特別企画

【今日の読み切り】「脳天×ワープ×キス」

電脳化ワープを手に入れた男、でも本当の俺はどこにいる?

【脳天×ワープ×キス】

著者:江ノ島だいすけ

集英社

 脳を電脳化することで、世界中の義体に意識を飛ばすワープが可能になる。そんなSF的な体験のモニターに応募した鹿山田大志は、頭をタップするだけで世界中を自由にいどうできる身体を手に入れた。

 「脳天×ワープ×キス」は、「人造人間100」の作者江ノ島だいすけ氏が描く、宇宙的ラブストーリー短編漫画。大志はとにかくお調子もので、できるできないを考えずに大言壮語を口にしてしまうタイプ。幼馴染で同級生の女子、三鷹和穂は、そんな鹿山田のノリにあきれながらも、面白がってつき合ってくれる。

 数年間は、ワープ生活を満喫していた大志だが、ある出来事がきっかけで、電脳ワープの本当の意味に気づいてしまう。それは大志の自己同一性を揺るがすほどの衝撃的な事実だった。

 同じように夢を語っても、時には夢を持つのは大切なことだと励まされるが、時には現実を見ろと諭される。そんな経験を繰り返して、人はどんどん夢を語ることに慎重になる。だからこそ、恐れることなく夢を語れる人間は、愚か者であり、勇者でもある。

 大志は後先考えずに行動してしまうタイプだが、そのせいでつらい目にあったこともあり、自分の行動を完全には肯定できていない。なのに、そんな行動をとってしまう自分に自己嫌悪すら感じている。だが、そんな彼を和穂は肯定してくれる。彼女が語った理由と、結末はぜひ本編を読んで確かめて欲しい。

【あらすじ】

 人類はついにワープを可能にした!ワープできるようになるには自らの脳みそを電脳化する必要がある。鹿山田大志は、意気揚々と電脳化するのだが…?