特別企画

【今日の読み切り】「即死性風邪症候群」

即死風邪によって9割の人類が死滅した未来

【即死性風邪症候群】

著者:三浦シゲ

講談社

 シローが生まれ落ちたのは、即死風邪によって人類の9割が死滅した世界だった。「即死性風邪症候群」は三浦シゲ氏による読み切りのディストピアSF漫画。この未来世界では、決してマスクを取ることが許されず、厳しいルールを守りながら、なんとか生き延びている。シローは本当の空気や風を肌身に感じたことがなく、廃墟となった街で生きるための資源を探す日々を送っている。

 そんな彼らが暮らす居住地の近くに、マスクをせずに外を旅する少女が現れる。彼女はウイルスの抗体を持っている抗菌者で、マスクなしで生活することができる。彼女は父親と旅をしていたが、父親が殺され、1人になってしまった。シローたちに救助された少女は、なぜ自分が抗菌者になったのかは分からないという。

 彼らはルールに従って生きているが、それが通用しなくなった時には、自分の心に従う。シローは居住地の人々が彼女を実験体にしようとしていることに気づく。シローの決断は? そして、人類の9割が滅亡した本当の理由とは? 短いページ数で濃縮されたウィルスアポカリプスのディストピアがピリリとシビれる一作だ。

【あらすじ】

 生まれ落ちたのは、マスクを脱ぐことが許されない世界──。伝染病によって人類の9割が消えた世界で、男は空気を吸うことを夢見ていた。そんな彼のもとに、マスクをつけていない“抗菌者”の女の子が現れ……。

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