トピック
液晶ペンタブレット「Artist Pro 27 (Gen 2)」レビュー
シリーズ待望の27インチモデル。4K UHD、120Hzの大画面が作画環境を進化させる
2026年4月8日 12:00
- 【Artist Pro 27 (Gen 2)】
- 3月20日 発売
- 価格:298,000円
XPPenは3月20日に、プロフェッショナル向けの27インチ液晶ペンタブレット「Artist Pro 27 (Gen 2)」を発売した。
XPPenというと、どちらかといえば個人用の安価なエントリーモデルを販売している会社というイメージを持っている人が多いのではないだろうか。
だが、今回発売された「Artist Pro 27 (Gen 2)」はスペックも価格もプロフェッショナルを想定したものとなっている。では実際の使い心地はどんな感じだろうか? 今回、発売したばかりの「Artist Pro 27 (Gen 2)」を実際に触ってみる機会を得たので、イラスト作成や動画編集などいくつかの作業での使い心地を試してみた。
27インチ4K、120Hzのフラッグシップ液晶ペンタブレット
本機種は「Artist Pro」シリーズのフラッグシップに位置づけられる液晶ペンタブレット。4K(3,840 x 2,160)26.9インチの液晶は、リフレッシュレートが120Hz、応答速度が5msと高速で滑らかな書き心地を実現している。
| 【スペック】 | |
|---|---|
| 製品名 | Artist Pro 27 (Gen 2)液晶ペンタブレット |
| 製品モデル | MD270UH |
| 色 | ブラック |
| スタイラスペン | X3 Proスマートチップスタイラス、X3 Proスリムスタイラス |
| ON荷重 | 3g |
| 筆圧レベル | 16384 |
| 傾き検知機能 | 60° |
| 画面解像度 | 4K(3,840 x 2,160) |
| サイズ | 681.3mm×423.8mm×44.0mm |
| 重量 | 7kg |
| 作業エリア | 596.7×335.7mm |
| タイプ | LCD |
| アスペクト比 | 16:9 |
| フルラミネーション | あり |
| 視野角 | 178° |
| 輝度(標準) | 350nit |
| 色域カバー率(標準) | 99% sRGB、99% Adobe RGB、97% DCI-P3 |
| 色域体積 | sRGB 149%、Adobe RGB 110%、Display P3 110% |
| 表示色数 | 10.7 億色 |
| 読取高さ | 10mm(中央部) |
| 応答速度 | 5ms |
| タッチスクリーン | 10 本指マルチタッチ、アンチグレアガラス、指紋防止コーティング |
| 精度 | ±0.4mm(中央) |
| 搭載ポート | フル機能対応 USB-C×1、DisplayPort×1、HDMI×1、3.5mmオーディオ出力端子、DC ポート x 1 |
□Amazonの「Artist Pro 27 (Gen 2)液晶ペンタブレット」商品ページ
作業スペースが約27インチで、その上下左右にベゼルがあるので、本体はかなり大型で、プロフェッショナル用途を前提としたサイズ感だ。表面下部にはXPPenのロゴが入っている。タブレット部分は、熱を上に逃がす構造になっている。上部の右側には電源スイッチと輝度の調整ボタン、マルチタッチをオンオフするためのスイッチが付いている。
背面のスタンドは上にあるレバーを押しながら動かすと高さを変えることができる。シームレスではなく、何段階かに分かれている。垂直に近い角度にもなるので、普段は普通のモニターとして使用しつつ、必要に応じて角度を変えて液晶タブレットにするという使い方もできる。背後のレバーは大きめに作ってあり、手探りでも操作しやすい構造になっている。
ケーブル類のポートは背面から見て左側に集められている。上から3.5mmオーディオ、フル機能対応USB Type-C、DisplayPort、HDMI、電源の各ポートとなっている。ケーブルを隠すためのカバーが付いている。配線が終わった状態でカバーをすると、ポートが見えなくなる。
カバーを付けると背面は非常にすっきりする。カバーは本体にプラスチックの爪をひっかけて固定するようになっているのだが、この爪や突起の数が多くて固定するのに少々苦労した。正直いうと、見えない場所なのでなくても問題ないのではないかと感じた。今回全体としては大変満足しているのだが、この1カ所だけは改善して欲しいところだ。
上部にはペンホルダーを取り付けるための穴がある。本機には「X3 Pro スマートチップペン」と「X3 Pro スリムペン」の2種類のスタイラスペンが付属しているが、その両方を収納できるようペンホルダーもサイズの違う2種類を2カ所に装着できるようになっている。
付属品として、上記の2種類のスタイラスペンとペンを収納するためのボックスと後述する左手用デバイス「ワイヤレスショートカットリモート」、各種ケーブルなどが付属している。ペンを収納するボックス内には2種類の替え芯が各4本ずつと、替え芯を取り換えるための金具、左手デバイス用のBluetoothレシーバーが付いている。さらにボックス内に収納されているのとは別に、2種類の替え芯が各10本ずつ別に封入されていた。
ケーブルは電源に加えて、USB-C to USB-A、DisplayPort、USB-C to USB-C、ウルトラハイスピードHDMIが各1本ずつ同梱されている。さらにクリーニングクロス、右手用のグローブもついている。
設定やペンのキャリブレーションはドライバで
接続が終わったらまずはXPPenのホームページからドライバや必要なアプリをダウンロードする。対応しているプラットフォームはmacOS 12以降、Windows7/8/10/11、Windows ARM、Android 10.0以降(USB3.1/DP 1.2必須)、ChromeOS 88以降、Linux(タッチ機能はUbuntu 20.04 LTS以降のみ対応)となっている。タブレットの各種設定やキャリブレーションはこのドライバを通じて行なう。
マルチディスプレイ環境の場合、タブレットにどの画面を反映させるか画面のどのエリアを描画エリアにするかといったエリア設定や、輝度や色味、カラープロファイルの切り替え、ペンの感度設定や左手デバイスのボタンをカスタマイズすることができる。
特に最初に使う時に重要なのがペンのキャリブレーションだ。何もせずに使っていてもざっくり動かしている間は気にならないが、細かい部分を描こうとしたときにカーソルとペン先の間の隙間が気になり始める。
ペンのキャリブレーションはタブレット設定のトップ画面左上にあるアイコンから起動することができる。5カ所に赤い十字マークが表示されるので、それを順番にペンで押していく。
新しいエッチングガラスがもたらす色再現性と描き心地の両立
本機は4K Ultra HD解像度で、ディテールまで緻密に表現された画面で作業することができる。色域のカバー率は、Adobe RGB、sRGBが99%、Display P3が97%となっており、10億7,000万色の色域で欲しい色を正確に再現する。
表面には光透過率を従来機種から約30%向上させた新世代のエッチングガラスが使用されており、明るくクリアな視認性と、ペンが滑りすぎず引っ掛かり過ぎないという絶妙な感触を実現している。色味はもちろん、例えば長髪のような長いストロークを描く時や、大きな動きで面を塗っていく時などに、ペン先が滑らないかつ適度な抵抗感があるこのガラスは使い心地がよく、制作に没入することができた。
色の調整には、専用アプリ「XPPen ColorMaster」がmacOSとWindows用に用意されている。このソフトを使うことで、sRGB、Adobe RGB、P3それぞれに合わせた適切な色味に自動的に設定される。さらに市販のカラーメーターがあれば、カラーメーターを使って自分の部屋環境に合わせたキャリブレーションを行うことができる。以下のメーカーと製品のカラーメーターが対応している。
・Portrait Displays:C6 HDR2000, C6 HDR5000
・X-Rite:i1Display Pro/Plus
・Klein Instruments:K10
・Calibrite: ColorChecker Display Pro/Plus (HL)
またこれまで高リフレッシュレートのモニターを使っていなかった場合には、ディスプレイのリフレッシュレート設定に注意してほしい。本機種は120Hzのリフレッシュレートに対応しており、素早いストロークでもアイコンが滑らかに追尾してくれる。だが、WindowsではPC側の設定にある「ディスプレイの詳細設定」から120Hzを手動で選択する必要がある。
リフレッシュレートを高くするとそれだけ必要となるスペックは上がるので、自分の環境に合わせたリフレッシュレートを選んでほしい。
120Hzが生み出す滑らかな描き心地
さて、ここからは実際の使用感についてもっと深掘りしていきたい。前述した通りPCのスペックさえあれば120Hzの滑らかな表示で描くことができる。エントリー向けの液晶ペンタブレットで素早いストロークを繰り返す際、カーソルがペンのスピードにおいつけずに、描いた軌跡を追うことなく突然ラインが描画され、「なんだか違う」と描き直した経験はないだろうか?
最近のハイエンド液晶ペンタブレットでは、120Hz以上のリフレッシュレートに対応する製品が増えている。120Hzでは1秒間に画面が120回更新される。そのぶん、ペンの動きが細かく画面に反映されて、線の表示が遅れたり、手の動きとずれるといったことが減る。それだけ正確な作画が可能になる。
特に曲線を描く時にその効果を実感できる。ストロークの早いラフスケッチでも、紙に書いているのと同じスピードで線が追いついてくれる。画面のちらつきも軽減されるため、目の負担が軽くなり目が疲れにくくなるというメリットもある。
制作効率を高めるマルチタッチ操作とカスタマイズ機能
カスタマイズ可能な多彩なマルチタッチに対応しているのも、本機種の特徴だ。本製品にはデフォルト、スタンダード、カスタムという3種類のタッチエリアが用意されている。デフォルトは画面全体がタッチ可能エリアになる。スタンダードは画面上のフローティングメニューのみタッチ入力が可能になるモード。タッチは指でボタンを押すことに使用する。カスタムは、自分で設定したカスタム領域でのタッチ入力を有効にする。
ジェスチャーは、指1本または2本を使う「基本ジェスチャー」と、複数の指を使う「高度ジェスチャー」を選択できる。指で拡大縮小、回転、ドラッグ、右クリックなどを行えるので、より直感的な作業が可能になる。
タッチ機能は右上のボタンで簡単にオンオフが可能なので、ファイル整理や資料探しをするときには基本ジェスチャーで、絵を描く時にはマルチタッチでズームや回転しながら描くということが非常に容易に可能になる。
高性能な2種類のスタイラスペンは用途に合わせて使い分け
付属している2種のスタイラスペンは、従来の約2倍となる16,384段階の高い筆圧感度を実現した最新のスタイラスペン。どのくらい力を加えると線を描き始めるかという尺度である「ON荷重」は3gとかなり軽く、力を入れずに軽いタッチで描きたいときなどに、かすかな力でもきちんと反応してくれる。
沈み込みは0.6mm、傾き検知は60°でどちらも現在のハイエンドでは標準となっている品質を満たしている。
「X3 Pro スマートチップスタイラス」はグリップが太く握りやすいペン。2つのショートカットボタンと、消しゴム機能が付いている。ペン軸はプラスチックとフェルト軸の2種類。太めのペン軸で、大きな面積を描画する時や、ゆっくりとペンを動かして描きたい時に向いていた。
もう一方の「X3 Proスリムペン」は重量が10gと軽く、細身のペン。ショートカットボタン部分は、ボタンなしカバーに付け替えることもできる。消しゴムはついていないが、替わりに軸の中に4本の替え芯を収納することができる。ペン軸は細身で小さなプラスチック軸。シャープペンシルに近い感覚で、表情や細かい装飾など、繊細な作業に向いていた。
左手デバイス「ワイヤレスショートカットリモート」
左手デバイスの「ワイヤレスショートカットリモート」は10のボタンとメカニカルホイールに好きな機能を割り当てて使うことができる。Bluetooth接続とUSB接続に対応している。もし使用しているPCにBluetoothがなくても、付属している専用のレシーバーで接続できる。
電源はバッテリーで、最大充電で300時間の連続使用が可能。小型で軽量なので画面の上に置いても邪魔にならず、好きな方向に向けて好きな位置で使うことができる。
今回使用したCLIP STUDIOではメカニカルホイールは初期設定で、ズーム、回転、ブラシサイズ、スクロールに対応していた。中央のボタンを押すと、画面下に登録しているメニューが表示されるので、ボタンを何度か押して希望のメニューを選んでからメカニカルホイールで操作する。マルチタッチと組み合わせることで、マウスやキーボードショートカットを使わなくても、様々な操作が可能になる。
本格的な制作環境を求めるユーザーに最適な1台
今回はテストを兼ねて約5時間ほどかけて、あまり目的のないお絵描きを楽しんだ。指で拡大縮小、回転しながら、よく使う機能は左手デバイスに登録しておき、ホイールはブラシサイズに使用することで、右手はひたすらペンを持つ手に集中することができた。
液晶のサイズが大きいため、机の上で描く時と同じように絵に没入して描き進めることができるのは、個人的に非常に高得点ポイントだ。ちなみに、全画面マルチタッチ操作をオンにしている時には、感度よく反応するのでグローブが必須となる。気になる場合は操作するエリアを設定するなど、カスタマイズが必要になるだろう。
26.9インチというサイズにはA3サイズの作品をほぼ原寸大で見ることができるという大きな利点がある。デジタルイラストは大きく拡大できるので、ついつい細部にばかり目が行きがちだ。だが全体を、実際に印刷するサイズで確認するのは、バランスを見るうえで非常に重要だ。プリントアウトしなくても画面上でも原寸大で確認できるのは大きなメリットだ。
今回テストしてみて、デバイスのキャリブレーションボタンが時々なくなるバグが発生したりと、気になる場所がなかったわけではない。だが、これは将来のアップデートで解決するだろう。
時間を忘れて没頭し、ひたすらに絵と向き合えるのは仕事用のデバイスとして優れている証だといえるだろう。使えば、XPPenというブランドの印象が変わることは間違いない。仕事用や本気の液晶タブレット環境を構築しようと考えているなら、ぜひ「Artist Pro 27 (Gen 2)」も候補の1つとして検討してみてほしい。


































![COMIC快楽天 2026年 05月号 [雑誌] 製品画像:4位](https://m.media-amazon.com/images/I/51Kha5TfbxL._SL160_.jpg)
![ヤングマガジン 2026年19号 [2026年4月6日発売] [雑誌] 製品画像:5位](https://m.media-amazon.com/images/I/514df-aR23L._SL160_.jpg)


![週刊少年マガジン 2026年18号[2026年4月1日発売] [雑誌] 製品画像:8位](https://m.media-amazon.com/images/I/61k9G-mTpJL._SL160_.jpg)

![週刊ビッグコミックスピリッツ 2026年19号【デジタル版限定グラビア増量「新谷あやか」】(2026年4月6日発売号) [雑誌] 製品画像:10位](https://m.media-amazon.com/images/I/5141fns0VUL._SL160_.jpg)





























