特別企画

【今日の読み切り】「こここことばは籠の中」

ありのままの自分で生きることの素晴らしさを描く青春ストーリー

【こここことばは籠の中】

著者:鳥羽瀬七

講談社

 吃音に悩む高校生・瀬川は、いじめられないようにと声が出せないフリをして学校生活を送っていた。ある日の昼休み、こっそり歌を歌っているところを同じクラスの中心人物、神代(かみしろ)さんに見つかってしまう。

 本作「こここことばは籠の中」は、鳥羽瀬七氏の短編マンガで、2024年前期・第85回ちばてつや賞一般部門にて大賞を受賞した作品。7月25日よりWebアプリ「コミックDAYS」で配信されている。

 瀬川は、歌を歌っている時だけは、詰まることなく言葉が出てくる。こっそりと歌を歌っているところを見つけたのは、アルビノの神代さんだった。

 瀬川にとって、集団に同調するために本当の自分を隠して生活することは、自分を守るための手段であるはずだった。だが、周囲との差を隠すことのない神代さんの生きざまをみて、次第に今の生き方に息苦しさを感じていることに気づく。

 本作では、自分の本来の姿を隠して暮らす瀬川と、クラスの中心人物でもある神代さんが出会い、会話を重ねるごとに、自分らしく生きることの自由さに気づいていく。思春期のなつかしさを思い出させるような、爽やかな読了感を味わえる。

□「コミックDAYS:こここことばは籠の中」のページ

【あらすじ】

吃音に悩む高校生・瀬川。彼はいじめられないように「声が出せないフリ」をして学校生活を送っていた。しかしある日の昼休み、こっそり歌を歌っているところを同じクラスの神代(かみしろ)さんに見つかってしまう。アルビノという個性をもつ彼女と話すうちに、瀬川の心にある変化が生まれていくが……。