読み切り

【今日の読み切り】「教科書売りの少女とオッサン」

希望を捨てずに未来へと前進する2人のバトンタッチストーリー

【教科書売りの少女とオッサン】
著者:小串カズ
集英社

 少ない資源を独占する発展都市と、荒廃の一途を辿る地区が広がる世界でオッサンと少女は出会った。

 本作は、2024年4月から「ジャンプ+」にて配信されている小串カズ氏の短編作品。厳しい逆行に打ちのめされながらも、抗い希望を捨てずに未来へと前進する2人のバトンタッチストーリー。

 オッサンこと、サクマは偶然寄った荒廃地区で15歳の少女、ハルに出会う。少女はたった1人で教科書を売っていた。サクマは教科書と少女の時間を買い、英語を教えてやることにした。サクマには、本来なら学校に通っているであろう年齢の子供を放ってはおけない背景があった。

 手を差し伸べたサクマと、その手を取った少女ハルは、叶わないかもしれない夢に向かって歩み始める。読めば読むほど、じんわりと胸を熱くする本作は、疲れた時にこそ是非読んでみてほしい作品だ。

□ジャンプ+「教科書売りの少女とオッサン」のページ

【あらすじ】

 国から見捨てられたエリアで、ボランティアが置いていった教科書を売り日銭を稼ぐ少女。そんな姿を見かけたオッサンは少女に勉強を教えることを提案して――