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お盆におすすめしたい! 弐瓶勉氏の描くSF超大作3作「BLAME!」「シドニアの騎士」「バイオメガ」【夏休み特集】

 「重力子放射線射出装置」「東亜重工」「奇居子(がうな)」「統治局」「弾体加速装置」「合成人間」「播種船(はしゅせん)」「珪素生物(けいそせいぶつ)」といった文言を見たことはないだろうか。これらのSF感溢れるワードが少しでも琴線に触れた人には、是非ともマンガ家・弐瓶勉氏の作品をおすすめしたい。

 本稿では、各作品の簡単な世界観や物語のあらすじを紹介していく。癖を捻じ曲げるようなゴリゴリにハードなSF作品ばかりなので、SFに少しでも興味があるのであれば読んで損はないと思う。今回は筆者個人的に弐瓶氏の作品の中でも壮大にSF世界を描いていると思う3作品を挙げていく。

 弐瓶氏の作品は長くても1作15巻、短いと1巻のためちょっとした時間に読み切れる。しかし、短いからといって内容が薄いわけではなく、弐瓶氏が描く作品の魅力となるその圧倒的世界観が綿密に描かれている。他ではあまり聞きなれないようなSF用語と、果てしなく大きく広く、そして過酷な世界をダイナミックに描いているので、とにかくマンガの世界に引き込まれる。

 筆者個人的には年月や物事の単位がとにかく大きいのも同氏の作品で気に入っているポイントだ。特に「バイオメガ」に「全長四十八億キロメートル」の構造物が登場した時は度肝を抜かれた。世界観の壮大さが飛びぬけている。加えて、前述した「重力子放射線射出装置」「東亜重工」「奇居子」「エナ」「弾体加速装置」などの用語が作品をまたいで登場する。各作品同士に横のつながりはないものの、いずれも同氏のSF要素を盛り上げる要素なので、そういった用語にも注目してマンガを読んでみてほしい。

 なお、本稿ではネタバレに配慮して紹介していく。紹介する作品を読んだ後には本稿で紹介したイメージとはまた違った印象を持つと思う。是非その変化も楽しんでほしい。

 それでは早速紹介に入る。

「BLAME!」。どこまでも続く都市構造で“ネット端末遺伝子”を探す冒険記

【「BLAME!」あらすじ】

人が病により「ネット端末遺伝子」を失ったことで“都市”の主として認められなくなり長い時が過ぎた時代。どこまでも増殖し続ける都市を、ある男が旅していた―――

 「BLAME!」は、1997年から講談社「月刊アフタヌーン」にて連載されていたSF冒険記。全10巻と新装版全6巻があり、2017年にはNetflixから3DCG作品として映画化された。

 「BLAME!」の魅力はハードなSF世界を舞台に展開されるストーリーだが、やはり一番注目してほしいのは「どこまでも続く都市構造」という要素だ。というのも、本作の都市は、かつて人が「ネット端末遺伝子」を持っていて都市の支配者だった時代から果てしない時間が経過しているためか、どこも廃墟の様な見た目になっている。このどうしようもなく荒廃した都市を正常に戻すというのが大目標になっているだけあって、都市の描写には特に力が入っているし、世界観の根幹だけあって「都市」という要素そのものが魅力的に描かれているのだ。

 都市の大きさは惑星を飲み込んでもなお増殖しているような描写があることから惑星系サイズと思われる。そんな都市にいるのは人間だけではない。人間を殺そうと襲ってくる「セーフガード」や「珪素生物」をはじめとした危険な存在がおり、普通の人間は見つかり次第文字通り瞬く間に殺されてしまう。

 「セーフガード」とは、都市の防衛機構のことだ。四足歩行の白い人型の機械「駆除系」を主な尖兵として不法居住者を排除している。この駆除系の“無味乾燥な表情ながらもどこか存在自体が清浄であるかのようなデザイン”が非常に恐ろしい。しかも一度に出てくる数がかなり多いので無機質に襲い掛かってくる虫の群れを見たような気持ち悪さがある。

【千値練「BLAME! 1/12 セーフガード」】
アニメ版。マンガ版とのデザインの違いはあまりない
襲ってくるときは四足歩行が多い。無表情で、“シャカシャカ”と、大量に、殺意を持って追いかけてくる
2017年発売。メーカー希望小売価格:60ドル

 さらに、駆除系だけで排除ができない場合には「上位ユニット(いくつか種類がある模様)」なども登場する。どれもどこか清い雰囲気を纏っているものの、躊躇なく攻撃してくるので、そのギャップのおかげか印象に残りやすい。見方を変えれば聖人や天使のような第一印象を抱くデザインもあるものの、攻撃する瞬間には恐ろしく見える秀逸な造形をしている。人とは別の尺度(この場合はネット端末遺伝子の有無)で動いているので、ある種の上位存在と言えなくもなさそうだ。

 「珪素生物」は、人間のように言葉を話し、社会を形成しているものの人を見つけ次第襲い掛かる種族だ。都市の初期から存在しており、ネット端末遺伝子を持つ人間による都市の正常化を阻もうとしてくる。色々な性格・見た目のキャラクターがいるものの、いずれも邪悪そうな雰囲気を纏っているので悪役感が否めない。そのうえ、「セーフガード」と対等以上に戦って都市に寄生しているので、かなり強く恐ろしい。一方で、交戦的ではない個体もいるので、一概に悪者と決めつけることはできない。

 このように、都市には人が人の身のままでは到底敵わないような脅威が多いので、いわゆる人間らしい見た目の登場人物は少ない。極度にサイボーグ化した集団や環境に適応しようと系統分岐したような人々が多く登場するのだ。主人公である霧亥(キリイ)もサイボーグとしてかなりの怪力や生存力、修復機能を発揮している。彼が数世紀単位で旅をしていられるのも、人の肉体ではないからだろう。

 そんな彼の代表的な武器は、作中でも屈指の強さを誇る「重力子放射線射出装置」。ハンドガンサイズながらも威力は絶大で、作中でも最も堅いとされる「超構造体」に穴を開けたり、大抵の敵を当てさえすれば一撃で倒している。頑丈な身体に“超”が付くほど強力な武器が合わさってなお、霧亥の旅路は困難に満ちている。敵も味方も強さがインフレしているので、手に汗握るような場面も多くしっかり苦戦する。

【千値練「BLAME! 1/12 霧亥 アクションフィギュア」】
アニメ版のデザイン
黒づくめの恰好はアニメ・マンガ共通だ
2017年発売。メーカー希望小売価格:65ドル

 物語は、霧亥が探索の途中で出会うことで進み、ほとんどの人は少数で脅威に怯えながら暮らしている。時には、小さな集落程度の文明を維持しているグループや、進んだ科学文明をもった集団と出会ったりするものの、大抵は彼が関わる前に滅びかけているか、関わった結果荒廃する。中には積極的に破壊活動を行なったこともあるので一概には言えないが、おおよその場合は霧亥が悪いのではなく、世界が過酷なせいだ。

 改めての紹介になるが、本作はそんな過酷などこまでも続く都市で、それでもあきらめずに足掻く人々を描いた作品となっている。圧倒的な世界観と、そこに生きるリアルな人々が魅力だ。是非読んでみてほしい。

 前日譚となる「NOISE」や元となった「BLAME」、続編や小話にifストーリーを多数収録した「ブラム学園!アンドソーオン」もあるので、本作を気に入った方にはそちらもおすすめしたい。

 もしも「マンガを読んでいる時間がない」という方がいたら、Netflixの映画をみてみるのもいいだろう。ストーリーほか、いくつかの要素は異なるものの、世界観は堪能できる。何より都市と重力子放射線射出装置をカラーで、それも音付きで見れるので、マンガが気に入った方にもおすすめしたい。弐瓶勉作品の入門にはもってこいな1本だと思う。

 なお、アニメでは霧亥は終始人間味の無い様子だが、マンガでは寡黙なものの表情豊かなシーンもある。アニメ版の霧亥はミステリアスで格好いいし、マンガ版の霧亥は多少の人間味を感じられる。どちらも魅力的だ。また、今回おすすめしたいのは新装版だ。弐瓶氏によって新たに都市が描かれているので、作品の世界観をより詳細に確認できる。

【新装版「BLAME!」】
第1巻
第2巻
第3巻
第4巻
第5巻
第6巻
Amazon Prime Videoで視聴

「バイオメガ」。陰謀と闘う工作員のSFバイクアクション

【「バイオメガ」あらすじ】

火星入植地での事故から7世紀、人類への有人飛行に成功する。半年後、地球では「ドローン禍」と呼ばれる生物災害が発生。東亜重工の工作員・庚造一(かのえ ぞういち)は、パートナーであるAIカノエ・フユを搭載したバイク「重二輪」と共に、ある目的のために封鎖された島「9JO」へと足を踏み入れる―――

 「バイオメガ」は、2004年より講談社「週刊ヤングマガジン」および集英社「ウルトラジャンプ」にて連載されていたSFバイクアクション。全6巻と新装版全3巻がある。

 「バイオメガ」では、先に紹介した「BLAME!」と打って変わって人間が数多く登場する。といってもその世界は「N5Sウイルス(N5SV)」と呼ばれる人を“ドローン”と呼ばれるグールのような存在に変えてしまうウイルスによって絶滅に瀕している。物語はこの「N5SV」が全世界に拡散する“ドローン禍”が始まった直後から始まる。

 「N5SV」は、火星の入植地から“人類総改換計画”のために「DRF(技術文化遺産復興財団)」が軌道上から地球にふりまいているウイルス。主人公である“合成人間”の庚造一と彼をサポートをするAIのカノエ・フユは、「東亜重工」の工作員としてDRFの野望を阻止するために長い長い戦いを繰り広げることとなる。

 本作の魅力は、なんといっても「重二輪」だ。重二輪は、造一(かのえ ぞういち)が乗る大型バイクで、フユが搭載されている。外観は、黒いシンプルなフォルムと車高と同じようなサイズの車輪が特徴で、前傾姿勢で乗るタイプとなっている。タンデムする場面もあるので座席はある程度広そうだ。

T.E.S.Tが開発中の「1/12スケール庚造一と重二輪」

 本作は途方もない距離を旅しながら戦い続けるストーリーとなっているので「このバイクがなければ造一たちは戦い抜けないのではないか」と思うほどに重二輪は重要な要素だ。物語の最初から最後まで、作中の途方もない時間(数百年単位)戦い続けても活躍するほどの頑丈さを持っているのが印象的だ。

 いくつかのバリエーションがあるようで、作中では主に造一のものと、造一と同じく合成人間の壬二銖(みずのえ にしゅ)が乗るものが登場する。二銖のものは大型の爪が付いたような形状のアームが多数生えており、銃弾を弾いたり、器用に熊を掴んだりできる。

 造一の重二輪には武器が多数内蔵されており、彼の主武装「弾体加速装置」や、長距離狙撃用武装「4000XL」、折り畳み式の斧などをバイクから引き抜いて使ったりする。4000XLは成層圏まで打ち上げられた大陸間弾道ミサイルを連続して撃ち落とすほど強力な武装となっており、非常に印象的だし、斧を振り回してドローンの大群を重二輪で突破するシーンは圧巻の一言だ。ぜひ見てほしい。

 当然のことながら造一自身の強さもすさまじい。検問で足止めされた時には瞬きする間に弾体加速装置を引き抜き5人を射殺するし、いざとなれば非常に重たそうな重二輪を片手抱えて飛び降りるといった芸当もやってのける。普段は真っ黒のバイク用ヘルメットとライダースーツらしき防具を着ているので威圧感がある。しかし優しい性格の持ち主でもあるので、そのギャップが彼の魅力を高めていると思う。

 本作は前述した「DRF」や「東亜重工」だけでなく、「DRF」の下部組織「公衆衛生局」やその実行部隊(軍隊レベル)の「CEU(強制執行部隊)」といった組織も登場する。それぞれの思惑が複雑に絡み合い息つく間もなく世界が混沌としていく。この怒涛の展開こそが本作のストーリーの魅力だと思う。造一は文字通りずっと戦っているので、中だるみなどもない。どんどん読み進めてしまう。

 今回おすすめしたいのは「BLAME!」と同じく新装版だ。2021年より展開された新装版では、弐瓶氏の最近の絵柄で造一やフユが描かれている。マンガ本編では見えにくいような細部まで描かれているので想像が捗る。

 「巡回査察員」や「最厳重警備隔離施設」、「大陸繋留索」など本稿では紹介しきれない要素も数多くあるので、弐瓶氏独特のSF用語に溢れた世界に浸りたいという方は是非読んでほしい。

【新装版「バイオメガ」】
1巻
2巻
3巻

「シドニアの騎士」。人類存続を掛けたボーイミーツ“ガール”ロボット活劇

【「シドニアの騎士」あらすじ】

人類が対話不可能な敵性存在「奇居子(ガウナ)」によって地球を破壊されてから千年。「播種船 シドニア」は新天地を求め宇宙を航海していた。
そんな中、1人の孤独な青年が地下から食料を求めて地上に出てくる。時をほぼ同じくしてシドニアは100年ぶりにガウナと遭遇。ガウナとの新たな戦争が始まった。
青年はガウナと戦い英雄になり、人と触れ合い愛を知り、シドニアの騎士となる―――

 「シドニアの騎士」は2009年より講談社「月刊アフタヌーン」にて連載されていたボーイミーツ“ガール”ロボット活劇。全15巻と新装版全7巻がある。細部はことなるものの、3DCG作品も物語完結まで制作されている。

 「シドニアの騎士」には、先の「バイオメガ」よりもさらに多くの人間が登場する。それもまともな人間が。舞台となるのは、人類の新たな故郷となる惑星を求めて宇宙を旅するコロニー型の世代宇宙船「播種船 シドニア」。「ガウナ」という目的の不明な未知の外敵に太陽系を滅ぼされてから数百年にわたって旅を続けている。播種船はシドニア以外にも「アポシムズ」など500隻が建造されたものの、作中では既に他の船の生存は確認できない。なお、地球はガウナによって半分に割られた。

 敵となるガウナは、その姿もサイズも戦い方も様々なうえ、「エナ」と呼ばれる物質によって守られた本体をシドニアに28個しかない「穎(カビ)」を取り付けた槍状の武器「カビザシ」で貫く必要があるため手強いという表現では済まないほどに危険な存在だ。そのうえ人を食べて記憶や姿を模倣する習性もある。シドニアはこれまで幾度となく危機的状況を経験しており、まさに人類の存亡を懸けた旅路が魅力となっている。

 そんな壮大な旅路を描く本作最大の魅力はなんといってもロボットだ。「衛人(もりと)」と呼ばれる人型の大型兵器を駆使してシドニアの人々はガウナとの戦争を生き抜いてきた。衛人は「ヘイグス粒子」と呼ばれる特殊なエネルギーを使用して動くロボットで、ほとんどマニュアル操作のものや自動化の進んだものなどいくつかの種類がある。外観はおおむね直線的な白いデザインで、背中に大型の推進器を搭載している。

コトブキヤ「一七式衛人 白月改 継衛」6,380円

 昔の機体になるとヘイグス粒子を使わないタイプもあった模様だ。作中では衛人のパイロットである「衛人操縦士」の生還率は半分以下とまで言われている。物語が進むにつれて新たな機体や武装、装備が登場するので、ストーリーも含めてロボットものの王道要素は大体網羅しているのではないだろうか。

 本作の主人公は祖父と2人で文字通り孤独に生きてきた「谷風長手」。物語は彼が食料を求めて米泥棒をしようとするところから始まる。本作では、そんな長手が衛人操縦士になり、衛人を誰よりもうまく操縦できる英雄としてガウナとの戦いに身を投じていき、“シドニアの騎士”としてそこに住む人々のために戦い成長していく様が描かれている。本項冒頭で述べた“ガール”とは身長差15mの恋路を描いているので、こちらにも注目してほしい。

 本作は、ジャンルとしてはリアルロボットに近い。随所に丁寧に考え抜かれたリアルな要素を確認できる。人々の生活感から「実際に宇宙船で戦うってこんな感じなんだろうな」と思わせる設定に溢れているのだ。

 特に、攻撃を避けるためにシドニアが緊急加速した際に斜め方向にGがかかるため落下死を防ぐための安全帯を使うシーンや、衛人が長距離を高速で移動するために互いの手を握って円陣を組み移動する「掌位」という飛び方、パイロットが戦闘中に排泄すると指令室の管制モニターに「排泄中」と出てくるなど挙げればキリがない。

 一方で、ヘイグス粒子やガウナといった独自の要素によってかなりのトンデモ兵器や装備が多数登場するのもSFならではの魅力だろう。「ガンダム」シリーズの中でも「MS IGLOO」が好きな人や「アルドノア・ゼロ」や「フルメタル・パニック!」などが好きな人に特におすすめだ。

 3DCG作品についてだが、TVアニメが2クール分24話と映画1本で物語が完結する。アニメでは滑らかに動く衛人とガウナの戦闘を、映像・音響ともに大迫力で楽しめるのでおすすめだ。物語など細部は異なるものの、マンガが気に入った方はぜひそちらもチェックしてはいかがだろうか。映画は特に凄い。

【新装版】
1巻
2巻
3巻
4巻
5巻
6巻
7巻
Amazon Prime Videoで視聴

面白い弐瓶作品はまだまだある!

 今回紹介した作品を読んで、弐瓶氏の描く世界観が気に入ったのなら、「ABARA」「人形の国」「大雪海のカイナ(原作 弐瓶勉氏/作画 武本糸会氏。映像化済み)」といった彼の他の作品もぜひ読んでみてほしい。

 「ABARA」は藤本タツキ氏の「チェンソーマン」のデンジにも影響を与えている。がむしゃらに戦う「ABARA」の駆動電次と「チェンソーマン」のデンジには外見や戦い方に共通点があり、それを探すのも楽しいだろう。なお、「ABARA」の電次はデンジと違って寡黙で賢そうな印象をもっている。

 上下全2巻なので読みやすいのもおすすめしたいポイントだ。SFというよりはどちらかというとアクションという印象が強いので、SFが苦手な人も読みやすいと思う。なお、下巻最後に掲載されている短編マンガ「デジモータル」もかなり格好いいのでおすすめしたい。

 余談だが、性格は大分異なるものの、「人形の国」にも駆動電次が登場する。自身の作品でメタ的に過去作の要素が入っているのが弐瓶氏の作品の魅力をさらに高めていると思う。

【ABARA】
上巻
下巻
新装版
那由多(左)と駆動電次(右)の黒奇居子の姿(T.E.S.T「『ABARA』1/12 黒奇居子 駆動電次&那由多」30,800円)

 また、弐瓶氏は現在ファンタジー作品「タワー・ダンジョン」を連載中だ。こちらはSFではないものの、独特なデザイン・世界観が随所に散りばめられているので、今回紹介した作品が気に入った方は是非手に取ってみてほしい。単行本は2巻まででており、第3巻については10月に発売予定となっている。

【タワーダンジョン】
1巻
2巻

 もし、弐瓶勉氏のマンガを初めて全部読む方がいたなら、話の入りやすさ的に順番は「シドニアの騎士」→「大雪海のカイナ」→「人形の国」→「ABARA」→「バイオメガ」→「BLAME!」がいいと思う。筆者的に、どれも世界観が秀逸で優劣などはないものの、弐瓶氏の描く世界の濃さとしてはこの順番で読んだ方が濃さ順応してより楽しめるのではないかと思う。