特別企画

「キン肉マンミュージアム」が沼津にオープン!貴重な原画の展示や”キン肉バスター”の体験まで

ゆでたまご嶋田氏「キン肉マンを世界に発信していきたい」

【キン肉マンミュージアム in 沼津】

4月29日 オープン

会場:静岡県沼津市大手町 5-2-15

 「夢の超人タッグ編」で描かれたトーナメント・マウンテンの舞台である富士山へとつながる町、静岡県沼津市に「「キン肉マンミュージアム」 in 沼津」(以下、「キン肉マンミュージアム」)が4月29日にオープンする。その前日となる4月28日に、オープニングセレモニーとメディア先行内覧会が開催されたので、その模様をお届けしよう。

 オープニングセレモニーには「キン肉マン」の原作者であるゆでたまご嶋田隆司氏と、「キン肉マンミュージアム」の館長を務めるミノワマンZ氏、「キン肉マンミュージアム」制作委員会 委員長の大谷諒氏、沼津市長の賴重秀一氏、地元選出国会議員である立憲民主党衆議院議員わたなべ周氏、自民党衆議院議員であるかつまた孝明氏が出席した。

沼津駅の駅チカにある「キン肉マンミュージアム」

 「キン肉マンミュージアム」は沼津駅から徒歩2分程度の商店街に立地しており、建物の2階に展示スペースが設置されている。

 展示で第1の見どころはやはり複製原稿だろう。少年ジャンプの連載時そのままの雰囲気を味わえるからだ。入り口からすぐの年表も、これまでの「キン肉マン」の歴史がよくわかる。キン肉マンの戦いの歴史がまとまってわかる展示も、ファンにとっては「ああこんな戦いがあった」と思いだし、その時の気分を再び味わえるのが嬉しい。個人的に熱かったのはラーメンマンが超人たちの友情により復活するシーンが描かれている複製原画だ。虐殺超人から正義超人となり活躍したラーメンマンはとても大好きな超人のひとり。ブルース・リーをモデルとしたラーメンマンはとても強く、胸熱な思い出が蘇ってきた。

みんなの涙で復活するラーメンマン(※通常は撮影できません)

 また、ゆでたまご先生の作画がよくわかる展示は外せない。使われているペンや雲形定規といった道具まで取りそろえてあり、作画の風景が手に取るようにわかる。ここもじっくりと見ておきたいポイントだ。また、”キン肉バスターをかけられる展示”は、ファンであれば一度はチャレンジしてみたいところ。人の目が気になるかもしれないが、そこにいるのはみんなキン肉マンファン。きっと友情パワーで応援してくれるに違いない。

 このほかにも展示会は見どころ満載。会場の内部の様子がわかる動画も撮影してきたので、是非こちらも合わせてご覧いただきたい。

【「キン肉マンミュージアム」が沼津に登場! 内覧会の様子をちょい見せ】
キン肉スグルやテリーマンをはじめとした超人たちの立体像
「キン肉マン」の歴史
登場する超人たち
登場超人名鑑
ムービーでも超人の紹介がある
シリーズごとにまとめた展示
各シリーズが注釈と共に展示されている
複製原画のコーナー(※通常は撮影できません)
迫力のある複製原画(※通常は撮影できません)
トーナメント・マウンテンの登場シーン(※通常は撮影できません)
思い出のあのシーンがよみがえる(※通常は撮影できません)
個人的に大好きなラーメンマン(※通常は撮影できません)
キン肉マンの戦いの歴史
マッスルブラザーズは盛り上がった
これがキン肉バスターをかけられるコーナー
ミノワマンZ氏にかけてもらった
超人血盟軍秘密練習場も再現
作画例のコーナー
ゆでたまご先生の作画を再現したもの(※通常は撮影できません)
超人のラフ(※通常は撮影できません)
超人募集ハガキから起こされたラフ(※通常は撮影できません)
いきなり登場したサンシャインだが……
実は1階に突き抜けている
フィギュアなどを集めたコーナー
勢ぞろいするフィギュアたち
こんなフィギュアもあったのね
1階は物販コーナー
ミュージアム限定のTシャツもある

ゆでたまご嶋田氏「キン肉マンの全てがリアルにそろっている」

 併せて開催されたオープニングセレモニーでは「キン肉マンミュージアム」設立の経緯や、その想いが語られた。登壇した大谷氏はまず「この施設から商店街を盛り上げて、商店街に波及し、全体が盛り上がる形にできたらいい」とあいさつ。嶋田氏は沼津について「大学の相撲部の先生から行ってみないかと言われて来てみたらすごくいいところ。山も海もあるし、何といってもキン肉マンのトーナメント・マウンテンが富士山の横にある。その相撲部の監督の方からミュージアムをやってみませんかと声をかけていただいて(オープンした)」とコメント。

「キン肉マンミュージアム」制作委員会 委員長 大谷諒氏

 嶋田氏はラスベガスのショーを見るのが大好きで、「キン肉マン」でもそういうものができないかと考えたという。そして相撲部の監督と意気投合してやってみようということになり、今日を迎えた。「原稿もいっぱい展示してあるし、超人も展示している。ウォーズマンやロビンマスクなんかと対戦したんだと言うことがよくわかるので、皆さんじっくりご覧になってください」と語った。

キン肉マンの原作者であるゆでたまご 嶋田隆司氏

 続いて館長のミノワマンZ氏は「キン肉マンの全てがリアルにそろっている。本当に大人から子供たちまで皆さんで楽しめると思いますので、ぜひとも遊びに来てください」とコメントした。

「キン肉マンミュージアム」館長 ミノワマンZ氏

 沼津市長の賴重秀一氏は「沼津市が2023年は100周年、2024年が101年目という節目にあり、素晴らしいミュージアムができたことは誠にありがたい。沼津を代表する商店街に位置し、こちらの活性化も極めて重要だ。昔の子供も今の子供も楽しめる、幅広い方にこのミュージアムを楽しんでいただくという拠点ができたことは沼津市として光栄なこと。アニメコンテンツを活用したさまざまな取り組みを氏としても取り組んでいきたい」と語った。

沼津市長 賴重秀一氏

 わたなべ氏は「私は『キン肉マン』の世代より少し上だが、いろいろな形で楽しめるミュージアムになったらいいと思う。商店街は昭和のちょっとレトロな町。たくさんの方が来られるように。InstagramやFacebookで写真をいっぱい上げて、宣伝したいと思う」と述べ、かつまた氏は「私は本当に『キン肉マン』の世代。キンケシを集めた小さい頃の思い出が強い。このミュージアムができるのは大変うれしい。この『キン肉マンミュージアム』を通じて、よりいっそう大勢の人がこの地域に訪れてほしい」と語った。

立憲民主党衆議院議員 わたなべ周氏
自由民主党衆議院議員 かつまた孝明氏

嶋田氏とミノワマンZ氏のトークセッションも開催

 続いて嶋田氏とミノワマンZ氏によるトークセッションも開催された。嶋田氏はこれまで「キン肉マン」関連でアパレルなどをやってる店はいくらかあったが、原稿や立体物がある常設の展示をしたことがなかったという。

 「キン肉マンが映画の中で『キン肉マンランドを作りたい』とよく言っていた。そういうのがあったらいいなと前々から思っていました。DCコミックのバットマンやスーパーマン、マーベルのアイアンマンとかに負けないコンテンツだと思っていますので、このミュージアムができて、インバウンドの人は絶対に喜んでくれると思います。(『キン肉マン』人気は)アメリカもすごいし、アジア、タイ、香港、スペインなど、世界に発信していければいいと思っています」と嶋田氏。

 ミノワマンZ氏は館長に就任した気持ちを尋ねられて、「先生も先ほどおっしゃったように、キン肉マンランドはマンガの中にも出てきます。そしてミュージアムという形で先生の描いていたものが今ここにポン、とある感覚があって、夢の中にいるような気持ちです」とコメント。

 嶋田氏は思い出のシーンについては「ジャンプで連載が決まったときもすごかったが、印象に残っているシーンとしては、キン肉マンではなく、テリーマンとマウンテンが戦ったとき、初めて1位を取れた。これは印象に残っています」という。ミノワマンZ氏は思い出のシーンとして「マッスル・ドッキング」を挙げ、キン肉マンのキン肉バスターとキン肉ドライバーが合体するというのがすごすぎて。「キン肉マンII世」の方でもマッスル・ドッキングがあるが、そこでは角度が何度だといってコントロールしながら合体するという。マッスル・ドッキングが進化して、説明している部分がすごく好き」と語る。

マッスル・ドッキング(※通常は撮影できません)

 嶋田氏は最後に「今連載してて思うことは、親子で見ている人がたくさんいるということ。面白いものは普遍的で古くさくならない。『キン肉マン』は自分で見ても笑ってしまう。子供には屁をして飛ぶというのはすごく面白いみたいで。取っ掛かりが楽しいので、テレビアニメも楽しんでもらえたらいいと思っています」と述べた。ミノワマンZ氏は「40代、50代、60代の大人たちがすごく見ていたコンテンツ。その世代の人は全員来て欲しいし、世界の「キン肉マン」なので、海外からもどんどん見に来てほしい」と語った。

見どころは「アナログ原稿」。嶋田氏とミノワマンZ氏に一問一答

 また、嶋田氏とミノワマンZ氏への質疑応答時間も設けられた。一問一答形式だったので、その内容をご紹介しよう。

――トーナメント・マウンテンをモチーフにしているが、当時のことを思い出したことはありますか

嶋田氏:車から富士山を見て、やっぱりトーナメントを思い出しました。懐かしいなと思って。あの時は苦労しました。次の舞台をどこにしようかという所で、トーナメントのタッグを引いてみたら山の形に見えるので、これが富士山の隣にもう1個山を作ったらいいのではという発想で作りました。

――特に見て欲しい展示はありますか

嶋田氏:やっぱり原稿ですね。今だとデジタルでやっちゃうんですけど、アナログの原稿に写植が貼ってあって、それがものすごく見ものかなと。それからバッファローマンがキン肉バスターかけているところもあるので、そこが見どころかなと思っています。

バッファローマンがキン肉バスターをかけているシーン(※通常は撮影できません)

ミノワマンZ氏:やっぱりウォーズマンにできるキン肉バスターを実体験できるのが見どころですね。先ほども先生の描かれた絵の方のお部屋に入ったんですが、あそこだけ空気がゾクッと、鳥肌が立つように空気が変わりましたので、皆さんにそれを体験してほしいと思いました。

――沼津にミュージアムをオープンしようとしたきっかけについて教えてください

嶋田氏:やっぱり来たときにすごくいいなという感じがありました。また、今だと原稿ってデジタルで送れるんで、ここに住んで原作を送ろうかなというような感じもしていたくらいで、果物もおいしいし、魚もおいしい。ここに別荘を作りたいという気もしましたね。ここは「キン肉マンミュージアム」ですが、キン肉マンランドくらいになってくれればすごくうれしいですね。

――ここをモチーフとした超人を出演される予定はありますか

嶋田氏:それは面白いかもしれませんね。やっぱり「キン肉マン」は第3のゆでたまごという超人の読者たちに支えられているので、そういうのもちょっと考えてみたいですね。

ミノワマンZ氏:これからもたぶんイベントなどもいくつかやっていきたいと思いますので、超人募集だったり、そういうのも面白いかなと思います。

――沼津の盛り上がりについて肌で感じているものはありますか

嶋田氏:このミュージアムができるというのを聞きつけたファンが、隠し撮りみたいにしてXに挙げている。みんなやっぱり「キン肉マンミュージアム」を待ち焦がれていたんやなというのがあります。それがすごくうれしかったので。ここにものすごい人が集まってくれるというような予感がしています。

ミノワマンZ氏:最初に思ったのは、お魚がすごく新鮮でおいしいということ。それはすごく感動して、また来たいなという気持ちになりました。ミュージアムも駅から歩いてすぐなので、本当に来やすい環境ですので、ぜひ皆さん来て欲しいと思います。

――沼津にとってどういう場所になってほしいとお考えですか

嶋田氏:僕は大阪出身なんで、通天閣100周年を応援するような企画をやったんですね。大阪の新世界ってものすごくガラの悪いところで、普通の子たちは行けないような所だったのに、「キン肉マン」効果でものすごく普通の人たちが行くようになって、安全な町になりました。またファン同士がものすごく密になって、結婚したカップルも3組くらいいると聞いています。だからそういう、シャッター商店街がもっとにぎわうような感じで、ファンの発信基地になってほしいなという気持ちがいっぱいです。「キン肉マン」以外にも、魚がおいしいだとか、そういうことを知ってもらえたらすごくうれしいです。

――聖地としてどんな風に育ってほしいですか

嶋田氏:こんなに駅から近いのにシャッター商店街というのはあり得ないですから。「キン肉マン」の力で本当に商店街がまたにぎわってくれるようになるのが一番うれしいです。(もう一人の原作者である)中井(義則氏)もそれは言ってました。本当にうれしいと。やっぱり盛り上がってくれたらいいなということを言っていました。

――館長としてはどのように盛り上げていきたいと考えていますか

ミノワマンZ氏:フリースペースではいくつかのイベントを考えています。また僕も「新柔軟体操道」というものを考えましたので、そういうトレーニングを伝えたりしたい。ぼくは「キン肉マン」から強くなる、健康などを学びましたので、強くなって健康になって帰ってもらえるようなイベントも考えたりしています。あとはコスプレのイベントとかもいいかなとイメージしていますね。

 初めてのスタートですので、正直言ってはっきり何がどうなるのかはわからない状況です。ここはやっぱりファンのみなさまからいろいろ意見も聞いて、いろいろアドバイス井なども頂いてイベントをやっていきたいと考えています。あとは沼津の商店街のいろいろなお店やいろいろな方とコラボするのもいいかなと考えています。

嶋田氏:7月からアニメも始まるので、そういうものも絡めたような企画があればいいなと思っています。

ファンにはたまらない「キン肉マンミュージアム」。GWは是非沼津へ

 「キン肉マンミュージアム」には「キン肉マン」の歴史や当時の空気、そしてファンならたまらない展示がこれでもかと詰め込まれている。「キン肉マンミュージアム」の位置する沼津は新幹線を使えば東京からも1時間程度で訪ねられる場所。「キン肉マンミュージアム」は明日4月29日にオープンを迎えるので、このゴールデンウィーク中は是非現地を訪ねてみてはいかがだろうか。