読み切り

【今日の読み切り】「働く! スーパーマン」

就職氷河期に夢もなく流されるまま働き始めた、ある青年の物語

【働く! スーパーマン】

著者:多喜ざわゆき

講談社

 23才の青年、吉岡祥太は大学を卒業後、あるスーパーに就職する。就職氷河期の中、夢もなく、流されるまま働き始めた就職先で、様々な人と新たな出会いを経験する。

 本作「働く! スーパーマン」は、多喜ざわゆき氏の短偏作品。第85回ちばてつや賞ヤング部門の期待賞を受賞しており、「コミックDAYS」にて、2022年1月より配信されている。

 新入社員の吉岡は、最初に内定が決まったからというふわっとした理由でスーパーマーケットに就職したが、特別やりたい仕事でもなかったせいで、職場になじめずにいる。厳しくも優しい先輩社員や店長が自分を支えてくれるが、彼らとの関係性すら少し重荷に感じている。だが、失敗を通じて、少しずつ自分の立ち位置を作り上げていく。

 読みながら、社会に出たばかりの頃、自分が何もできないのだと思い知らされた、ちょっとホロ苦い経験や、自分の失敗を先輩からフォローしてもらい心があたたかくなったことなどを思い出した。人とのつながりの中で、自分が成長していけることを感じられ、読んだ後、明日からも頑張ろうと思えるような作品となっている。

□「コミックDAYS:働く! スーパーマン」のページ

【あらすじ】

就職氷河期。夢もなく、流されるまま生きてきた青年は、とある職場へ流れつく。そこは、あらゆる食材が流れ、通り過ぎていく現場、「スーパー」。初めての就職、痛感する己の不甲斐なさ。怒られ、諭され……新たな出会いが彼を「スーパー」な男にしていく。