特別企画

【今日の読み切り】「わたしたちが育てました」

勇者一行の行く手を阻む魔物は、魔界牧場からの産直だった

【わたしたちが育てました】

著者:平平平平

KADOKAWA

 地上へと進撃した魔王軍が繰り出してくる魔物。醜悪な姿をしたその怪物たちは、実は魔界の深淵にある魔界牧場から産直でお届けされていた。

 「わたしたちが育てました」は、平平平平氏の読み切りコメディ漫画。タイトルの言葉は、よくスーパーなどで販売されている農園野菜に、写真入りで掲載されているアレだ。魔界牧場では、魔物が大好きな新人飼育員でサキュバスのティマや、オークの魔界牧場社長ダイリーらがスライムやコカトリス、デスワームやミノタウロスを手塩にかけて育てている。

 だが、買い付けにくる魔王軍の営業担当であるデーモンのカミオンは、彼らの魔物にかける愛情など気にもせず、攻めてくる勇者一行の状況に合わせてコロコロと方針転換を迫ってくる。ティマはそれを飲む社長に憤りながらも、商品動物である魔物たちと向き合っていくが……。

 カミオンから語られる勇者一行が、バグを使ったチートをしていたり、レベルアップして新武器を手に入れていたりと、そこだけゲーム風に話が進みつつも、裏で魔物を用意する生産農家の苦悩が笑いとともに描かれている。RPG好きも、畜産業好きも、魔物好きにも読んで欲しいタイトルだ。

【あらすじ】

 ある日、「魔王軍」を名乗る軍勢が地上へと攻めてきた。そこにいたのは地上の生物とは、全く異なる姿の醜悪な生物、「魔物」。恐ろしき魔物達が生まれ出づる根源、その正体は...牧場!? 期待の新鋭、平平平平先生による、魔界の牧場の社会派(?)コメディ!

□「わたしたちが育てました」を読む