特別企画

【今日の読み切り】「瑠璃の双子」

音を見て、絵を聴く。共感覚を持つ2人だけに見えている世界

【瑠璃の双子】

著者:朝辺文

集英社

 ある情報を2通りの方法で認識できる共感覚。双子の瑠彩(るい)と璃音(りおん)は共に共感覚の持ち主。、瑠彩は音を色として感じ、璃音(りおん)は色を音として感じることができる。2人は色と音でつながった世界のなかで競い合い、高校を卒業するころには多くのコンクールに受賞し、将来を嘱望される有名人になっていた。

 「瑠璃の双子」はジャンプ+に掲載された朝辺文氏による、共感覚というたぐいまれな能力を持つ双子が主人公の読み切りマンガ。筆者は残念ながら共感覚を持っていないようで、色が音に聞こえたり、音に色を感じる感覚を実体験したことはない。だがどんな感覚なんだろうという憧れはある。しかもそれが、双子と共有できれば素敵に違いない。

 双子は、ある事故がきっかけで大切なものを失ってしまう。だが、すべてを失ったわけではなかった。少し不思議でさわやかな結末をぜひ一緒に味わって欲しい。

【あらすじ】

 色と音を結ぶ共感覚を持つ双子・瑠彩と璃音。その才能を生かし、瑠彩は絵画、璃音はピアノでめきめきと頭角を現していく。高校卒業後は海外への留学を予定していた2人だが、留学直前にある事故が起こり……。