特別企画

【今日の読み切り】「きみの夏休み」

写真でしか知らない母。おふくろの味を確かめるため小5夏休みの冒険が始まる

【きみの夏休み】

著者:春野ユキト

講談社

 小学5年生の「穂高」は、お母さんのことを写真でしか知らない。料理を作るのがうまいというお母さんは、隣町のスーパーで惣菜を作っているという。“おふくろの味”を知るため、隣町のスーパーと向かう、穂高の夏休みの冒険が始まる。

 本作「きみの夏休み」は、「2021年後期・第80回ちばてつや賞一般部門」で大賞を受賞した作品。夏休みに、自分が貯めていたお小遣いを手に、お父さんに内緒で隣町のスーパーまで行くという、主人公の冒険と、それをきっかけに動き出す家族の物語が描かれる。

 小学生なりに、自分が母に会うと迷惑なんじゃないかと、大人の事情をなんとなく感じている様子がとてもいじらしい。「穂高」の目線で描かれているが、お父さん、お母さんの気持ちで読んでみると、より一層作品の世界観を感じられるような作品となっている。

【あらすじ】

母をたずねて隣町まで。小学5年生の大冒険が始まる。