特別企画

御無礼・御無礼・御無礼!「むこうぶち」連載25周年を記念した原画展フォトレポート

三省堂書店で貴重な生原稿や傀の等身大ポスター、モザイクアートなどを展示

【「高レート裏麻雀列伝 むこうぶち」連載25周年記念原画展】

開催店舗:三省堂書店有楽町店/三省堂書店名古屋本店

開催期間:9月13日~10月14日

入場料:無料

 9月13日より10月14日にかけて、三省堂書店の有楽町店/名古屋本店にて「高レート裏麻雀列伝 むこうぶち」の連載25周年を記念した原画展が開催中だ。

 「むこうぶち」は漫画家・天獅子悦也氏の代表作で、好景気の極みであるバブル経済がピークに達した1980年代の東京を舞台に、その裏で金を賭けた麻雀──高レート麻雀に興じる人々と、その勝負にかけるドラマを描く作品。本名をはじめ一切の素性が不明な主人公・傀が獲物に喰らいつく際に放つ「御無礼」というセリフが本作の代名詞となっている。本記事では、読書アンケートを元に選ばれたエピソードの生原稿や傀の等身大ポスター、迫力満点のモザイクアートなどが展示された有楽町店の模様をフォトレポートでお届けする。

鬼と呼ばれる男・傀の刺すような眼差しが全身に降りそそぐ!

 東京会場となる三省堂書店有楽町店では、1階から2階へと続く階段の踊り場が展示スペースとなっている。まず目に飛び込んでくるのは、正面に大きく配置されたモザイクアート。連載25周年という歴史のなかで刊行されてきた単行本の表紙を用いて、精悍な顔つきの傀が表現されている。こうして壁一面に拡大されると、特徴的な髪型のディテールや顔の陰影、躍動感のある手の指先に至るまで描き込まれた情報量をひしひしと感じることができる。そのすぐ下に目をやると、第1巻から最新第62巻までのコミックスがずらりと並んでおり、その光景は壮観だ。

 モザイクアートは右手側にも展示されており、3パターンで「御無礼」している傀を見ることができる。蛇のような目つきで獲物を仕留める、勝負師・傀の表情を堪能してほしい。そのすぐ横には、本原画展の見どころのひとつである傀の等身大ポスターが掲示。思わず背くらべしたくなるポスターの右上には、天獅子悦也氏の直筆サインも書き込まれている。

 踊り場の左側面には、第62巻の表紙を飾ったイラストのカラー原稿や、読書アンケートによって選ばれた第471話「バブルの終わり・1」の生原稿が展示されている。本作は現在も竹書房の「近代麻雀」にて連載中であるが、バブル経済下の東京を舞台として物語を展開してきた関係上、タイトルにある通りバブルの終わりを描いた一連のエピソードは事実上の最終回との呼び声も高い。それほど読者の胸に深く突き刺さったエピソードが選ばれたのは、多くのファンにとっても納得の結果だろう。作中でも特大のクライマックスに向かっていく熱が込められた原稿を、生で見ることができる機会は非常に貴重だ。よく見ると吹き出しのフチが修正液で整えられているのも味がある。

 原画展ではイベント特典として、25周年イラストを使用したポストカードが来場者に配られるほか、期間中に新刊および関連書籍を購入すると全4種のステッカーをプレゼント。また現在、作品に登場できる権利が抽選で3名に当たるキャンペーンを展開中の「むこうぶち」だが、通常応募券は最新62巻のみに封入されているところ、三省堂書店の有楽町店・名古屋本店限定で1巻から61巻にもついてくる。既刊まとめ買いを予定している方は、原画展へと足を運んでみてはいかがだろうか。