特別企画

【今日の読み切り】「深海のマリンスノー」

心を閉ざした少年ユウキが出会った少女は――

【深海のマリンスノー】

著者:久住

講談社

 ニーチェを読んでいる小学生ユウキは、世の中をいつも冷めた目で見ている。そんなユウキは、友達を避けるように来た図書館で不思議な雰囲気の少女、成田柚花と出会う。

 「深海のマリンスノー」は、久住氏の短編。「月刊アフタヌーン」の漫画賞「アフタヌーン四季賞」の2023年冬のコンテストで準入賞に選ばれた。

 心に傷を持ち、大好きだった水族館しら楽しめなくなっているユウキと、人を拒絶しようとするユウキのこころにぐいぐいとは言ってくる柚花。年齢の違う2人はいつしか心を通わせる友達になっていく。

 傷ついた子どもたちはなかなか本心を見せようとせず、時には心とは反対の行動をとったりもする。そんな繊細な心を、グロテスクな見た目で嫌われる深海魚に見立て、子供たちの心情を綴っている。

【あらすじ】

 小学生のユウキは、以前大好きだった魚類図鑑の代わりにニーチェの本を読んでいる。友達を避けるように行った図書館で、お気に入りの席を占拠している少女、成田柚花と出会う。柚花は元気な性格で、ユウキにどんどん話しかけてくるが――。