ニュース
手塚治虫「火の鳥」初の大型展覧会が開催決定! 六本木ヒルズ・東京シティビューにて2025年3月7日よりスタート
生物学者・福岡伸一氏が読み解く手塚治虫の生命哲学
2024年10月29日 17:09
- 【手塚治虫「火の鳥」展-火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-】
- 会期:2025年3月7日~5月25日
東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)にて、企画展「手塚治虫『火の鳥』展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡(どうてきへいこう)=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴-」が2025年3月7日から5月25日まで開催される。
マンガ家・手塚治虫氏が、みずからのライフワークと宣言したマンガ「火の鳥」は、その血を飲んだものは永遠の命を得るという伝説の鳥“火の鳥”を追い求める人々の葛藤を描く一大傑作長編。過去と未来を交互に描きながら、「生と死」、「輪廻転生」といった哲学的なテーマを縦横無尽に表現した壮大な世界観をもつ作品となっている。
本展では、生物学者・福岡伸一氏が企画に携わり、30年以上の長きにわたって執筆された壮大な叙事詩を読み解いていく。さらに、本展のキービジュアルは、グラフィックデザイナー・佐藤卓氏が担当。時空を超えて存在する超生命体“火の鳥”を中心に、赤と黒を基調としたインパクトのあるデザインとなっている。
「火の鳥」の連載開始から70年が経過した今、福岡氏を道先案内人として、新たな生命論の視点から「火の鳥」の物語構造を読み解き、手塚治虫氏が生涯をかけて表現し続けた「生命とはなにか」という問いの答えを探求していく。
本名・手塚治。1928年、大阪府豊中市生まれ、宝塚市で育つ。大阪大学附属医学専門部卒業。医学博士。1946年に17歳で4コママンガ「マアチャンの日記帳」にてデビュー。翌年、単行本「新寳島」が大ヒットとなり、以来、日本のストーリーマンガの確立に尽くす。
また、1961年、アニメスタジオ「虫プロダクション」を設立。1963年、国産初の本格的なテレビアニメシリーズ「鉄腕アトム」の放送を成功させ、アニメ界にも大きな業績を残す。
代表作に「鉄腕アトム」、「ジャングル大帝」、「リボンの騎士」、「火の鳥」、「ブラック・ジャック」、「三つ目がとおる」等がある。1989年死去。
手塚治虫のライフワーク「火の鳥」。テーマは「生きること、死ぬことの意味は何か」。人間にとって最も深遠な問いです。全編にわたって不死鳥“火の鳥”が登場し、生に執着する人間を翻弄しながら物語を動かします。
そこでは、あらゆる生命が常に姿と形を変えながら、連綿と受け継がれていく輪廻転生の生命観、汎神論的な世界観が示されます。これは、生命が絶えず自らの破壊と創造を繰り返しながら、エントロピー増大の法則に抗い続けている「動的平衡」であるとする私の生命論とぴたりと重なります。
本展の狙いは、動的平衡の視点から火の鳥の意味を読み解くことにあります。そして、手塚治虫が描くことを約束しながら果せなかった物語の結末を想像してみたいと思います。ぜひご期待ください。
生物学者・作家。1959年東京生まれ。京都大学卒および同大学院博士課程修了。ハーバード大学研修員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。サントリー学芸賞を受賞し、90万部のロングセラーとなった「生物と無生物のあいだ」、「動的平衡」シリーズなど、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。
大阪・関西万博(EXPO2025)のテーマ事業パビリオン「いのち動的平衡館」プロデューサー。
東京藝術大学デザイン科卒業、同大学院修了。「ロッテ キシリトールガム」、「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインをはじめ、ポスターなどのグラフィック、商品や施設のブランディング、企業のCIを中心に活動。
NHK Eテレ「デザインあ」、「デザインあ neo」総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクター兼館長を務め、展覧会も多数企画・開催。毎日デザイン賞、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章他受賞。
「手塚治虫『火の鳥』展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-
会期:2025年3月7日~5月25日
会場:東京シティビュー(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
開館時 間:未定
入館料:未定
主催:東京シティビュー
企画協力:手塚プロダクション
企画・監修:福岡伸一
※その他の詳細情報は、順次公開予定
hinotoriten_KV_yoko(C)Tezuka Productions / 手塚治虫「火の鳥」展キービジュアル (C)Tezuka Productions
※手塚治虫の「塚」は旧字体が正式表記となる