インタビュー

印象的なヒット作は「第七王子」!マガポケ10周年メールインタビュー

週刊少年マガジン/マガポケの4代目チーフ・田中俊輔氏に聞く

【マガジンポケット】
2015年7月30日 サービス開始

 2015年7月30日にサービスが開始された「マガジンポケット(マガポケ)」。当初は講談社「週刊少年マガジン」の連載作品が無料で読めるプラットフォームとしてローンチされたが、その後オリジナル作品や同社の「別冊少年マガジン」「月刊少年マガジン」「月刊少年シリウス」「週刊ヤングマガジン」作品の掲載も開始。

 中でもオリジナル作品としては「イジらないで、長瀞さん」や「可愛いだけじゃない式守さん」、「薫る花は凛と咲く」、「みいちゃんと山田さん」などのヒット作品が数多くあり、既に単なる”紙雑誌のweb版”にとどまらない独自の展開が行なわれているのも特筆すべき点だ。加えて「ラウンジ機能」としてコメント欄がローンチ当初から設置されており、熱量の高いファンの交流が行なわれているのも特徴と言える。

 現在は2015年から数えて記念すべき10周年期間となり、特設ページもオープン。ASIAN KUNG-FU GENERATIONによるスペシャルPVの公開をはじめ各種の企画が展開されている。また、去る2025年には特別企画として東京、大阪にて「持って帰れる複製原画展」が開催され、文字通り剥がして持って帰れる複製原画は、各会場で開催当日に全てなくなるほどの勢いを見せた。

 今回はこれを機に週刊少年マガジン/マガポケの4代目チーフを務める田中俊輔氏にメールインタビューを実施。マガポケのこれまでの歩みや作品に対する想い、10周年以降も続いていくこれからのマガポケについても聞くことができたので、その内容をご紹介する。

『マガポケ』10周年記念特設サイト

【【マガポケ10周年記念】ASIAN KUNG-FU GENERATION『未来の破片』スペシャルPV】
週刊少年マガジン/マガポケ 4代目チーフ・田中俊輔氏

エロでもグロでも異世界転生でも「ユーザーからの需要をとにかく満たす」

――マガポケ10周年、おめでとうございます!10周年を迎えた感想をお願いします。

田中氏:自分はアプリリリース3年目からマガポケチームに所属しているのですが、本当にあっという間でした。海外版アプリ「KMANGA」の展開だったり、アプリの大型改修をしたり、Youtube Liveをしたり、マガポケは常に何かしら新しい企画をしているので、ずっと目まぐるしいです!

――当時マガポケを立ち上げた理由、経緯を教えてください。

田中氏:紙の雑誌だけでなくアプリでも作品を読んでほしいという意図で、「週刊少年マガジン」の公式アプリとして始まったのがきっかけです。その後、マガポケ発のオリジナル作品の連載をはじめて今のようなアプリの形になっています。

――フォーマットはじめ様々な点で紙とwebでは大きな違いがあると思いますが、特にwebならではだと感じることがあれば教えてください。

田中氏:WEBは手軽に漫画を読めるため、隙間時間での漫画読書の時間が増え、よりライトで面白さが明確なジャンルが売れる傾向を感じます。

――マガジン本誌との読者層の違いなどは感じますか?

田中氏:男性読者層が多い本誌と違って、マガポケでは講談社全漫画編集部の作品が配信されているので、コメント欄を見てみても読者層がとても幅広いのを感じます。

――現在の運営体制は、マガジン編集部などとの横断、あるいは兼任という形なのでしょうか?

田中氏:普段の作品編集業務と並行してアプリ運営をしているのでとてもハードです。一方で、アプリ運営で色々な作品を読みつつ数字を見ていくことが作品づくりに役立つこともあるので、並行して携わるメリットもあると思います。

――この10年で良かったこと、厳しかったことの両面で、印象深い出来事があれば教えてください。

田中氏:良かったこととしては、版元系漫画アプリでTOPクラスのユーザー数を記録したことで、厳しかったこととしては、物価高の影響によりマガポケも断腸の思いで値上げをしたところ、売り上げが大幅に落ちたことでしょうか……。ですが今は回復してそれ以上に伸びています!

――マガポケが大事にしていること、理念やコアはどんなものになりますか。また、それはこの10年で変化がありましたか。

田中氏:大事にしていることとしては、「ユーザーからの需要をとにかく満たす」ということでしょうか。需要があるならばエロでもグロでも異世界転生でも、その時の流行を察知してそのジャンル作品をたくさん掲載してきました。それは今も昔もこれからも変わらないと思います。

――これまででこれは!という特に印象的なヒット作品があれば教えてください。

田中氏:たくさんありますが、個人的には「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」です。異世界転生の形式的な面白さは残しつつ、漫画家さんの作家性をフルに乗せた異世界転生コミカライズの完成形の一つだと思っております。

「小説家になろう」で謙虚なサークル氏により連載されていた「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」をコミカライズした同作。キャラクター原案はメル。氏、作画は石沢庸介氏が担当している

――新連載につながる新たな作家の発掘、連載化について、どのような取り組みを行なっていますか。

田中氏:編集部内で月一回、「ネーム会議」という提出ネームのマガポケでの連載可否を決める会議が行なわれています。そこで熱い議論が交わされ、全編集部員からの意見が共有されることで、よりよい作品が連載になっていきます。

――次の10年はどんな10年にしていきたいですか。

田中氏:次の10年では、マガポケオリジナル作品からこの先100年語られるような国民的作品が出てきてほしいです!

――最後に、マガポケ読者にメッセージをお願いします。

田中氏:いつもマガポケをご利用いただき、誠にありがとうございます。皆様の応援のおかげで10周年を迎えることが出来ました。11年目も宜しくお願いいたします!