読み切り
【今日の読み切り】「富めるひと」
宝くじに命を救われた主人公の、お金と友情と労働の物語
2024年12月14日 00:00
- 【富めるひと】
- 著者:横谷加奈子
- 講談社
9歳のとき、僕は宝くじに命を救われた……。主人公は、9才の時に突然、余命宣告され、治療費など3億円が必要と言われる。両親は大金を用意できず、全財産を宝くじにつぎ込み、1等の当選金で治療費を工面しようとする。
本作「富めるひと」は、横谷加奈子氏の短編作品で、「コミックDAYS」にて7月11日より配信されている。
病気を治すためには3億円かかる。そんな途方もない金額を捻出するために、関口の両親は全財産を宝くじに投入する。そして、見事1等を引き当てて、病気を治し、それまで貧乏だった関口家は富裕層の仲間入りをした。
本作では、お金に困っていないせいで空虚な人生を送っている関口と、大学を休学してがむしゃらに働いている森谷の対比が描かれる。
お金を稼ぐことの意義が見いだせずこっそりとバイト代を燃やしている関口は、食べられる野草で飢えをしのぐほど困窮している森谷と知り合ったことで、ようやく地に足がついた生活が送れるようになっていく。だが、森谷はある日突然姿を消して――。
お金が友人関係や人生に与える影響を、夢のような、だけどありえなくはない設定で描き、読み終わったあとは考えさせる作品となっている。
“9歳のとき、僕は宝くじに命を救われた……”
主人公は、1週間以内に手術をしなければ命を落とすと余命宣告される。治療費などを含め3億が必要になる。両親は宝くじの当選金を治療費にあてるべく、全財産をつぎ込む。
横谷加奈子氏による、お金と友情と労働の物語。
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