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キャンパスノートに13年ぶりの新罫線「青色ドットボーダー」。15年ぶりの6代目で表紙もロゴも一新

<Campus>新VI・新商品発表会レポート

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 コクヨの<Campus>ブランドは、13年ぶりの新罫線を採用した「キャンパスノート(青色ドットボーダー)」を11月11日に発売する。“白紙のように自由、だけど整う”をうたう、演習・暗記向けのノートだ。価格は1冊220円(税抜)。

 11月4日には、東京・品川の「THE CAMPUS」で「<Campus>新VI・新商品発表会」が開催され、15年ぶりのリニューアルとなる6代目キャンパスノートや、ブランド初のVI(ビジュアル・アイデンティティ)、新ロゴもお披露目された。本稿では新しいノートを中心に、発表会の模様をお届けする。

2030年に「アジアNo.1」へ。成長の中心は<Campus>

 最初に登壇したのは、コクヨ グローバルステーショナリー事業本部 グローバルリージョン統括本部長の梅田由記氏。同社はステーショナリー事業で2030年に「アジアNo.1」となることを長期ビジョンに掲げ、その成長をけん引するコアブランドに<Campus>を据えている。2025年9月に“まなびかた”のブランドへ刷新してからの成果は目標を上回るペースで、2026年上期時点で国内の<Campus>棚の導入店舗数は昨年末比77%増、売上(グローバル含む)は計画比13%増となった。

梅田由記氏
リブランディングの成果を示すスライド

 海外でも勢いは続く。中国ではイベント「国誉博」を初めて4都市で同時開催して3万5,000人を集め、タイでは全土243店舗に導入。アメリカでは新学期シーズンに11大学でポップアップストアを展開した。海外の学生からは、にじみや「最後まで使い切れない」といったノートの基本機能への不満がまだ多く聞かれるそうで、梅田氏は日本ブランドならではの品質とデザインを武器に、価格競争ではなく付加価値の市場で勝負する考えを示した。2025年末時点で2,500万人の学生ユーザーを、2030年には4,300万人に増やすのが目標だ。

「変えたいけれど、変えすぎてはいけない」――15年ぶりのリニューアル

 続いて、<Campus>ブランド責任者の本村香代子氏が登壇。フェーズ2では、机の上の勉強だけでなく、学校生活や課外活動も含めた学生の学び全体を支えるブランドを目指すと語った。

本村香代子氏

 キャンパスノートは1975年、当時はまだ珍しかった無線とじのノートとして登場し、ほぼ10年ごとに時代に合わせて更新されてきた。前回の5代目は2011年の発売で、本村氏いわく「皆さんがようやくスマホを使い始めた頃」。それから社会は大きく変わり、ブランドの見た目も古くなっていた。そこで2025年にブランドの位置づけを変え、2026年にブランドの顔であるノートを刷新する、という順番で進めてきた。

 とはいえ、ノートは見た目を変えすぎるとお客さんが離れてしまう。売り場でいつものノートを見つけられなくなるからだ。本村氏はその難しさを、定番の「ドット入り罫線」ノートを例に説明した。オレンジの表紙に光沢のある銀色の背クロスがついたもので、このデザインを変えるかどうかは社内でも悩んでいたそうだ。

 「学生さんに意見を聞いたら、『私の鮭ノート』と呼んでくれていたんです。私たちの知らないところで、そんなふうに愛着を持ってくださっているんだと分かりました」(本村氏)

キャンパスノート(楽天市場より)。オレンジの表紙に銀色のライン、という配色で「鮭」。言われてみればそう見えてくるから不思議だ。

アートディレクター・木住野彰悟氏が語る新VIの3つの狙い

 新VIを手がけたのは、6D-K代表でアートディレクター/グラフィックデザイナーの木住野彰悟氏。本村氏とのトークで、制作の狙いを3つ挙げた。

木住野彰悟氏

 1つ目は、ブランドを若返らせること。長く続いたブランドに少しずつたまっていく“ノイズ”を取り払い、全体をクリアでシャープに整えた。ただし、これまでのファンが売り場で迷ってしまっては本末転倒だ。

 「目指したのは、気づいたら若返っているような変わり方です。手に取るまで気づかず、気がついたらずいぶんきれいになっているな、と感じてもらえるのが一番重要だと考えました」(木住野氏)

 2つ目は、中高生の「青春を代表するブランド」になること。毎日の授業で手に取られる<Campus>を、木住野氏は「青春を表現するブランドというより、すでに青春のど真ん中にいるブランド」と表現する。身近すぎて“当たり前”の存在になりやすいからこそ、そのイメージを意識して育てていくことが今後の課題だと話していた。

 3つ目は、ブランドの「記号化」。シンボルをゼロから作るのではなく、誰もが知っているキャンパスノートの姿そのものをシンボルにし、ノート以外の商品にも展開できるようにした。売り場で一目で「キャンパスだ」とわかる強さが狙いだ。

木住野彰悟氏と本村氏のトーク

 その象徴が、ロゴの上に引かれた罫線モチーフのライン「Borderless Line(ボーダーレスライン)」。本村氏によれば、学生が感じている不安や葛藤という“壁(ボーダー)”を一緒に乗り越えていきたい、というメッセージが込められている。同社の調査では学生の3人に2人が日々の生活で不安を感じていると答えており、その傾向は日本に限らず、アメリカや中国などでも共通していた。

新ロゴと「Borderless Line」

主役は新罫線「青色ドットボーダー」

 いよいよ本題の、新しいノートだ。

 6代目キャンパスノートは、新ロゴを中心に表紙も一新された。ロゴは歴代のロゴにある「Cam」と「pus」の二つに分かれた構成を受け継ぎつつ、Helveticaをベースに現代的に洗練。表紙は5代目の印象を残す配色や罫線表記はそのままに、ロゴまわりの余白をしっかり取ったすっきりしたデザインになっている。

6代目キャンパスノートの表紙デザイン

なぜ今、新しい罫線なのか

 本村氏は、開発の背景にある授業スタイルの変化から説明を始めた。

 かつての授業は、先生の板書を書き写すインプット型が中心だった。今は、先生が出したテーマについて議論したり考えを共有したりする、アウトプット型の授業が増えている。板書型なら授業中にノートで内容を整理できたが、議論中心の授業は話が広がったまま終わることも多い。その結果、授業のあとに「結局、何が重要だったんだっけ?」となってしまうケースが増えているそうだ。

 そのため、授業後に自分で情報を整理し、それをもとに定着させるプロセスが重要になった。実際、学校の授業用にノートを使う場面は減り、授業外の勉強や反復学習で使う場面が増えている。

 これまでのキャンパスノートの代名詞は、板書をきれいに取るための、インプット向けの「ドット入り罫線」だった。対して「青色ドットボーダー」は、演習問題をサクサク解く定着フェーズ、つまりアウトプット向けのノートだ。2冊を学習の段階で使い分けてもらう、というのが今回の提案である。

3つの特徴:青色ドットボーダー/マージン罫/フラット製本

 演習用のノートには、従来の罫線ならではの悩みがあった。分数は1行に収まりにくく、英語の大文字と小文字はバランスが取りにくい。罫線に気を取られて、書くスピードも落ちてしまう。かといって白紙を使うと、自由には書けるものの、文字がだんだん斜めになって後から見返しにくい。

 その両方のいいとこ取りを狙ったのが青色ドットボーダーだ。キャッチコピーは「白紙のように自由、だけど整う。だから振り返りがしやすい」。本村氏は特徴を3つ挙げた。

キャンパスノート(青色ドットボーダー)5色

 白地にカラーのラインを1本通しただけの表紙は、新VIのボーダーレスラインとも呼応していて、5色並べるとなかなか爽やかだ。

青色ドットボーダー

 新開発の罫線そのもの。薄いボーダー模様なので、罫線にとらわれず白紙のようにサクサク書ける。一方で、ボーダーが適度な目安になり、文字は自然とまっすぐ並ぶ。ボーダーの上にはドットも打たれていて、図や表もきれいに描ける。

マージン罫

 ページ右側に設けられた、縦に薄く引かれた線。重要なポイントや間違えた箇所をメモしておけるので、演習問題を解きっぱなしにせず振り返れる。線は薄く、必要がなければ無視して使ってもかまわない。

フラット製本

 6代目では、学生向けのキャンパスノートにフラット製本を標準で採用する。真ん中が膨らまずに開くので、見開きを1ページのように端から端まで使える。

記入例

「線」に見せないための細かな工夫

 開発の経緯からも、作り込みの細かさがうかがえる(同社公開の開発秘話より)。

・発想の元になったのは、薄い透かしの横線が入った「レイド紙」。見えるか見えないかくらいの罫線なら、無地のように自由に書けて、何もないよりはまっすぐ書ける、という考えだ
・基準にしたのは、人気の6mm罫(B罫)。ボーダーは細すぎると「線」に見えるので0.3mmの幅を持たせ、線の太さと間隔を調整して模様に見えるようにした
・色はグレーと黄色も試作した。グレーは書くときの手の影と重なって見づらく、黄色は白い紙の上で見づらかった。視認性に加えて「集中」「真面目」の印象もあることから、青に決めた
・当初の青はもう少し濃かった。学生に使ってもらうと「罫線が気になる」という声が出たため、微妙な濃度差を何度も検証して今の濃さに落ち着いた
・試し刷りでドットとボーダーの境目がぼやけたため、ドットの周りに白い縁を設けた。パッと見ではわからないほどの細かい調整だ
・マージン罫は、学生が実際に使っているノート200冊分の画像を調べて採用を決めた。ノートの右側を自分で縦に仕切り、メモ欄にしている学生が多かった

ボーダーとドットのアップ。ちなみにコピー時、青色は映らないとのこと

 罫線1本の“濃さ”に、ここまで議論を重ねていたことには驚かされる。タッチ&トライで実物を手に取ると、ボーダーは想像していた以上に薄かった。少し離れて眺めると、ほとんど無地のノートに見えるほどだ。ところが顔を近づけると、細かなボーダーの上にドットが規則正しく並んでいるのがわかる。“白紙のように自由”というキャッチコピーは、見た目の時点ですでに形になっていると感じた。分数や英文を書く機会の多い学生には、とくに刺さりそうなノートである。

「MIRAI」でも「Fit」でもなく「青色ドットボーダー」に

 商品名もすんなり決まったわけではない。ステージで本村氏が明かしたところでは、候補には「キャンパスノート MIRAI」や「キャンパスノート Fit」などもあった。ところが学生に聞くと、「かっこいいけど、どんな商品かわからない」という反応。定番として受け入れられることを優先し、特徴をそのまま伝える「青色ドットボーダー」に落ち着いた。

商品名の候補だった2種

 その根っこにあるのは、このノートを「学生の未来のまなびの定番」にしたいという思いだ。開発期間はおよそ1年8カ月。価格をほかの学生向けキャンパスノートと同じ220円にそろえたのも、学生が日常的に使う新たな定番品になってほしいからこそである。

定番の「ドット入り罫線」もブラッシュアップ

 2008年の発売以来、学生の定番になっている「ドット入り罫線」も改良された。東大生110人への街頭調査(2026年1月、コクヨ調べ)では、約90%が使ったことがあると答えている人気の罫線だ。新しいドット入り罫線についても、中高生へのヒアリングで約90%が「使いたい」と回答した(2025年10月、コクヨ調べ)。改良点は3つある。

セクションガイド

 ページを縦に4等分する位置の3カ所で、ドットが短い縦線になっている(中央の1本は2等分の目安にもなる)。線を引く目安になるので、科目に合わせてページを自由にレイアウトしやすい。

幅広タイトル欄

 タイトル欄の幅を広げ、後から見返したときに何のページかがすぐわかるようにした。

復習チェッカー

 ページ上部に設けられた欄。苦手な内容やテストに出るページにマーカーで印をつけておけば、重要度がひと目でわかる。

キャンパスノート(ドット入り罫線・カラー表紙)
特徴を解説するパネル

こちらもフラット製本となり、ドット入り罫線のカラー表紙やスマートキャンパスなど、学生向けの計42品番が対象となる。展示台のノートは、どれも開いたまま机の上で平らに寝ていた。地味な変化に見えるが、ページの真ん中を押さえながら書くあの小さなストレスが消えるのは、毎日ノートを使う学生にとって大きいはずだ。

フラット製本で平らに開いたノート

“めじるしライン”で狙って消せる修正テープと、限定ポーチ

 関連アイテムも紹介された。「キャンパス 修正テープ(つめ替えスリムタイプ・めじるしライン)」は、ノートの紙と同じ色、罫線と同じ幅のテープで修正箇所を目立ちにくくした人気シリーズの新型だ。シリーズの累計出荷数は700万個を超えている(2026年9月時点)。

 今回はヘッドの先端に青い「めじるしライン」が加わり、引き始めを狙った位置に合わせやすくなった。ヘッドは透明で、修正箇所の周りも見やすい。ペンケースに収まるスリムな形状で、ペンに近い感覚で持てるのもポイントだ。開発には、多様な特性を持つユーザーと対話しながらものづくりを進める同社の「HOWS DESIGN」のプロセスを採用。握力の弱い上肢障がいのある人たちとともに、リフィルのつめ替えにくさや修正箇所の見にくさといった課題の解決に取り組んだ。

 この修正テープは、ASEAN地域ですでに販売されており、タイの学生の間で好評だそうだ。本村氏は今後も、アジアでの反応を見てから日本で発売する流れを強めていくと語っており、国内外を行き来する商品展開への意欲がうかがえた。

キャンパス 修正テープ(つめ替えスリムタイプ・めじるしライン)

 最後に紹介されたのは、新しい<Campus>を記念した数量限定の「キャンパス ミニノート付きポーチ」。部活や課外活動で使う小物を入れて持ち歩ける、カラビナ付きのミニポーチだ。新ロゴのミニノート、ステッカー、缶バッジがセットになっていて、カラーは青と白の2色。スクールバッグに付けて、自分なりにアレンジして楽しめる。

キャンパス ミニノート付きポーチ

ひまひまさんが「特別授業」で新ノートを体験

 後半には、「<Campus> presents 特別授業」と題したステージにひまひまさんが登場した。ボーダーを意識したという青のコーディネートで、「今、大学1年生なので、大学生らしさも出しながら大人っぽくしてみました」と笑顔を見せる。

ひまひまさん

 学習机に座ったひまひまさんは、先生役の本村氏から講義を受けた。1時限目は青色ドットボーダーの特徴、2時限目はキャンパスノートの歴史。歴史の授業では、本村氏によれば5代目で加わったという小さな工夫も紹介された。学生はノートの真ん中に線を引いて使うことが多いため、ペンケースに入る15cm定規を2回当てて線が引けるよう、ページの中央に点を打ったのだそう。ひまひまさんも「真ん中から線を引くと途中でずれてきて、斜めになるとやる気が下がっちゃうので、ありがたかった」と、学生目線でうなずいていた。

特別授業の様子

 実際に青色ドットボーダーで書いてみた感想は、次のとおり。

 「線があまり書かれていないように見えるのに、自然と整うんです。見返したときに『あれ、自分こんなにきれいにノートが取れてる』って不思議に思います。線に合わせて書かないと、頑張らないと、というのがないので、すごくストレスフリーに書けますね」(ひまひまさん)

 最後の3時限目は、ノートに直接答えを書き込むテスト。キャッチコピー、3つの特徴、開発に込めた思いを問う3問に、ヒントをもらいながら挑み、見事全問正解した。ご褒美として、非売品のキャップとトートバッグに、ミニノート付きポーチや青色ドットボーダー、ペン類を詰め合わせたセットが手渡されると、「ちょうど来週テストなので、頑張りたいと思います」とステージを締めくくった。

歴代デザイン。あなたはどの世代?

 おそらく多くの人が学生時代にお世話になった「キャンパスノート」。会場には歴代デザインの商品がならべられており、「ああ、この世代だったなぁ」と、なんとも懐かしい気持ちになった。

 ただ、こうして並べてみると、キャンパスノートが変えてきたのは見た目だけではないことに気づく。無線とじに始まり、表紙の罫線表記、最後まで使い切れる丈夫な背クロス、定規の目安になる中央の点。どの代にも、その時代の学生の使い方に寄り添った工夫が込められていた。

 6代目の青色ドットボーダーも、その延長線上にある。板書を写す時代から、自分で考え、解き、振り返る時代へ。学び方が変われば、ノートに求められる役割も変わる。「罫線はもう出尽くした」という思い込みを、学生の今を見つめ直すことで軽やかに越えてみせた。50年にわたって定番であり続ける理由は、きっとこういうところにあるのだろう。

 自分が使っていたあのノートが、今の学生の手元ではこんな姿になっている。そう思うと、少しうらやましくもある。価格はいつもと同じ220円。学生はもちろん、かつてキャンパスノートで勉強していた大人こそ、一度手に取って今どきの“まなびかた”に触れてみてほしい。

商品データ

キャンパスノート(青色ドットボーダー)
発売日:2026年11月11日
価格:単冊220円/5色パック1,100円(いずれも税抜)
仕様:セミB5、30枚、フラット製本
カラー:青、緑、赤、紫、オレンジ

キャンパスノート(ドット入り罫線・カラー表紙)
発売日:2026年11月11日
価格:単冊220円/5色パック1,100円(いずれも税抜)

キャンパス 修正テープ(つめ替えスリムタイプ・めじるしライン)
発売日:2026年11月11日
価格:本体330円/リフィル200円/お徳パック400円(初回限定)(いずれも税抜)
ラインナップ:A罫用(6.5mm×6m)、B罫用(5.5mm×6m)

キャンパス ミニノート付きポーチ
発売日:2026年11月11日
価格:各1,000円(税抜、数量限定)
カラー:青、白