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“聞き書き怪談”の決定版。怪談と考察が生む新たな恐怖「無縁怪奇録 いんがほどき」本日8月29日発売

【無縁怪奇録 いんがほどき】
8月29日 発売
価格:1,650円

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 竹書房は、「無縁怪奇録 いんがほどき」を本日8月29日に発売する。価格は1,650円。

 本書は、怪談・マンガ・考察が合わさった書籍。斉砂波人氏の怪奇取材録を、漫画家・綿貫芳子氏と怪談作家の吉田悠軌氏・高田公太氏がそれぞれの視点で読み解き、れぞれの解釈で紡いだ恐怖譚30篇が収録される。

【編著・怪談提供 斉砂波人より読者の皆さんへ】

本書は僕が聞き集めた怪談を僕、吉田悠軌氏、高田公太氏、そして漫画として綿貫芳子氏の四人で形作ったものです。
僕が体験者・関係者から聞いた話を彼らに話し、三人はそれぞれの視点でそれを漫画や怪談の形に紡いでくれました。
本書の意義とは、怪談とは伝聞で伝わるものであることに由来しています。
人から聞いた怪しい話をまた次の人へと語る、書く、描く。
その途中で口を動かす者、手を動かす者がそれぞれの琴線に触れた部分を強調し、そうでない部分が削られ、新たな形を成していく。
その瞬間こそが〝怪談が生まれる瞬間〟なのです。
皆様も本書を読んで、是非語りたくなった怪談を探し、そっと誰かに話してみましょう。
きっと、そこには怪談の大いなる愉しみが待っています。

【試し読み】
【「因果」取材記録(漁師町Aさん)】

日本海沿いの漁師町。

幼い娘が「にょにょさまにもらった」と十円玉を二枚、握りしめて帰ってくる。

「にょにょさまって?」

「にょにょさまは◎△$♪×¥●&%#?!だよ」

娘は笑顔で答えるのだが、なぜか母の耳には肝心の部分が聞き取れない。

娘の声がそこだけ、まるでテープを逆回転しているような音になって聞こえる。

何か変だ。

Aさんは気になりつつも娘の手から十円玉を預かり、ぶたの貯金箱にひとまず入れておいた。

そんなことが一度きりでなく、それから何度も何度も続いた。

それこそ、ぶたの貯金箱がずっしりとしてくるほどに。

ある日、魚市場で娘が歓声をあげた。

「にょにょさまの赤ちゃん!」

小さな指が差す先にあったもの。

それは「ホヤ」であった……。