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出版科学研究所、2023年のコミック市場を発表。前年比 2.5%増の6,937億円。紙は同8.0%減、電子が同7.8%増

【出版科学研究所:2023年コミック市場】

2月26日 発表

 全国出版協会・出版科学研究所は、2023年(1~12月期累計)のコミック市場(推定販売金額)を2月26日に発表した。

 コミック市場は、紙と電子を合わせて前年比2.5%増の6,937億円となっており、紙のコミックス(単行本)とコミック誌を合わせた推定販売金額が同8.0%減の2,107億円、電子コミックが同7.8%増の4,830億円。

 電子コミックが牽引し、6年連続のプラス成長となった。コミック市場のシェアは紙が30.4%、電子が69.6%で約7割が電子の売り上げとなっている。出版市場におけるコミック(紙+電子)のシェアは同2.0ポイント増の43.5%に達している。

 紙コミックスは「【推しの子】」(集英社)、「葬送のフリーレン」(小学館)などのアニメ化作品が話題となり、大きく売り伸ばした一方で、紙のコミックスは新刊の売り上げが中心となっており、売れ行きが一部の上位作品に集中し、幅広く売れる状況に乏しくなっている。また、上位の販売水準も目減りしており、全体では1割近い減少となった。コミック誌は減少が続き、webやアプリに連載を切り替える動きも多く見られる。

 電子コミック市場は映像化作品など紙でもヒットしたものだけでなく、ストア独占・先行配信作品の強化や電子オリジナル作品、縦スクロールコミックの好調さが市場を底上げ。「ピッコマ」で取り上げられた「トリコ」(集英社)や広告出稿した「コウノドリ」(講談社)など完結した作品の掘り起こしも成功している。

□出版科学研究所の「2023年コミック市場」ページ