特別企画
遂に反撃が始まる──! アニメ「リゼロ」第3期・反撃編の放送前にあらすじと魅力を総復習
話題作だが脱落する人が多い理由にも迫る
2025年2月5日 00:00
- 【「Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season」反撃編】
- 2月5日 放送開始
- 放送局:TOKYO MX、AT-X、BS11ほか
TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」は、異世界に召喚された主人公が終わりのない死の運命に翻弄されながらも、大切な人々を救うために立ち上がる物語だ。
この記事では本日2月5日より放送開始となる第3期「反撃編」を前に、アニメ第1期から第3期「襲撃編」までのあらすじを簡単にまとめている。……のだが、先に「反撃編」について紹介したい。
本作を知らない方、第2期や第3期1話で「見ていられない」と見るのを止めてしまった方、話が難しく脱落してしまった方にこそ「反撃編」はオススメだ。この先のWEB版(原作)も読んでいる筆者の目線からあらすじと魅力を紹介したい。
もちろん、本作はアニメ第1期から順番に見ていくのが一番楽しめる。だが、「反撃編」はライトノベル版18巻の後半以降となり、マンガ版(コミカライズ版)も「反撃編」まで進んでいないため、今から追いかけるには億劫に感じる方も多いはず。ならばいっそ、アニメの「反撃編」から入るのは“アリ”だろう。今更と思っていた方も「反撃編」を見れば、第1期に興味を持つこと間違いなしだ。
「リゼロ」を知らずに「反撃編」を見るための、最低限の知識
本作のジャンルは「異世界転移」で「ループもの」となる。歩いているうちにいつの間にか異世界にいた主人公ナツキ・スバルは、時間を巻き戻す特殊な能力「死に戻り」を持つが、能力発動の条件が自身の死であることや、戻る時間先の「セーブポイント」の更新タイミングが不明であることから、決して「チート系」ではない。また、スバル自身も好きな女の子に格好良く思われるために立っている凡人であり、死の焦りから空回りな言動を繰り返すシーンが多い。
本作はイベントごとに章で区切られ、その章もおおよそ前後半に分けられる。前半では、とにかくスバルの心が折れるシーンが続くが、限界間近になると仲間に支えられて再び立ち上がる。後半では、仲間と協力しあって目的を果たす。アニメで脱落する原因のひとつには、この前半のつらさが含まれる。
だが、第3期の前半パート「襲撃編」は既に終わり、つらい部分は乗り越えた。「反撃編」は、待ちに待った章の後半だ。反撃の文字に偽りなく物語の解決編であり、繰り返した命の数だけ苦しんだスバルが最善と信じる道を駆け抜けるパートに入る。
そんな「反撃編」を見るために把握しておくべきことは5点だけだ。
・ 主人公陣営を含む5陣営が滞在していた水門都市に、突如敵勢力が襲撃。
・ 都市は瞬く間に制圧され、都市の住人だけでなく街そのものが人質となる。
・ 襲撃してきた敵将は4人で、都市開放の条件にそれぞれが好き勝手な要求を突きつける。
・ 戦力も士気も著しく低下し、5陣営は共同戦線を張ることに。
・ 敵将の1人にヒロインがさらわれた主人公は、ヒロイン奪還のために立ち上がる。
敵からの要求内容や陣営内外の関係性など詳しく説明すべき部分はあるが、これだけ押さえておけば「反撃編」を見る土台は完成だ。関係性などはアニメを見ながらでも、おおよそ推測できる範囲だろう。
ここまで読んで「反撃編」に興味を持った方には、アニメお試しとして第3期57話「最も新しい英雄と最も古い英雄」を見てほしい。第3期「襲撃編」は51話から58話の8話構成で「襲撃編」の最後から2話ではあるが、この話で既に反撃の狼煙を上げている。面白そうと感じたら58話「いつか好きになる人」を経由して、もうすぐ始まる「反撃編」入りした方が、より楽しめるはずだ。
?3rd season名シーン紹介?
— 『Re:ゼロから始める異世界生活』公式 (@Rezero_official)January 26, 2025
TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」
第57話「最も新しい英雄と最も古い英雄』
名シーンをご紹介?
『ラインハルト・ヴァン・アストレア
遅ればせながら、合流する。』#リゼロ#rezero
▼是非ご覧ください▼pic.twitter.com/GWWCI0531N
では、改めて「Re:ゼロから始める異世界生活」について簡単に紹介していこう。
アニメはライトノベル版に忠実
「リゼロ」は「Re:ゼロから始める異世界生活」の略称である。正式なタイトルを知らなくとも略称を知っている方は多く、いかに話題に上るかが窺える。
アニメの原作は、2012年4月より小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載が始まった、いわゆる「なろう小説」だ。2年後の2014年1月には書籍化もされ、シリーズ累計発行部数が1,300万部を突破するほどの人気っぷりだ(2023年7月時点)。原作者は長月達平氏であり、本作が彼の商業デビュー作となる。
□「小説家になろう」の「Re:ゼロから始める異世界生活」のページ
現在も「小説家になろう」にて更新を続けており、こちらはWEB版と呼ばれる。WEB版を改稿したライトノベル版は文章の読みやすさやリズム感を重視し、描写や会話が細かい部分で変更されているが、大筋に変わりはない。アニメやコミカライズは、このライトノベル版が基盤となる。
また、マンガ版の作画担当者は章ごとに違うが、これ自体は長編「なろう小説」のコミカライズではたまに見かける例だ。各章のコミカライズが完結している・していないに拘わらず段階的に連載を開始しているため、複数の作画担当者が存在する。「リゼロ」も「反撃編」のアニメ放送が開始した今でも、アニメ第2期の内容である4章のコミカライズは完結していないまま、アニメ第3期である5章のコミカライズが連載されている(1章~3章は完結済み)。
繰り返す時を刻む悲劇を 抱いてまた始めよう――本編序盤のストーリーを紹介
ここからは物語本編について触れていく。前述の通り、主人公は突如異世界へと召喚されたナツキ・スバル。この「召喚」という言葉は原作者やスバルが使用しているものだが、スバルの周囲に召喚者の姿は見えず、単身での異世界スタートとなった。
ファンタジーの世界に目を輝かせていたスバルだが、散策早々にチンピラに叩きのめされる。その窮地をハーフエルフの銀髪少女・エミリアに救われ、恩返しさせてほしいと願い出た。スバルは彼女の探し物を手伝うことになったが、その途中でエミリアと共に何者かによって殺されてしまう。
目を覚ますと、スバルは死んだ記憶を持ったまま、異世界召喚直後の時間に戻っていた。それから何度目かの死の運命を繰り返しているうちに、自身の死をきっかけに時間が巻き戻る「死に戻り」能力が宿っていることに気付く。そうして、自分だけが持つ未来の記憶を頼りに、エミリアや他のループ上で出会った人々が生き残れる道を見つけ、エミリアの探し物が無事に彼女の手元に戻ってくる状況にこぎ着けた末に、ようやく死の運命からの脱出を果たす。
・ ナツキ・スバル
本作の主人公。度胸はあるが身体的な強さはない、一般的な日本人の少年。いきなり異世界に召喚され、命の危機に見舞われていたところをエミリアに助けられ、好意を抱く。以後、彼女の笑顔を守るために奮闘することとなるが、「死に戻り」によりエミリアがスバルを助けた出来事がなくなっており、エミリアにはその記憶はない。
・ エミリア
本作のヒロイン。人間とエルフの間に生まれた、銀髪のハーフエルフ。大精霊のパックや微精霊と契約している精霊術師であり、魔法を使える。人々に恐れられる「嫉妬の魔女」と瓜二つの外見のため、周囲からは差別を受けてきたが、困っている人は見過ごせない。精神年齢は見た目より幼く、少々天然気味。
・ パック
エミリアと契約している精霊。火を司る大精霊で、見た目は灰色の猫。エミリアを娘のように思っている。顕現中はマナを消費するため、普段はエミリアの持つ結晶石の中で休んでいる。
先の戦闘で倒れたスバルは、エミリアの住むメイザース辺境伯・ロズワールの屋敷で目を覚ます。スバルはロズワールから、自分が召喚された国・ルグニカ王国の国王が半年前に流行病で亡くなったことや、エミリアが国王候補者であることを聞く。また、エミリアの探し物が王選参加者の証・徽章であったことも知り、エミリアが徽章を紛失した事実を黙っている代わりに、ロズワールの屋敷での雇用を要求。雇用動機として「超好みの美少女と一つ屋根の下生活!」とまで宣言し、ロズワールは承諾した。
メイドの姉妹・レムとラムの下につき、使用人として働き出すスバル。ふたりに叱られつつも順調に使用人生活を過ごし、三日後にはエミリアとデートの約束も取り付ける。しかし、目を覚ましても約束の日は訪れず、屋敷で意識を取り戻した日の朝に時間が戻っていた。
混乱するスバルだったが、屋敷の禁書庫の司書・ベアトリスとの会話から「死に戻り」のタイミングを整理する。「死に戻り」先の「セーブポイント」が知らぬ間に更新されていたことを気にしつつも、ループを繰り返しながら自身の死因を調べ、死の要因を取り除くことに成功する。
・ ロズワール・L・メイザース
道化師のような外見をした宮廷筆頭魔術師で「魔導の加護」を持つ。変わり者として知られ、銀髪のハーフエルフであるエミリアの後ろ盾をしている貴族。
・ ベアトリス
ロズワールの屋敷にある禁書庫の司書。見た目は幼い少女だが、その正体は人工精霊。パックを「にーちゃ」と呼び、ロズワールを除いて他者の名前を呼ぶことを避ける。典型的なツンデレであり、さみしがり屋。「扉渡り」の能力を持ち、屋敷内の部屋の扉を自由に移動する。
・ レム
ロズワール邸で働く、双子のメイドの妹。鬼族の生き残りであり、青髪が特徴。鬼族のため人間と比べると身体能力は高く、怪力。ロズワールから贈られたモーニングスターをメイン武器として使う。当初はスバルを警戒していたが、騒動の中でスバルに恋心を抱くようになる。また、彼女が本作のタイトル「Re:ゼロから始める異世界生活」に繋がる台詞をスバルに語る。アニメ第1期18話「ゼロから」がその部分に当たり、レムファンには神回として人気がある。
・ ラム
レム同様にロズワール邸のメイドであり、レムの姉。妹のレムとは違い、桃髪。鬼族の中でも神童と呼ばれるほどの力を持つが、魔女教に角を折られた過去があり、鬼族の能力を発揮できるほどの体力はない。
どうにか生き延びたスバルだが、呪いのせいで体内の「マナ」の流れが澱んでしまう。その治療のため、王選開始の式典に参加するエミリアとレムを共に王都へ向かうことに。しかし、スバルはエミリアに止められていた式典に乱入し、他の王選候補者の騎士と私闘を行なったため、エミリアはスバルを信用できなくなっていた。精霊術師のエミリアにとって、約束はスバルが想像する以上に大切なものだった。そうして、エミリアはスバルとの別れを決意し、レムにスバルを任せてロズワール邸へと戻る。
その後、スバルとレムは治療の名目で王都に残っていたが、「嫉妬の魔女」を崇拝する狂信者の集団・魔女教の脅威がロズワール領に迫っていることに気付く。エミリアやロズワール領の民を救うべく動き出したが、魔女教や魔獣・白鯨の襲撃により死んでしまう。
エミリアとの決別後に「セーブポイント」が更新されていたが、スバルはそこから慌てて他の王選候補者に協力を仰ぐもすべて断られる。死を繰り返したところで打開策は見付からずに自棄になったものの、無条件にスバルを信じると言い切ったレムに支えられて再び立ち上がる。今までのループから得た情報を利用し、どうにか他の王選候補者ふたりの協力を得て敵勢力に挑む。
エミリアの知らぬ間に、他の候補者と共に魔女教の大罪司教・怠惰担当ペテルギウスと白鯨を討伐したスバル。周囲からスバルの話を聞いたエミリアは傷だらけのスバルに献身の理由を尋ね、スバルはエミリアに告白する。ようやく、ふたりは和解した。だが、それは新たな波乱の幕開けだった。
避難していたロズワール領の民と共に帰還する中、スバルが会話の中でレムの名前を出すと、エミリアは「レムって誰のこと?」と問う。白鯨の吐く「消滅の霧」を思い出したスバル。その霧に飲まれた者は世界から存在が抹消され、人々の記憶から忘れ去れてしまう。すぐに「死に戻り」を試したが「セーブポイント」は襲撃後に更新されており、スバル以外の記憶からレムの存在が忘れ去れたままだった。
白鯨討伐後、一足先に王都への帰路に就いていたレムたちは、他の大罪司教の襲撃を受けていたのだ。昏睡状態となりベッドで眠るレムを前に、彼女の存在を取り戻すべく、魔女教大罪司教・暴食担当を倒すことを決意する。だが、暴食担当と出会えないまま、またひとつの騒動を乗り越え、スバルは正式にエミリアの騎士に選ばれる。
それから1年後、エミリア含む王選候補者たちは、水門都市プリステラで会合を行なっていた。そこに、残りの大罪司教が襲来する。レムの存在を奪った暴食担当の姿もあった。
このあらすじの大部分はアニメ第1期の内容だ。これだけでもスバルが相当な回数ループしていることがわかるだろう。スバルしか覚えていない記憶も多く、何度目かの初めましての相手に不信感を持たれることも多い。特に、エミリアとの本当の出会いが消えてしまったために起こるすれ違いは、筆者にとっても「やるせない」以外の言葉が見付からない。エミリアに恩返しをしたいと思うスバルの気持ちも、自分ばかりが助けられていることに苦しさを感じるエミリアの気持ちも、それぞれが持っておかしくないものだ。死の回数だけずれていく互いの感情の溝は決して埋まらない。
だが、その決定的な溝を放置しないところが、筆者が本作を好きな理由だ。ここで例の「レムファンにとっての神回」が入るのだ。正直、ここでレムがスバルを支えてくれなければ、筆者は本作をそれ以上読み進められなかった。少なくとも筆者には、読む辛さをゼロにするだけの効果が、あの瞬間のレムにはあった。
スバルは他者に「死に戻り」を伝えることができない。ならば、スバルを理解できないエミリアを、スバルが理解し、自分でしょうがないことだと折り合いをつけるしかない。相互理解がなく、恩を理由に押しつける厚意が愛だと納得できる関係は、スバルとエミリアの間に構築されていないためだ。このふたりは先に相互理解が成り立った上で、築いた信頼の形を愛と呼ぶタイプなのだろうと、筆者は思う。
だが、それでは本来スバルの精神が摩耗するはずだ。ご都合主義であれば、多くの試練を乗り越える度に勝手に溝が塞がり、互いに理解し合うものだが、本作はそうならない。代わりに、レムが登場する。レムがどのようにしてスバルを支えるのか、こればかりは筆者が説明するよりも例の神回を見た方が早い。是非、第1期18話「ゼロから」を見てほしい。
ともかく、レム効果で読んだ先は、前半パートのつらさを価値あるものへと昇華させてくれた。筆者はこれ以降、前半パートのつらさに動じなくなった。筆者がそうなのだから、レムの隣に立つスバルが立てないはずがない。無条件でそう信じられる本作を、筆者はこれからも追っていくに違いない。
アニメならではの見所は、大罪司教担当声優の怪演!
第1期に登場する魔女教の大罪司教・怠惰担当のペテルギウスを筆頭に、大罪司教は全員個性が強い。互いに仲間意識などはなく、各々が身勝手に行動している。
・ ペテルギウス・ロマネコンティ
大罪司教・怠惰担当。特定の人物の体を乗っ取る能力を持つ。嫉妬の魔女・サテラの狂信者であり、魔女教創設者のひとり。魔女の寵愛に応えることを悦びとし、百年以上生きている。サテラと似ているエミリアを、サテラが顕現するための器として捉えており、度々エミリアを狙う。原作者によると、大罪司教の中では一番マシであるらしい。
声優は「ソードアート・オンライン」キリト役や「鬼滅の刃」嘴平伊之助役で知られる松岡禎丞さんであり、初登場当時から彼の怪演は話題になっていた。また、ペテルギウスの特殊能力により体を乗っ取られたキャラは、その怪演を真似することになる。
・ レグルス・コルニアス
大罪司教・強欲担当。自己愛にまみれた自己顕示欲の権化であり、自身の言動を正当化するための中身のない持論を長々と展開する。自らを平和主義だと言っているが、気にくわないことがあると、権利を侵害されたと言いがかりをつけてその対象を殺害する。今までに291人の妻を娶っているが全員に無表情でいることを強い、妻を番号で呼ぶ。なお、291人中238人は既に死亡しており、現在残っているのは53人だけ。妻に選ぶ基準は、可愛い顔の処女であること。当然、結婚も合意ではなく、恐怖によるもの。
声優は「新世紀エヴァンゲリオン」渚カヲル役や「機動戦士ガンダムSEED」アスラン・ザラ役で知られる石田彰さん。視聴者を不快にさせるほどの中身のない長いセリフを、原作よりも大物感たっぷりに読み上げる。なお、アニメ版での彼のセリフはどれも長く変態臭がするが、原作に比べると些細なものである。
・ シリウス・ロマネコンティ
大罪司教・憤怒担当。人間の感情や外傷を共有でき、自身の感情の共有で他者を洗脳する能力を持つ。皆がひとつになって、この世が他者への思いやりに溢れた世界になるべきだと主張しているものの、自分以外を尊重する気は一切ない。大罪司教の中では大人しい方だが、一度姿を現せば大量虐殺の舞台が完成する。
怠惰担当のペテルギウスの妻を名乗っているが、実際はほとんど会話をしたことはなく、彼女が名乗るロマネコンティの家名も自称である。大罪司教であるにも拘わらず、ペテルギウスが寵愛した嫉妬の魔女・サテラへ憎悪を向けている。サテラと似ているエミリアにも同様の憎悪を抱く。
声優は「響け!ユーフォニアム」高坂麗奈役や「リコリス・リコイル」錦木千束役で知られる安済知佳さん。「ありがと、ごめんね?」が口癖であるシリウスもまた、大罪司教らしく一方的な長いセリフを使う。他者の意見を一切聞く気がないとわかる言葉の紡ぎ方は、視聴者から「怪演が光る」と評された。
・ カペラ・エメラダ・ルグニカ
大罪司教・色欲担当。自身や他者を様々な姿に変身させる能力を持つ。他者を「クズ肉」と呼び、この世の愛と尊厳は自分に独占されるためだけにあると豪語する。愛は見た目の美しさがすべてだと考えており、自分の容姿を愛さない者たちをハエの姿に変える。これは恐怖で同意を強いるためではなく、自分以外の容姿を醜悪なものにすることで自身以外の存在を認められないようにするためである。原作者によると、大罪司教の中で一番のクズ。
声優は「魔法少女まどか☆マギカ」鹿目まどか役や「薬屋のひとりごと」猫猫役で知られる悠木碧さん。WEB版やライトノベル版の読者からはカペラの暴言が地上波でどうなるのかと不安視されていたものの、既に放送されたアニメでは暴言の表現が抑えられていた。……にも拘わらず、悠木碧さんの快演(怪演ではない)によってカペラ推しとなった視聴者が続出した。
・ ライ・バテンカイトス
大罪司教・暴食担当。人の「名前」や「記憶」を〝喰らう〟能力を持つ。1つの体に3人分の人格が存在する大罪司教。相手の「名前」を喰われると周囲からその人物に関する記憶が消え、「記憶」を喰われると喰われた本人は記憶を失う。両方を喰われるとそのどちらも失い、昏睡状態となる。レムは「名前」と「記憶」の両方を喰われた状態である。また、前述した白鯨を使役しており、再び生み出すことも可能。
3人格中2人格の声優は「3月のライオン」桐山零役や「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」三日月・オーガス役で知られる河西健吾さん。残る1人は女性の人格であり、アニメの登場待ちだ。アニメ登場回数はあるが、既に2人格を演じ分けている。今後に期待したい。
注目要素は反撃に転じるスバルの戦い! 期待十分なアニメ「反撃編」
放送を控える「Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season 反撃編」は文字通り反撃パートだ。前述の通り、ライトノベル版は既に連載済みでマンガ版は「反撃編」まで進んでいない形となっている。
「反撃編」はいよいよ、強欲担当レグルスに攫われたエミリアの救出劇が始まり、水門都市プリステラの奪還を目指していく。大罪司教のセリフは、豪華声優陣により紙面で見る以上にいい意味で“イラッ”とさせられるかもしれないが、「襲撃編」以上の“イラッ”は絶対にないだろう。
また、アニメの第1期から第3期の中では、第3期が一番死に戻りの回数が少ない。決して多くはない情報を武器に一発勝負に挑むスバル。試練の数、死の数だけ確実に成長したスバルに、期待して損はない。
そして、戦闘シーンにも注目してほしい。「襲撃編」では大罪司教に蹂躙されるばかりで主人公陣営は手の足も出ず、せっかくの戦闘シーンがあっという間に終わってしまった。だが、「反撃編」では対策も十分。見応えあるアクションを期待できる。筆者は特に、色欲担当カペラとの戦闘を楽しみにしている。カペラはTV放送用にか、若干マイルドなセリフ・露出をやや減らした衣装になっていたが、その分、カペラの登場シーンは制作者側の力の入れようが窺えるほどに作画がいい。この作画で戦闘シーンがどうなるのか、期待するなという方が無理だろう。
ライトノベル版やマンガ版しか読んでいない方にも、アニメ版「リゼロ」も強くオススメしたい。大罪司教とスバルたちの戦いは、まもなく再開する。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活3製作委員会