特別企画

【今日の読み切り】「介子」

介子は妖怪との共存を望みながら、妖怪退治の日々を送る

【介子】

著者:吉藤里

集英社

 封建時代の日本。妖怪退治をなりわいにしている介子は、妖怪を斬りながらも、なんとか妖怪と共存できる日を夢見ている。だが、思いとは裏波に悲劇は起きてしまう。

 「介子(かこ)」は吉藤里氏による「ジャンプルーキー!」に掲載された読み切りマンガ。ジャンプルーキーは自由に漫画を投稿できる集英社のサイトで、人気のある作品は少年ジャンプへの門戸が開かれる。毎月、「月間ルーキー賞」が開催されており、賞金が出るという投稿サイトと漫画賞が合体したようなサイトだ。

 介子は自らも姉を妖怪に殺された過去があり、妖怪を恐れ、憎んでいた。だが彼女を助けてくれた男の言葉がきっかけで、妖怪と人間の相互理解ができないかと考えるようになる。本作は第一話と銘打たれているので、作者の中にはここからストーリーが続いているようだ。もちろん、この回だけでも読み切りとしての完成度は高く、深いテーマ性で考えさせる物語となっている。

【あらすじ】

 妖怪退治を生業にしている介子は、本当は人と妖怪が共存できる日を夢見ている。だが、多くの人は妖怪を恐れており、介子の夢は理解されがたいものだった。

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