていたと感じた。